岩手県大槌町は8日、東京都内の大型ショッピングモール・ららぽーと豊洲で「岩手大槌サーモンフェスタ in 東京」を開催した。目玉は大槌サーモンのアピールで、特別メニューも用意。生きたままの稚魚も披露し、普段見ることができない子どもたちの笑顔を引き出した。見る・触れる・食するを通じ、大槌町が取り組む事業や町の魅力についてPRした。
岩手県の山田湾で養殖トラウト「岩手・三陸・やまだオランダ島サーモン」を手掛ける三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は12日、試験養殖期間を含め5季目で初の自家生産種苗7トン(約1万5500尾)を海面いけすに投入した。秋サケふ化場を有効活用したもので、関係者によると「成育は順調」。同漁協は今季、県内他産地の種苗を含め40トンを投入、来年4月からの出荷を予定し、160トンの生産を見込む。
終盤を迎え、6日で1万4千トン台の大不漁に見舞われている北海道の秋サケ。メスの浜値は大手加工業者を主体にいくら製品の原料手当てで空前のキロ4千円超まで上昇し、生筋子相場は異次元のキロ2万円台半ばまで高騰した。量販店は大半が品ぞろえレベルの売り場構成に終始。札幌市中央卸売市場の取扱数量は例を見ない低水準に落ち込んでいる。
株式会社ニッスイ(東京都、田中輝代表取締役社長執行役員)と陸前髙田市(佐々木拓市長)は10月31日、市役所で会見を開き、同社と広田湾漁協(砂田光保組合長)が2023年から試験的に取り組んでいたサーモン海面養殖の事業化移行を発表した。種苗生産も行い、段階的に直径50メートル円形いけす5基を設置、30年までに約2500トンの生産を目指す。先行する大槌町、今月から試験養殖に着手する大船渡市を合わせ、同社は5年後、岩手県内で約7千トンの生産を視野に入れる。
公益社団法人北海道さけ・ます増殖事業協会(新谷哲也会長)は10月24日、北海道の民間さけ・ます増殖事業の維持・安定に向け、第6期(2027~31の5カ年)の増殖体制の在り方を協議する諮問機関「増殖体制検討協議会」を立ち上げた。委員長には一般社団法人宗谷管内さけ・ます増殖事業協会副会長の大谷由博・頓別漁協組合長が就任。実務者レベルの作業部会も設置し、取り組むべき課題とその方策を検討。27年2月上旬をめどに報告書を取りまとめ、同3月に理事会に答申を予定している。
北海道の秋サケ定置網漁は10月下旬に入ってさらに日量が落ちて2万トン割れの様相を深めている。道漁連の集計によると、23日現在で前年同期比67%減の1万2144トン。昨年急落の最低水準だったオホーツク・西部の枝幸、猿払村、中部の雄武、沙留なども休漁を挟んだ操業で盛り上がりがなく推移し、加えて追い込み時期にクラゲが多くなり、サケの寄りに影響や大量入網で網起こし、選別に労力を要する事態も発生。3年連続の減産模様で終盤に向かっている。
北海道の秋サケ定置網漁が急落に見舞われている。日量が極度に低水準のまま盛漁時期を経過し、2万トン割れも視野に入る凶漁の様相。いくらやフィレー・ドレスの製品価格が空前の高値形成となり、秋サケの需要減退が想定される一方、大半の浜が価格高騰にも補い切れない落ち込み。加えて河川そ上も全般的に不調。増殖団体・生産者・加工流通業者の秋サケ業界各方面に影響が懸念される。
留萌管内の秋サケ定置は、序盤から低調なまま終盤を迎えている。絶不調だった昨年を上回る地区もあるが、本来の水揚げ水準にはほど遠く、15日現在で前年同期比21%減の474トンと苦戦。本来の水揚げに近い一昨年比では6割も減少した。全道的な薄漁も影響し浜値は高騰、メスはキロ3千円台中盤を付けている。
東京都・豊洲市場の北海道産新物いくら消流は、異次元の値上がりで仲卸業者や来場者が混乱している。10月中旬の卸値は北海道標津の上級品でしょうゆがキロ1万9千円、塩が3万円。しょうゆは今後の集荷で2万円に達する見通し。記録的大不漁は予測されていたものの、想像以上の高騰に新物を扱う仲卸は困惑。年末商戦の販売計画の見直しを進めている。標津の商材を扱う仲卸はしょうゆの1パック500グラムを9500円で仕入れ。「次回の入荷はキロ2万円になる。今期の新物は超高級すし店でしか扱えない。最近増えているカジュアルな高級店では赤字になる」と指摘する。
ニチモウ株式会社(本社・東京)は3日、富山県射水市、堀岡養殖漁協(同市海竜町)と「いみずサクラマス」の海上養殖事業の推進や地域活性化などに関する連携協定を締結した。これまで培ってきた海上養殖のノウハウを生かし、稚魚・餌料の供給や技術指導、商品開発などを進める。いみずサクラマスをブランド化することで、地場産業の活性化にも貢献していく。