マルハニチロ株式会社は北米スケソ事業を強化する。北米事業を統括管理する子会社が現地企業からスケソの加工施設や漁獲枠付き漁船などの資産を譲り受けたもので、資源アクセスが有利に働くようになる。マルハニチログループは北米での鮭鱒加工事業から撤退していたが、今後はスケソをグループ北米事業の主体と位置づけ、経営資源を集約させる。
公益財団法人海と渚環境美化・油濁対策機構は、天然植物由来の「ポリ乳酸」を使った漁具の開発に取り組んでいる。カキの養殖に使用する「パイプ」に焦点を当て、海鳥やクジラが食べても胃の中で消化し、しかも海中で一定の年数が経過すればバクテリアにより分解されるパイプの開発に着手。漁具としての高い性能と、海洋環境に優しい性質を備えた“二刀流”の機能を目指している。
日本最北の宗谷岬に宗谷漁協(奈良満組合長、316人)の新事務所がこのほど竣工した。組合員が一堂に集合できる大会議室を設けたほか、地域活動にも開放する多目的ホールには食堂を併設し女性部などの活動拠点を確保。またブラックアウト対策として自家発電装置を整備し有事に備えた。2007年の建設費積立承認から15年の歳月を経て、まさに地域の核となる新施設が誕生。2月1日から完全供用を開始している。
道総研稚内水産試験場の新試験調査船「北洋丸」が9日、拠点の稚内港に入港し、雄姿を披露した。オホーツク海、宗谷海峡、道西日本海の広範囲の海域でホッケ、スケソなどの資源調査、漁業に被害をもたらしている海獣の分布調査などを担う3代目。新たな観測機器や作業機器を搭載し、調査精度の向上などで北海道水産業の発展に貢献していく。3月にも海洋観測調査を開始する。
総務省の家計調査によると、昨年1年間の1世帯当たり(2人以上)の昆布購入金額は、福井市の1571円が全国主要都市の中で最も多かった。2020年まで7年連続全国一だった富山市は1527円で僅差の2位だった。昆布つくだ煮は2185円の山形市が1位。両品目とも上位は近畿、北陸、東北などの都市が入った。
渡島噴火湾6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)の加工貝(2年貝)は、2月上旬からサンプル出荷も兼ね日産数トン~10トン程度で始まった。浜値は長万部や八雲町でキロ200円台前半のスタート。水揚げは昨年より多少スローペース、浜値は50円程度高く付いている。
東京・豊洲市場のアサリ消流は、産地偽装問題による熊本県産の出荷停止の影響で北海道産の卸値が倍に高騰している。仲卸業者は国産品を確保するため、北海道産や愛知産を高値で調達するしかなく、顧客への販売に苦戦。また、鮮魚店や量販店は売り場作りで価格動向を注視しながら入荷量を調整している。
北海道の毛ガニは今年、低水準ながら2年連続の増産見通しだ。操業中の釧路、日高の太平洋側は許容漁獲量が減枠の一方、3月に開幕する主産地・オホーツク海が宗谷海域を主体に昨年より3割増枠の方向で、千トン台に回復する見込み。消流は昨年産の冷凍在庫が一部サイズで残り、価格形成は下方修正の様相だが、ズワイ、タラバの品薄高騰による代替需要の動きなどが焦点になる。
日本水産株式会社(ニッスイ、東京都港区、浜田晋吾社長)は1月31日、連結子会社の弓ヶ浜水産㈱(鳥取県境港市、竹下朗社長)が4月から岩手県大槌町でサケ・マス類の海面養殖事業を開始すると発表した。2022年度はギンザケ、トラウトサーモン計400トンを生産する予定。増産を視野に入れ、新たな事業機会の創出など地域への波及効果も狙う。
財務省の通関統計によると、2021年の食用干し昆布の輸出数量は前年比6%増の463トンとなった。11年以降は400~500トン台で推移している。キロ平均単価は近年上昇傾向で、21年は8%高の2010円だった。