えりも以西栽培漁業振興推進協議会のマツカワ魚価対策プロジェクトチーム(PT)の構成員である苫小牧漁協は21日、苫小牧市公設地方卸売市場・水産物部で開かれた市民感謝祭で、マツカワの薄造り(300グラム入り)を一般消費者向けに初めて販売した。25パックが売れ、PTチームリーダーの赤澤一貴同漁協総務部長は「滑り出しとしては上々」と話す。
いぶり噴火湾漁協のアワビたも漁が始まった。礼文、有珠支所を中心に1軒で日量10~30キロ。水揚げは順調だが、浜値は200グラム以上がキロ7千円台と安値基調。コロナ禍で例年の3割安に落ち込んでおり、礼文では操業体制を見直している。
サロマ湖でカキの水揚げが始まった。身入りは3単協(湧別、佐呂間、常呂漁協)とも良好で、1年むき身は湧別が日量1トン前後、常呂が500~600キロと順調にスタート。浜値はキロ千円と「なんとか4桁を維持している」(湧別漁協市場)状況だが、新型コロナウイルス禍に収束の兆しが見えており、関係者は需要期の消費拡大を期待している。
ホタテ製品の輸出拡大を目指し、水産庁は近く「仮称・ホタテ貝輸出振興協会」を設立する。ホタテの生産、加工、流通・輸出業者などを構成員とする新たな任意団体を立ち上げ、会員への情報提供や商談・販路拡大、新規市場の開拓に向けた支援を重点化していく。現在会員を募集しており12月3日に設立総会を開催する予定だ。
日本昆布協会(大西智明会長)は本年度も各種消流宣伝事業に取り組んでいる。11月からテレビやラジオでのCM放送を開始したほか、ユーチューブでの配信も予定する。SNSでは食育に重点を置き「時短」で「簡単」なレシピを紹介。各地域の正月料理を募集・紹介する企画など各キャンペーンも展開、多角的に昆布の魅力を発信し普及拡大に努めている。
釧路市漁協のマダラ刺網が好調だ。10月1日~11月10日の数量は前年同期比8.4倍の341トンと伸長。着業者は「近年にないほどの漁」と話す。キロ平均単価は42%安の170円に下げているが、金額は4.9倍の5798万円に伸ばしている。
北海道での魚類養殖事業化による生産増大の可能性を探るため、道水産林務部は15日、木古内町の木古内漁港・釜谷地区に設置したいけすにサクラマスの稚魚400尾を投入した。来年6月下旬ごろに水揚げ。今後は育成作業などの業務を委託した上磯郡漁協の組合員が給餌。道は今後、生残率などのデータを収集するほか、販売戦略を練り上げていく。
株式会社帝国データバンク釧路支店が集計した釧路・根室管内の漁業・水産会社の2020年度売上高ランキングは、釧路市の株式会社マルサ笹谷商店が11年連続のトップとなった。上位100社の売上高合計は前年度比7.6%減の1813億7400万円と2年連続で減少し、2003年度の集計開始以来最少。秋サケ・サンマの記録的不漁や新型コロナウイルス感染拡大による外食需要の落ち込みなどで約6割の企業が前期比減収となった。
東京・豊洲市場のいくら消流は、道産中心に国産秋サケ子の相場が品薄、高値基調で荷動きが鈍い。末端の飲食店では通常よりグレードを落とした仕入れで、国産いくらを手当するのは一部の高級店。大衆店は輸入のマス子などにシフトしている。
全国水産加工業協同組合連合会(全水加工連)は第32回全国水産加工品総合品質審査会をこのほど開催し、農林水産大臣賞や水産庁長官賞など各受賞商品を発表した。
農林水産大臣賞は、「カズチー」(井原水産株式会社、北海道)、「ほやたまご」(有限会社マルキチ阿部商店、宮城県)、「CANNED 南三陸産銀鮭の醤油煮缶詰 180グラム」(マルヤ水産株式会社、宮城県)、「ごはんの一番海苔」(株式会社鮑屋、神奈川県)、「いわしの子たたみしらす」(有限会社カネナカ商店、静岡県)の5品。
このほか、水産庁長官賞(10品)、東京都知事賞(5品)、大日本水産会会長賞(10品)、全国水産加工業協同組合連合会会長賞(10品)、ノルウェー王国大使賞(1品)、オランダ王国大使賞(1品)、カナダ大使館公使賞(1品)、アイスランド共和国大使賞(1品)の各賞も決めた。