日本経済調査協議会(日経調)の第3次水産業改革委員会は、日本の漁業・水産業を回復させ、豊かな海洋資源を守るための具体的な方策に向けた中間提言をこのほど取りまとめた。改正漁業法に基づく水産政策では「不十分」と指摘し、制度やシステムの改善など5項目を示している。中間提言は①海洋水産資源/海洋生態系を無主物から国民共有の財産へ②データの質と量の向上、科学的根拠に基づくTAC設定。オブザーバー制度と監視取締り、罰則の強化③漁業権を許可制へ、物権を営業権へ④資源に見合った漁業経営、大中小漁業者グループITQ(個別譲渡可能割当)とオンラインでの枠の移行⑤非持続的漁業補助金の段階的廃止と予算のイノベーションなどへの振り向け、自立した漁業・水産業の確立─の5項目をまとめた。
網走湖でヤマトシジミの種苗生産に取り組む西網走漁協は、蓄養する水槽を7基から18基に増やし生産・放流数の拡大を目指す。呼人漁港の別区画に専用施設を新設し、今年の種苗生産から使用開始。確保した種苗は計画を下回ったものの、来年以降の生産拡大に期待を寄せている。
えりも漁協で刺網を営む第八十八瑞雲丸はキンキン(キチジ)も水揚げしている。漁は夏場に上向き、型も良く好値を付けている。川上亮二さんは「併行して漁獲するサメガレイも含め昨年より値段が良い」と笑顔を見せる。ババガレイが切れた後キンキン狙いに切り替え1月後半に開始。春は低調な漁模様だったが、7月に入って上向き基調に転じた。「5~6月は70~80キロなど100キロに満たない水揚げだったが7月は100キロ以上に増えた。数日前は網3本で200キロを揚げた。サイズは中と大が主体」と説明。「キンキンは200キロ獲れれば大漁。100キロで採算が合う」と示す。
大樹漁協の大樹さけ定置共同経営体は今期、秋サケの船上活じめ出荷を強化している。5カ統のうち、春網にも着業する2カ統(2号・4号)が導入した電気刺激による「魚介類鎮静化システム」を活用し実施。サケが暴れない状態で活じめができ、作業の効率化に加え、サケにストレスを与えない処理方法で品質向上も考慮。全量活じめに取り組んでいる。
えりも漁協の採りコンブは9月15日現在で4地区が切り上げ、全地区延べ出漁日数は136日(525時間)と昨年を下回るペースで推移している。天候不順などにより8月の採取が36日と伸び悩んだ。地区別では資源状況含め下側が振るわない。また全般的に水コンブが繁茂しており「その影響で成コンブの実入りが悪い」と指摘する声もある。
苫小牧港のスルメイカ釣漁は9月上旬から外来船が集結し、14日は合計21隻が荷揚げした。数量に安定性を欠く漁模様を強いられており、着業者は今後の増産に望みを託す。組成はバラも見られるなど小ぶり。14日の出荷数量は発泡485箱。大半が前日の昼操業。30尾入れが主体で255箱と全体の約5割を占めた。えさん漁協所属・白龍丸の泉義峰さんは「もう切れた感じ」と強調する。苫小牧沖や登別沖などで操業したが「14日の出荷は10箱とわずか」と話す。泉さんは「9月上旬に苫小牧に来たが、最初のうちは多い日に120箱獲れた」と説明。ただ「多い日は3日間くらいしか続かない。今年はどこの漁場もそんな感じの水揚げ」と特徴を示す。
留萌管内の韓国向け活貝輸出が堅調だ。4~8月の出荷量は4単協(遠別・北るもい・新星マリン・増毛漁協)合わせ前年同期比4割増の約4千トン。浜値はキロ300円台前半だった昨年の2倍に高騰した。生存率が良く輸出業者の引き合いが強まり、序盤から高値のまま終盤を迎えている。
北海道の秋サケ定置はオス、メスとも全面高でスタートした。特に卵需要のメスは出足から昨年比3~4割高に上昇。サンマが不調下、旬の生鮮需要も絡んでおり、通年商材の価格設定は今後の漁況次第だが、在庫薄、海外産の高騰、低来遊予測など上振れ要素をはらんだ生産環境。売り場堅持、消流安定への適正価格の形成が焦点になる。
宮城県水産技術総合センター(石巻市)は7日、2022年度の県内秋サケ来遊数が6万7千尾になるとの予測を公表した。前年度実績の1.8倍だが、記録的な不漁傾向を踏まえ、予測値を下回る可能性があるとの見通しも示した。
母船式捕鯨の共同船舶株式会社(所英樹社長)は4日、くじらの日(9月4日)に合わせて販促イベントを行った。通常は冷凍流通が主体だが、ノンフローズンのニタリクジラの生肉約2トンを豊洲市場に上場、都内の飲食店や量販店で販売された。また、同社主催のバーベキュー大会も好評を博し、所社長は「くじらの日の販促活動を毎年実施していきたい」と鯨肉普及に意欲を見せる。