斜里第一漁協定置部会は11月30日、札幌駅前通地下歩行空間(チカホ)北3条交差点広場で「鮭漁師祭り」と銘打った斜里産のPR・販売イベントを初めて開いた。定置業者や加工業者の6事業者・団体が連携。水揚げ日本一のサケをはじめホッケ、ニシン、キンキなどの水産品を多彩に取りそろえ、知床・斜里町の魅力を発信した。
来遊数が7年ぶりに3千万尾を超えた昨年から一転し、異常高水温の状況下、2千万尾台前半に後退した北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、中期までの来遊実績は年齢別で5年魚(2018年級)が予測に対する下振れが大きかった。4年魚(19年級)の回帰数も低水準で、特にえりも以東・西部からえりも以西は昨年の3年魚での回帰数を下回る異例の現象が起きている。前・中期を合わせた全道の来遊数(10月31日現在の沿岸漁獲数と11月5日現在の河川捕獲数の合計)は2122万7281尾で前年同期比67.6%、漁期前予測比63.6%となった。
5万トン台前半の低水準で最終盤に入っている北海道の秋サケ。今年の商戦は旬期の生鮮販売が消流をけん引。昨年産の製品在庫を抱え、特に前半は加工筋の原料手当てが慎重となり、相場が昨年より下方修正。量販店は積極的な商品展開で売り上げを伸ばしている。
昨年産の在庫を抱え、特に10月前半までは生鮮主体の消流となった今年の秋サケ商戦。札幌市中央卸売市場の生筋子消流も減産下で取扱数量が伸びている。荷動きは相場が昨年より大幅に下方修正され、量販店が積極的に販売展開し、加工需要が活発だった昨年と一変。一方、増産予測も受け、慎重姿勢だった加工筋は結果的に原料手当てが出遅れ、相場上昇下のいくら生産となっている。
岩手県大槌町で10月28日、町内で淡水養殖するギンザケ「桃畑学園サーモン」のPRイベントが開かれた。主会場の大槌駅前などでフィレーやさけとば、オリジナル料理などを販売。脂が少なくあっさりした味の魅力を発信した。同月までに3季目の出荷が終了。主力魚種の秋サケの不漁が深刻化する中、養殖物で水産資源を安定的に確保しブランド化を目指す。
昨年の8万トン近くから一転し、5万トン台の不漁が見えてきた北海道の秋サケ定置。減産模様を受け、浜値は10月2週目以降上昇したものの、大半の浜が補え切れず、特にえりも以西や終漁漁場も出ている日本海などは落ち込みが大きく、定置経営を直撃。漁期前予測から復調が期待された根室海峡も河川そ上は順調に推移している一方、沿岸漁獲は10月で挽回までの伸びがなく、長引く不振から脱せない様相で終盤を迎えている。
北海道の秋サケ定置は、高水温による来遊遅れの期待にかなう盛り返しが見られないまま、最終実績5万トン台のペースで11月に入る。昨年は好値の序盤から好スタートを切り、史上最高額を更新する漁協が相次いだオホーツクの中部地区も今年は一変し、9月の出遅れが影響。降温後の10月も挽回には至らず、3~4割減産の様相。製品相場の下方修正を補えず、昨年より単価安の直撃を余儀なくされている。
石巻専修大理工学部生物科学科の角田出教授は19日、宮城県石巻市の同大で開かれた「共創研究センター研究成果報告会」で、市内で栽培されたオリーブを餌に混ぜて育てた養殖ギンザケの特長を解説した。ストレスが軽減され、身が締まり、色や香りも良く生食向き。早ければ2024年度中の出荷、事業化を目指す。
北海道の秋サケ定置は昨年の7割程度からペースが上がらず、最終5万トン台の様相で例年の盛漁期を過ぎた。えりも以西が不振のまま推移。昨年好漁だった日本海も挽回せず、6日の低気圧による高波の影響で後志管内では一部の網が大破し、今年の操業を断念するなど被害が発生した。オホーツクは10月に入って伸びている東部の斜網地区で上積みが注目される一方、昨年記録的漁況だった西部の宗谷管内は9月前半の落ち込みを盛り返せず、10月2週から平常通りの下火傾向を呈している。
「鮭漁師祭り~鮭日本一のまち 斜里町~」と銘打ってサケを主体に知床・斜里産の魚介類を販売・PRするイベントが11月30日、札幌市地下歩行空間・北3条交差点広場で繰り広げられる。斜里第一漁協の定置業者が発案、斜里町や地元水産加工業者に熱意が波及し、まちを挙げた初の普及宣伝活動に発展。さまざまな角度からまちの魅力を発信し、その深化を目指す。