岩手県はこのほど、県漁連など6団体と連携し水産業再生に向けた取り組みの一層の“進化”“深化”を図る「不漁に打ち勝つ! シン・岩手県水産業リボーン宣言」を打ち出し、9日、盛岡市内で宣言式を行った。資源回復や高水温に強い養殖種の技術開発などに取り組んできた2022年の宣言をバージョンアップ、藻場再生や海業を新たな項目として加えた。環境変化に立ち向かい、漁業者の所得向上や漁村活性化などにつなげる。
宮城県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁は2日から今漁期が開幕した。10日まで4回出漁、水揚げ地の気仙沼・南三陸町・女川の3市場には合わせて461トンが水揚げされている(県の速報値より)。2年ぶりに漁が解禁された昨年の同期を7%ほど上回っているが、船頭らによると全体的に群れは薄く、開幕直後にシケが続いたこともあり手応えは感じていないようだ。キロ単価は100~80円の間で推移している。
三陸沿岸に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から11日で15年となる。漁港施設など物的な復興の歩みが進む一方、浜では担い手不足や海洋環境の変化など新たな課題も顕在化している。水産庁が実施したアンケート結果では青森から千葉までの6県で、売り上げが震災前の8割まで回復した水産加工業者は全体で5割にとどまっている。被災地の浜では、犠牲になった方々を悼みながら、多くの水産関係者が尽力しつないできた“復興のバトン”を次の世代に渡そうと、漁業者や加工業者らが今なお奮闘を続けている。
海水温上昇など近年の海洋変化によりワカメなど海藻類の養殖生産が厳しさを増している状況を受け、理研食品株式会社(宮城県多賀城市)、北里大学海洋生命科学部(神奈川県相模原市)、岩手県水産技術センター(釜石市)の3者が「海藻類の研究推進に係る産学官連携協定」を結び、2日、同センターで締結式を行った。優良品種の育種、地域系統種(地種)の保全など研究を進め、養殖現場への実装、藻場造成への活用を目指す。
宮城県産「三陸わかめ」の今季初入札が2月25日、気仙沼市の県漁協わかめ流通センターで開かれ、気仙沼市・南三陸町・石巻市の9地区から塩蔵製品36トンが上場した。高水温により生育が遅れた昨年初日より36%多く、複数の買受人が「品質も昨年より良い」と評価。中芯を除いた10キロ当たりの平均単価は昨年同日比11%安の1万4280円、最高値(芯抜き1等)は同3%安の1万9399円だった。入札は5月まで計11回予定されている。
岩手県の三陸沿岸、大槌町にこのほど、ウニの陸上蓄養に取り組む試験研究施設が完成し、18日に開所を祝うセレモニーが行われた。町と自動車部品メーカーのトヨタ紡織株式会社(愛知県刈谷市)、トヨタ紡織東北株式会社(岩手県北上市)、岩手大学が連携協定を結ぶプロジェクトで、磯焼け対策として間引いたウニの蓄養技術を確立し藻場の再生・保全を目指す。将来的には蓄養ウニを観光資源に活用するなど地域活性化も視野に入れる。
岩手県の宮古市魚市場で、今月から毛ガニの出荷量がまとまっている。昨年12月の解禁から1月末までの水揚量は1トンに満たなかったが、2月は18日現在で8トンを超え、昨年同月並みの数量となっている。キロ平均単価は前年同期比19%安の約3400円(県水産技術センター水産情報配信システム調べ)。12日からの1週間で1トンを超えた日は4日あり、漁業者らは活気づいてきた漁模様に期待を寄せている。
石巻と塩釜エリアを中心に、宮城県内の水産加工品を集めた展示商談会「みやぎ石巻・塩釜合同フード見本市2026」(実行委主催)が10日、仙台市内で行われた。両地区でそれぞれ開催していた見本市を初めて合同で行ったもので、気仙沼などの企業も加わり52社が出展。各地の水産加工品を交通アクセスの良い会場で一堂に見られるとあって、会場には全国から300社を超えるバイヤーが参集、活気ある商談が繰り広げられた。
宮城県石巻市で9日、水揚げされた魚種を人工知能(AI)で判別し自動で仕分ける「魚種選別システム」の実証試験があった。東杜シーテック株式会社(仙台市宮城野区、白川清彦社長)らが選別作業の省人化を目指し開発に取り組んでいるもので、2024年2月に続き石巻魚市場で実施。前回の試験を踏まえ改善を図った装置で、サバとアジを約90%の精度で判別。28年以降と想定する実用化に向け歩みを進めている。
福島県相馬市・松川浦の養殖ヒトエグサの水揚げが本格化している。地元ではアオサ、アオノリとも呼ばれる主要水産物のひとつで、漁期は例年1~4月めど。生のほか乾燥でも出荷し、今季は59漁家が着業する。卸売10~11社に相対で販売され、生産者、買受人とも「前年に比べ品質は良い」とハシリの評価は上々。昨年に比べ1割ほど高値で取引されており、3月にかけての盛漁期に向け、一層の期待が高まっている。