2022年度の半成貝について、青森県漁連では昨年並みの水揚げを想定している。6月末で終漁したが、ネットの付着物が多く水揚げペースが遅れた漁協もあり7月も継続する見通し。これらを合わせた累計は5万5千トン程度となる見通しだ。浜値は初回入札から堅調に推移、最終5回目に200円を突破した。今後のベビー製品の消費動向が注目される。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で生産した今年の稚貝は、前年比28%増の12億5940万粒となった。近年では最高水準。昨年のような成長不良には至らず、契約粒数が増加したこともあり伸長した。一方、昨年の韓国向け活輸出は前年並みの5414トン。今年も堅調に推移している。
加工貝の水揚げが一定程度回復した2021年度シーズンの噴火湾は、中国向けの冷凍両貝需要が昨年以上に強まった。このため最盛期の浜値はキロ300円台と堅調に推移。産地では両貝主体の加工にシフトし、ボイル生産は昨年より4割減の4千トン台とみられる。
21年度の原貝水揚量は前年度比18%増の5万6700トン。3季連続で増加した。浜値はキロ200円台で始まり、終盤は300円台に上昇。産地加工業者は「序盤から中国の引き合いが強く、中堅各社はボイル生産を減らし両貝主体にシフトした」と説明。コンテナ不足や中国・大連港のクローズで一時的に止まる場面もあったが、引き合いは最後まで続いた。
根室湾中部漁協で刺網を営む第七十七久栄丸の池田潤司さんは「漁網用高圧水洗浄装置及び漁網の洗浄方法」で特許を取得した。刺網に大量付着する雑海藻などを簡単に除去できる新手法。浜の人手不足が進む中、陸回りは最少限で済み作業負担も大幅に軽減。従来に比べ作業時間も圧倒的に短縮、洗浄後の網はすぐに再使用できるため最低限の所有反数で効率良く投網でき、経費削減にもつながった。「魚は掛かるが雑海藻が多いため避けてきた漁場にも気にせず投網できる」と操業上の利点も話す。
いぶり噴火湾漁協の耳づり作業は、大半の漁家が加工貝出荷後の4月頭に開始し、5月末~6月上旬ごろに終了した。稚貝に変形やへい死は見られず、各地区とも必要量を確保し順調に進んだ。
米飯・総菜製造の道内大手・株式会社弁釜(札幌市、山口彰久社長)の旭川新工場(電話0166・36・4622)が21日に稼働を開始した。コンビニエンスストア「セブン─イレブン」向けの既存商品(米飯・調理パン・総菜・軽食)の充実に加え、調理麺の製造体制を整備。共配センター併設による物流効率の向上と併せ、安全・安心、省エネ、CO2削減といったCSR(企業の社会的責任)の実践、環境に配慮した生産活動を推進していく先進システムを導入した。
一般社団法人岩手県さけ・ます増殖協会(大井誠治会長)は、2022年度の秋サケ稚魚放流数を7500万尾とする方針を決めた。県内で人工ふ化放流事業が本格化した1980年代以降、4億~4億5千万尾を目標としてきたが、深刻な不振が続く漁獲実績から大幅に下方修正。改良餌を導入して大型で遊泳力の高い稚魚を生産し、回帰率を上げてサケ資源の回復を図る計画だ。ふ化場の再編に着手し、事業収支の適正化も目指す。
宮城県産養殖ギンザケは日産200トンの水揚げペースとなり盛漁期に突入した。ウクライナ情勢などで搬入が鈍る海外産の代替商材として注目を集め、浜値はキロ700円台と記録的な高騰を見せている。活じめを施した「みやぎサーモン」の需要も急拡大。活発な取引は7月中旬のシーズン終了まで続く見込みだ。
全漁連は23日、通常総会を東京都内で開催し、任期満了に伴う役員改選では、新会長に千葉県漁連の坂本雅信会長が就任した。岸宏前会長は顧問となる。坂本新会長は「資源の乏しい日本だが、日本には漁業がある。そこには漁業者がいる」と強調。その上で「この全漁連は皆さんに頼られる組織にしていく。漁協や漁連も漁業者が頼っていくような組織に変えていった上で、日本の漁業を再構築していきたい」と呼び掛けた。
東京・豊洲市場の毛ガニ消流は外食・輸出の需要が回復し始め、荷動きが順調だ。また、宮城県産は日建リース工業株式会社(電話03・6739・7039)の活魚輸送コンテナ「魚活ボックス」の導入で鮮度が向上、堅ガニや良型が多いことも重なって、人気がある北海道産と同程度の卸値に上昇している。