めかぶ加工・販売の有限会社丸繁商店(宮城県気仙沼市、小野寺繁雄社長、電話0226・23・4941)は新商品「10秒deおいしいめかぶ」を発売した。スライスした宮城産を厚さ5ミリの板状に凍結。冷凍庫の隙間に収まり、解凍が簡単で包装のプラスチック使用量も減らせるのが特長。コロナ禍で免疫細胞の集まる腸内環境に関心が高まる中、食物繊維が豊富で「腸活」に最適なめかぶを、より手軽に毎日の食卓に取り入れてもらう。
漁業の6次化を推進する株式会社海遊(宮城県石巻市雄勝町、伊藤浩光社長、電話0225・25・6851)は、サステイナブル(持続可能な)食材として注目が集まるムール貝(ムラサキイガイ)の拡販に力を入れる。今年春にワイン蒸しなど加工品3品を投入。認知度の向上を図るとともに、高付加価値化により収益力のアップを目指す。
「北海道フーディスト」や「北海道うまいもの館」といった北海道の食品専門店を、首都圏中心に全国展開している北海道フードフロンティア株式会社(東京都、生熊康延社長)。コロナ禍ではテナント先の商業施設の休業・時短により、操業面で苦労を強いられた。その一方で、旅行の自粛もあり、道産品の販路拡大、全国展開を担う役割に、より期待が寄せられてきた。昨年からは生鮮品にも力を入れるなど魅力ある店作りに励んでいる。
特定の漁業者を応援する消費者の存在がコロナ禍で輝いた。漁業に関する記事の寄稿や講習などを手掛ける「さかなプロダクション」の代表でおさかなコーディネータのながさき一生(いっき)氏は「ファン(固定客)が付いている漁師はECサイトなどを介して減収を抑えることができた」と強調する。
北海道にはコンブなど有用な海藻資源が豊富に存在し、含有する色素成分の違いによって褐藻、緑藻、紅藻に分類される。道立工業技術センターの木下康宣研究主査は、それぞれが有する特徴的な成分組成に着目、栄養バランスを意識して摂取する「緑黄色海藻」という新たな利用概念を次のように提案する。
SNSを駆使し販路開拓に取り組む漁業者が増えた中、湧別漁協でカキ養殖に着業する登栄床地区の播摩大輔さん(40)も、協力者といち早く連携しネット販売に力を入れている。タッグを組むのは地元・湧別町で酒屋を経営しながらネット通販会社株式会社モグぱっく(電話01586・2・4910)を立ち上げた橋本祐樹社長(40)。「漁業者が手間を掛け良質に育て上げたカキを全国に広めたい」との思いが具現化し、9年前からネット販売に注力。両者は昨年12月に「さろまる」の名でブランド化も図り、販促を強化している。
非対面で24時間いつでも手軽に購入できる自動販売機。魚の消費や調理離れが叫ばれる若年層への訴求も兼ねて、その自動販売機で水産品の拡販に乗り出したのが、札幌市の水産加工卸・有限会社千葉水産(千葉信幸社長、電話011・784・2453)。商品は骨を取り除いた切り身「骨のない魚」。購入後すぐに料理に使え、手軽さは“2倍”。昨年8月の販売開始以来、予想以上の売れ行きを見せ、魚食拡大の新たな販売方法として手応えを得ている。
水産物の関心を高めようと、ユーチューブで漁模様などを配信する漁業者が増えている。新星マリン漁協の指導漁業士・佐賀友三さんもその一人。留萌市などと連携しながら情報発信に力を入れている。昨年12月には、講師を務めカジカ調理を教えた市主催の食育体験教室も動画配信。安価魚の付加価値向上、魚食普及を目指し、各団体が協力し合っている。
北海道の秋サケは約4万8千トンと、3年連続の5万トン割れとなった。親、卵ともヒネ在庫の払底下、凶漁と競合する輸入鮭鱒の高値相場などで全道のキロ平均単価(11月末現在)は前年比2割高の788円に上昇し、水揚金額は3年ぶりに400億円を超えた。ただ、えりも以西を中心に特に太平洋側の来遊低迷が続き、浜間格差が一層深刻化。一方、消流は三陸の不振も相まって国産の品不足感が強まっているものの、価格上昇による消費鈍化や輸入鮭鱒の動向次第で停滞も懸念される。
カネヨ山野辺水産株式会社(宮城県塩竈市、山野辺文幹社長、電話022・366・0171)は、末端消費者向けの商品ラインアップを強化する。自社ブランドの確立が狙いで、今夏に漬け魚と干物を発売。来春にはミールキットと煮魚を投入する。原料から製法まで品質にこだわった冷凍食品をPR。新型コロナウイルス禍に伴う巣ごもり需要の取り込みも目指す。