道東沖のサンマ漁は9月下旬に入っても漁獲が伸びず、記録的不漁だった昨季を下回る漁況が続いている。根室・花咲港を拠点とする着業船は操業1回当たりの水揚げが平均で1桁のトン数にとどまっている。漁場も遠く、同港で荷揚げする漁業者は「漁場がロシア水域や日本水域に近づく気配は乏しい。水揚量も不漁だった昨年に増して少ない」と表情を曇らせる。
道東巻網のマイワシは9月23日までにTAC(25万トン)の56%となる約14万トンを漁獲した。昨年に比べ群れが小さく船間差のある漁模様。小型中心の組成で、主体のミール向けは徐々に価格が上昇。漁は終盤に入り20カ統前後が操業、多い日で5千トン弱を水揚げしている。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)の稚貝本分散は、苫前地区を皮切りに9月中旬から順次始まった。選別機の通し穴は13ミリと例年並み。韓国向け活貝出荷中の羽幌と、水温低下を待つ遠別は9月末に開始する予定。
「恋問鮭」の専用シールを発泡箱に貼付
白糠漁協のサケ定置部会(新保太平部会長)は今季、生鮮出荷に取り組む「恋問鮭」の船上活じめに乗り出した。低水準の水揚げが続く中、限られた資源の付加価値を高める試みで全漁場が足並みをそろえて実施。地元仲買、漁協直販加工部を通じ道内外に流通、価格にも反映され、上々のデビューを果たしている。
砂原漁協のカレイ刺網は、水揚げが落ち込んでいるアカガレイが8月後半から徐々に掛かりだした。9月前半はシケが増え伸び悩んだものの、1隻300キロ前後と上々の水揚げ。浜値は大がキロ800~700円とやや弱含み。一方ソウハチは春先から順調で、昨年を上回る水揚量。良型の大は200円と好値を付けている。
三陸の浜がサンマの漁獲不振にあえいでいる。9月23日現在、水揚げがあるのは岩手県大船渡のみ。宮古や釜石、隣県宮城の気仙沼や女川の各港に至っては、いまだに初水揚げがない。漁場が遠ざかり、品薄の影響で小ぶりな魚体にも高値が付く状況に「買値が売値を上回って逆ざやになってしまう」と嘆く鮮魚卸もいる。資源量の低下や海洋環境の変化が指摘される中、事態が好転する兆しはなかなか見えないが、関係者は加工など産業の裾野が広いサンマ漁の盛り返しに期待する。
宮城県産生食用むき身カキの今季出荷解禁日が10月12日に決まった。県が定める指針の解禁日は9月29日。「卵持ち」が多く見られたため、同日までに出荷に適した品質にならないと判断した。昨季に比べると5日遅れの初入札となるが、へい死の報告はこれまでほとんどない。昨季比3割増の約1600トン(むき身ベース)の出荷を目指す。
網走湖産ヤマトシジミの資源回復を目指し、西網走漁協は今年からシジミ部会、青年部が中心となって人工種苗生産に挑戦している。7月の人工採卵後、着底した2691万個の稚貝を飼育中。6基の水槽で給餌、無給餌に分類し稚貝数や殻長など成育の比較検討を行っている。飼育は順調に進んでおり、10月末にも殻長1ミリサイズでの放流を予定している。
「よみがえれ浜のまち」。宮城県石巻市の「FUNADE(フナデ)スタジオ」(田中鉄太郎代表、電話0225・98・8683)は、大漁旗を生かしたファッション小物や洋服、雑貨などを制作・販売している。東日本大震災後、被災した漁師らから譲り受けた約300枚を再利用。端切れを組み合わせて模様にしたパッチワーク柄は目にも鮮やかなカラフルなデザインで、まちと人を元気付けている。
管義偉新内閣が16日発足した。野上浩太郎農林水産大臣は17日の就任会見で2030年までに農林水産物と食品の輸出額を5兆円に増やす目標の達成を、最重要課題として取り組む考えを示した。新型コロナウイルス感染拡大で需要が落ち込んだ農林水産物の消費拡大などさまざまな課題に取り組んでいく。