海産物加工・卸のマルイチダイ大場水産株式会社(根室市、大場康之社長)は、IT関連事業を手掛ける株式会社デジコネ(根室市、三ツ木靖社長)と連携、漁業者の協力を得て漁模様などを撮影しユーチューブで動画配信している。大場社長が取材先の選定や調整、動画内容を企画するプロデュース的役割を担い、三ツ木社長が撮影・編集を担当する「漁チューバー」として浜を駆け巡る。2人は「漁師の苦労や働く姿を視聴者に届けたい」と話している。
別海漁協所属で漁業の6次化確立に向け奮闘している北翔丸水産の相馬祥吾代表は、持ち前のアイデアと行動力を生かし、事業展開を加速させている。かご漁で獲るクリガニの認知度向上のため、今年初めて実施したかごの「1口オーナー」をECサイトなどで販売。5月下旬段階で400口数の注文を獲得するなど好評を博した。今後は6次化の志を共有する漁業者との連携を強化する。
宗谷漁協のミズダコが低調だ。薄漁となった昨年と比べ3割増産しているものの、2020年との比較では3割強の減産。今年はいさり樽流しが順調な反面、オカ側で操業するかご漁が不振で、着業者は今後の漁模様に不安を抱いている。一方浜値は輸入ダコ減少の影響もあり、序盤から堅調に推移している。
えさん漁協尻岸内地区で養殖ミツイシの水揚げが5月25日に始まった。序盤から幅広で実も入り、生育状況はおおむね良好。「特に1番切りは今時期にしては最高」との声もある。大半の着業者が今季からミツイシの養殖比率を増やしており、最盛期に向けさらなる生育向上に期待している。
青森県陸奥湾の半成貝が一段高となり、関係者は戸惑いの表情を浮かべている。第4回入札のキロ平均単価は前回比35円高の191円に急騰。前年同期との比較でも24円高、昨年最高値の第5回入札よりも5円高となった。加工業者からは「貝が集まらない」との声が漏れており、仕事買いの様相を呈している。
東京・豊洲市場の北海道産タラバガニ(活・ボイル)の消流が終局を迎えている。今季は中心サイズが4~5キロと需要に合わない規格が目立った。荷受は「荷主の希望価格通りに販売するのは難しかった」と振り返る。仲卸業者も「活は割高だった。生鮮ボイルは入荷量自体が少ないものの、安かった印象」と話す。
斜里第一、ウトロ両漁協の春定置はサクラマスが総体的には出足が早く、良型で水揚げが順調な一方、ホッケなどがいまひとつ。トキサケは盛り上がりに欠けるものの、不振だった昨年よりは見え、6月の伸びに期待がかかっている。
えさん漁協椴法華地区のホッケ刺網が好漁に恵まれている。寿孝丸で操業する川口孝秀ほっけ刺網部会長は「春漁は好調。イルカの回遊がなければ、わりと安定して獲れる」と話す。日網で操業、船上に水氷を積み鮮度保持対策にも取り組んでいる。
落石漁協所属でスケソ刺網やタコかご、イカ釣に着業する第八十二信栄丸(4.9トン、FRP、小川昌彦船主)が竣工した。両弦のこべりをかさ上げして作業の安全性を追求するなど随所に工夫。5月26日に落石漁港で多数の大漁旗に彩られた雄姿を披露した。
食品機械・技術の展示商談会「FOOMA JAPAN 2022(国際食品工業展)」(日本食品機械工業会主催)が7~10日、東京ビッグサイトで開催される。45回目の今回の出展社数は過去最多の865社。“Restart”をテーマに、スタートアップゾーンの新設、優れた研究開発の成果を顕彰するFOOMAアワードの創設など多彩な企画で盛り上げる。食品工場の省人化や無菌化、ロボットやAI、衛生管理など食シーンの多様性に応える最先端の製品・技術・サービスが集結。アジア最大級の食品製造総合展として多様なニーズに応える機会創出の場を提供する。