水産庁は2021年度の水産白書を公表した。特集にはコロナ禍による水産業への影響や新たな水産基本計画を取り上げた。生活様式の変化から食の需要が外食から内食へと変化したことや、家庭用冷凍食品の需要が増えたことを掲載。過去の基本計画の概要を振り返るとともに、今年3月に策定された新基本計画の概要や方針を示している。水産物消費の動向も取り上げている。
えさん漁協日浦地区青年部(成田昂平部長、3人)が取り組むバフンウニの蓄養試験で成果が表れている。昨年11月に陸上水槽に収容したウニはコンブの給餌により歩留まりが改善され、4月上旬には25%まで向上、良好な結果が得られた。一方で課題は苦味の改善。また、昨年は自作の円筒かごを地元漁港内に試験的に垂下、十分な実入りを確保できたほか、水槽掃除などの作業負担を軽減できる利点もあり、今後の本格導入を検討していく。
砂原漁協の底建網は、ホッケが苦戦している。4~5月の水揚量は前年同期比8割減。着業者は「潮が速く、ナギも使えていない」と残念がる。一方でミズダコは1尾21キロ以上の大大主体に上々の水揚げ。浜値もキロ900円前後と高値に振れている。
毛ガニの漁獲資源の増大・安定に向け、オホーツク管内栽培漁業推進協議会ケガニ部会(部会長・片山隆市雄武漁協組合長)は今年度から種苗生産技術の確立に向けた研究に乗り出した。短期・中期・長期の目標を設定。研究第一人者の市川卓准教授ら東京農大生物産業学部海洋水産学科と共同研究。初年度はふ化幼生を安定的に確保するための抱卵メスの管理方法の確立を目指し、抱卵メスの入手とその効率的な利用方法などを検討していく。
岩内郡漁協の太田誠組合長ら有志で取り組むカキの試験養殖が5月30日を皮切りに初水揚げを迎えている。成育状況は良好で太田組合長は「身入りや大きさも十分」と手応えをつかむ。荷揚げ後は岩内沖の海洋深層水で5日間蓄養しており、「味がマイルドになる」と実感する。出荷個数は1万個以上を予定。水揚げは週2回の頻度で6月末まで続く見通し。
函館市漁協根崎地区の養殖ガゴメは今季の収穫を終えた。序盤は例年に比べ生育状況が遅かったものの、施設によっては徐々に改善。一方で減産を見込む着業者もいる。
5月下旬に収穫を開始した岩田和晴養殖部会長は「ハシリは成長が遅かったが、その後昨年並みの実入り、長さにまで成長した」と説明する。「不純物が付くためガゴメの収穫は1カ月間が勝負だが、今年は序盤の生育遅れの影響で水揚げペースは若干遅れ気味だった」と話す。
オホーツク海南部8単協(雄武・沙留・紋別・湧別・佐呂間・常呂・網走・西網走漁協)の本操業は、5月中旬に始まった網走を皮切りに6月から順次開始した。常呂が日産260~270トン、雄武、湧別は190トン、沙留は150トン前後の水揚げ。歩留まりは11%程度と上昇傾向にあり、アソートにも期待がかかる。浜値は漁場造成からキロ200円前後と堅調。今年も好漁に向け順調なスタートを切った。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。
東京・豊洲市場で、道東沖で棒受網の小型船が水揚げするマイワシの入荷が3日に始まった。今季は先行している銚子産の組成が小さく、道産にこだわる仲買・量販を中心に引き合いが強い。ただ、銚子産の組成がサイズアップすると、道東産の相場が崩れるのが通例。荷受は両産地の水揚げ動向に注意しながら集荷している。