商社筋によると、チリ産ギンザケの直近価格は4月の帰路1250円をピークに、この2~3カ月で若干下がり1100円前後で推移。ただ、高値傾向は依然続いており、日本側は慎重な買い付けに徹している。
いくらの原卵で主力のロシア産カラフトマスの冷凍卵は今期も新物搬入が厳しい情勢になっている。水揚げ不振でロシア側の提示価格は45ドルで、日本国内の卸売価格に換算するとキロ9500円に達する状況。流通業者は年内の新物展開が困難と想定し、繰越在庫での対応を見据えている。
サーモン業界初の機能性表示食品「薬膳サーモン」の開発・販売を手掛ける株式会社BKTC(東京都)の小瀧由貴社長が白老町観光大使に就任した。白老町の養殖場で生産された「白老産薬膳サーモン」を全国に発信し、白老町の新たな特産品の創出、食と観光振興などに寄与していることから、町が7月3日付で任命。8月22日に町役場で委嘱式が行われた。小瀧社長は薬膳を取り入れた養殖用飼料「約全健美」を開発・販売。それを給餌して育成した「薬膳サーモン」の含有成分・アンセリンが尿酸値の上昇を抑制する研究レビューが認められ、消費者庁に機能性表示食品の届け出が受理されている。また、「臭みが全くない」などの特徴が水産業者、調理者などから評価を得ている。
東京都・豊洲市場のサンマ消流は、順調な入荷で商戦のスタートを切った。8月下旬としては数年ぶりの大型組成で脂乗りも良く、仲卸各社が販売に注力。ただ、漁が途切れる心配が拭えず、漁模様の変化に細心の注意を払っている。相場動向は盆休み明けに2キロ箱12尾の競り値が2500~2400円程度だったが、8月25日には3千円前後まで上昇。仲卸業者は「組成が落ちてきて値段が上がってきた感じ」と話す。
株式会社極洋の東京支社と極洋商事株式会社は8月22日、東京永田町のザ・キャピトルホテル東急で合同の展示商談会を開催した。「魚を食おう!」をテーマに、秋の新商品、秋冬・年末向けのお薦め商材を中心に業態別に展示した。来場した得意先・取引先約250社約千人に、魚食普及へともに取り組んでいけるよう働き掛けた。
アウトドア用品の総合メーカー・株式会社モンベルは漁業用レインウエア「フィッシャーマンジャケット」「フィッシャーマンビブ」をモデルチェンジし、10月下旬から11月中旬頃に販売を開始する。素材と構造の変更で軽量化を実現。ビブは要望の多かった膝部分を二重の生地にして強化した。有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)を使用しない環境配慮型素材を採用しながら機能性を向上させた。
第27回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(大日本水産会主催)が20~22日、東京ビッグサイトで開催された。前年を上回る650社が出展し、出展小間は過去最大規模の開催となった。連日多くの来場者が訪れ、魚食拡大に向けた取り組みや業界を明るく導く最先端技術を体感。熱意に満ちた商談や交流が繰り広げられていた。
漁業情報サービスセンター(JAFIC)は、2025年上半期の日本周辺の海況の特徴について取りまとめ、このほど公表した。黒潮大蛇行が4月に7年9カ月ぶりに、また黒潮続流の北偏も約2年ぶりに解消したことがポイントだと総括した。大蛇行の解消で黒潮流路の変動にともない海面水温が大きく変動したことを指摘する。黒潮続流の北偏が約2年ぶりに解消され、親潮の面積も4月には平年並みに回復し、親潮・混合域の著しい高水温は解消された。また、黒潮大蛇行が4月に解消したことで、黒潮流路の変動に伴い海面水温が大きく変動した。
アウトドア企業のパタゴニア日本支社(神奈川県横浜市、マーティ・ポンフレー支社長)は7月23日、東京都内で開催したシンポジウムで、日本の沿岸環境再生を目指すプロジェクト「Ridge to Reef(リッジ・トゥ・リーフ)」の始動を発表した。環境省との協定に基づき、山から海まで一体的に捉える「流域思考」で海洋環境の回復を図る。同シンポジウムで浅尾慶一郎環境相とマーティ支社長が「流域の視点からの沿岸生態系の再生を通じた里海づくりの推進に関する協定書」に署名した。マーティ支社長は「陸と海のダイナミックで有機的なつながりを認識することが重要。官民が連携することで、長期的な環境目標の達成に向けた取り組みに勢いを与える素晴らしい事例になる」と強調した。
浅尾環境相は「連携協定の締結により、取り組みの相乗効果が発揮され、里海づくりのさらなる広がりにつながることを期待している」と述べた。環境省が推進する「戦略的『令和の里海づくり』基盤構築支援事業」と連携し、パタゴニア側は全国12カ所のパイロット(試験)事業地で実証実験を予定している。
第27回「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(一般社団法人 大日本水産会主催)が20~22日、東京ビッグサイトで開催される。出展は前年を上回る650社、1592小間で、出展小間は過去最高の規模となる。「コミュニケーションとイノベーションで創造する『ぎょしょく』の未来」を開催テーマに掲げ、魚食拡大の取り組みや商談機会の創出のほか、業界を明るく導く最先端技術が体感できる3日間となりそうだ。