3月2日に開幕した宮城県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁は後半に突入している。3月末までの水揚量は1914トンで、前年同期に比べ10%減。一足早い2月24日に開幕した岩手県では3月末時点で1808トン(同27%減)。例年4月末ごろまでとなる春の主要魚種の一つ。関係者らは今後の漁況を注視している。
宮城県南三陸町(千葉啓町長)はこのほど、公益財団法人日本自然保護協会(土屋俊幸理事長)から「ネイチャーポジティブ自治体認証」を受け、6日に認証書が授与された。自然環境を守りながら地域づくりを進める市町村にお墨付きを与える制度で、海辺の自治体としては全国初。ラムサール条約登録湿地である志津川湾の保全と活用など官民一体の取り組みが評価された。地域水産物のブランド力向上も期待される。
マグロの解体ショーを通じて魚食の魅力発信、水産物の消費拡大に貢献しようと、宮城県の仙台市中央卸売市場大卸・株式会社仙台水産(本田誠社長)が結成した「仙台サバキ女子」が熱心に活動している。このほど仙台市の郡和子市長を訪れ、一層の魚食拡大へ意気込みを語った。サバキ女子は参加を希望した事務や営業などの仙台水産グループ社員5人と、技能実習生2人で構成。マグロ部の解体作業を手伝いながら腕を磨き、昨年7月に本格デビューした。マグロや仙台七夕祭りをデザインした法被姿で、県内外の量販店での催事やプロ野球楽天イーグルスのファン感謝祭でも豪快な〝マグロ解体ライブ〟を披露している。市役所訪問でメンバーらはその活動を報告。水産物の消費拡大と地域活性化の一助に、と意気込みを示した。
青森県立八戸水産高校(畑井和人校長、八戸市)はこのほど、養殖試験に取り組むアイナメが目標の出荷サイズに到達し、市内の飲食店に初提供した。アイナメのブランド化を図る同県階上町と連携した取り組み。3年かけ魚体30センチほどに育てた3尾をサンプルとして提供、食味や品質などの評価をもらい今後の研究に役立てる。同校や町によると、アイナメの養殖生産は全国的に珍しく、事業化が実現すれば新たな地域名産になり得ると期待する。
昨年2月の山林火災で約5億円の損害に見舞われた岩手県大船渡市の陸上養殖アワビ生産、元正榮北日本水産株式会社(古川季宏社長、電話0192・42・3056)。被災から1年、事業復興に向け多様な取り組みに挑んでいる。培った養殖ノウハウの知見提供もそのひとつで、同社の稚貝が縁をつなぐ形で北海道・福島町の養殖事業にも協力。同社は「リスク分散として将来的に北海道にも生産拠点を築ければ」と可能性を探っている。1982年創業、「三陸翡翠(ひすい)あわび」のブランド名でエゾアワビを養殖する同社。綾里湾から地下海水を取水、海藻を配合した飼料で育てるアワビの殻は名前通りエメラルドグリーンの輝きを放つ。種苗生産から成貝出荷まで一貫する陸上養殖技術を持ち、2年半~4年ものの食用成貝販売のほか養殖用の種苗(稚貝)販売も行う。
岩手県産「三陸わかめ」の今季初回となる県下合同入札会が17日、大船渡市の県漁連南部支所で行われた。近年は高水温やシケ被害に加え昨年の山林火災と厳しい状況が続いていたが、今年は11地区から前年比2.4倍となる36トンが上場。買受人からは「今年はいい出来になりそうな予感のする出足」との声も上がる。36社による入札の結果、最高値は野田村の芯抜き1等で10キロ2万3199円。中芯を除いた10キロ当たりの平均価格は、前年の初回入札を3千円ほど下回る1万3731円だった。今季は高水温により種付け時期が遅れたが、以降は水温の低下と栄養塩に恵まれ順調に生育。初回入札は当初予定から1週間早まった。
福島県いわき市で13日、公益社団法人福島相双復興推進機構(福島相双復興官民合同チーム)による「漁業の生産性向上プロジェクト~ドローンによる漁場探索に関する小名浜沖実証会」が行われた。カメラを搭載したドローンを洋上に飛ばし、鳥山やナブラ、うねりなど海面変化を捉えた映像を伝送し漁場探索の効率化・高度化につなげる試みで、実証には漁業者も立ち会い、操業現場での活用の可能性や課題点などを探った。
岩手県はこのほど、県漁連など6団体と連携し水産業再生に向けた取り組みの一層の“進化”“深化”を図る「不漁に打ち勝つ! シン・岩手県水産業リボーン宣言」を打ち出し、9日、盛岡市内で宣言式を行った。資源回復や高水温に強い養殖種の技術開発などに取り組んできた2022年の宣言をバージョンアップ、藻場再生や海業を新たな項目として加えた。環境変化に立ち向かい、漁業者の所得向上や漁村活性化などにつなげる。
宮城県のイサダ(ツノナシオキアミ)漁は2日から今漁期が開幕した。10日まで4回出漁、水揚げ地の気仙沼・南三陸町・女川の3市場には合わせて461トンが水揚げされている(県の速報値より)。2年ぶりに漁が解禁された昨年の同期を7%ほど上回っているが、船頭らによると全体的に群れは薄く、開幕直後にシケが続いたこともあり手応えは感じていないようだ。キロ単価は100~80円の間で推移している。
三陸沿岸に甚大な被害をもたらした東日本大震災の発生から11日で15年となる。漁港施設など物的な復興の歩みが進む一方、浜では担い手不足や海洋環境の変化など新たな課題も顕在化している。水産庁が実施したアンケート結果では青森から千葉までの6県で、売り上げが震災前の8割まで回復した水産加工業者は全体で5割にとどまっている。被災地の浜では、犠牲になった方々を悼みながら、多くの水産関係者が尽力しつないできた“復興のバトン”を次の世代に渡そうと、漁業者や加工業者らが今なお奮闘を続けている。