日本の伝統的な食文化を支えてきた昆布。つくだ煮やとろろなど多様な形に加工され食卓に並ぶほか、だしのうま味は料理の下支えとなり、郷土の味覚も形成してきた。ただ国内生産の95%を占める北海道では減産傾向が続き、生産量を示す格付実績は3年連続で過去最低を更新。消費もコロナ禍における飲食店需要の減退を受け業務筋中心に低迷している。昆布産業を取り巻く環境が一層厳しさを増す中、漁業者らは増産対策に注力。消費地業者も販売を工夫して魅力発信・需要喚起に努めるなど難局打開に向け奔走している。