道総研函館水産試験場が試験的に取り組む、成熟誘導(人工的に子のう斑を形成させる技術)を用いた早期生産種苗のマコンブ養殖。通常の促成マコンブより採苗・沖出し時期を前倒しできるため、成長が早く、形態や歩留まりに優れたコンブの収穫が期待できる。昨季は連携する戸井漁協小安地区で良好な結果が得られ、今季から近隣の浜にも普及、漁業者の関心も高まっている。
紋別市の株式会社ヤマイチ水産(大石博士社長、電話0158・23・5188)が市内渚滑町7に建設を進めていたフィッシュミール(魚粉)の新工場が完成、4月1日に稼働を開始した。ミール・魚油の生産能力の増強と併せて製造時に発生する煮汁の処理を自社で行う体制を新たに整えた。臭気、汚水対策の徹底とともに、省エネ、節水のシステムも構築。地域・地球環境に配慮した業務展開を推進していく。
東京・豊洲市場でむき身の真ツブは量販、小売、飲食と幅広い用途で扱われている。通しや刺身の盛り合わせなどに適し、殻付きより歩留まりが高いことも評価されている。流通量は少ないため仕入れる仲卸業者は少数だが、顧客から好評のため、荷受担当者に「入荷次第、『うちに販売してほしい』と要望を出す仲卸業者もいる」という。入荷は白糠町・株式会社藤山水産加工の「とれたてくん」のみ。定番商材として仕入れている仲卸業者は「通常の真ツブは殻の分の目方がキロ単価に含まれている。むき身なら殻がないぶん歩留まりが高いのが魅力」と話す。
札幌市中央区の「円山うおいち」(新田道也店長、電話011・633・0501)は、店名に込めた「今日いちばんの魚」を一尾売りに加え、要望に応じた身おろし、柵、刺身、すしなどで提供する。女性1人でも気兼ねなく入店できるスタイリッシュなカフェ風のたたずまいで、さばき方、調理の仕方などを発信する昔ながらの対面販売を展開。購買層の拡大に臨んでいる。
コロナ禍による内食化などで冷凍食品の需要が高まり、注目度が増している急速冷凍技術。併せて高品質冷凍品を保管する冷蔵技術、製造の出発点となる鮮魚段階の鮮度保持や生鮮流通を支える製氷技術も高度化。一方、冷媒は温室効果ガス排出量削減の国際的な枠組みへの対応などで脱フロン化の取り組みが進んでいる。進化を遂げている技術の研究・開発・普及動向を紹介する。
岩手県の久慈市漁協(皀健一郎組合長)は14日、久慈湾で養殖しているギンザケ「久慈育ち琥珀(こはく)サーモン」の今季の水揚げを開始した。3カ年の実証試験を経て、念願の事業化移行を果たした初年度。海況変化の影響もほとんど受けず、成育はおおむね順調という。8月上旬までに600トンの生産を目指す。
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市、阿部勝太代表理事)は5日、鹿児島県垂水市にある道の駅で、三陸産海産物の販売を始めた。水産養殖管理協議会(ASC)の認証を取得したカキを使った加工品などを並べ、持続可能な方法で獲れたサステナブル・シーフードの普及に努めていく。
厚岸漁協のアサリ漁は熊本県産の産地偽装問題の影響で引き合いが強まり、2月の浜値は高値でキロ1300円を付けた。4月上旬でも日によっては高値でキロ千円と好値を堅持している。約180軒が着業。昨年9月1日から今年7月15日まで行う。厚岸湖内の造成漁場「アサリ礁」で各漁業者が個別に水揚げや漁場管理を手掛ける。同漁協の担当者によると、高値相場を受け、今季生産量は昨季を大きく上回る約1600トンを見込む。
盛漁期を迎えた留萌管内のニシン漁は、新星マリン・北るもい・増毛漁協とも好調だ。3月後半から増毛で掛かりだし、好漁範囲は徐々に北上。8日の新星マリンはオス・メス合わせ17トン半、11日の北るもいでも羽幌本所だけで計39トンと一気に上向いた。放卵寸前の成熟した魚体が多く、浜値はキロ600円前後と高値で推移している。
釧路・根室両管内のコンブ産地に3月、流氷が接岸した。滞留中に大シケでもまれ、コンブ漁場が削られた地区もあるもよう。着業者は「どの程度影響があったのか心配」と話している。歯舞では太平洋側沿岸に接岸。漁業者は「2月に入った氷は厚みがなく小さかった。わりと静かに入って静かに出たので、それほど影響はないとみていた」と言う。ただ3月の流氷は大きく、接岸後に大シケが発生。「自分が確認した場所はなぎさ中心に削られ、岩盤に海藻が付いていない」とし「5月の生育調査でどのような状況になっているか」と被害状況を懸念する。