カニ商材の主力となるタラバ・ズワイの消流はロシア産の相場が上昇している。タラバは韓国が活相場をつり上げ、大消費国の中国も追いすがる状況で、日本向け冷凍品の生産は消極化。極東産ズワイも中国の活需要で不足感が強く、新物相場を底上げ。日本国内の引き合いは単価の安い小型に偏っている。
養殖サーモンの展望や消費者への訴求方法を探る勉強会が5日、岩手大釜石キャンパスで開かれた。県の産学官金連携組織「さんりく養殖産業化プラットフォーム」と岩手大三陸水産研究センターの主催。海を守るプロジェクトを進める株式会社WMIの伊藤慶子氏、北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場長などを務めた佐々木義隆氏が養殖サーモンの将来性について講演、オンラインを含め約60人が熱心に聞き入った。
宮城県漁協は11月26日、県産乾(ほし)のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会を、塩釜総合支所・乾のり集出荷所で開いた。県内10支所から出荷された枚数は前年同期比33%減の1671万3800枚にとどまり、100枚当たりの平均単価は同45%高の2600円(1枚当たり26円)と、ここ15年で最高値となった。昨季の九州・有明海産の不作など品薄感から、在庫確保の動きにつながったとみられる。
高級食材に位置付けられるウニ。消費・購買意欲が高まる年末年始の需要期が到来した。刺し身をはじめ、すし・丼の具材などで飲食店、自家用・ギフトの国内需要に加え、近年消費が拡大している海外への輸出需要が増大。ふるさと納税返礼品などの特産品や国内外からの旅行者の心をつかむ観光資源の役割も担っている。漁労・加工作業の効率化、品質向上などを後押しする漁具・加工機械・容器などの開発も進展している。
岩手県産天然干しコンブの入札会が19日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。県内6漁協が出荷した総量は、昨年(33トン)の10分の1にも満たない2.9トン。高水温の影響など海況に恵まれず大幅減産となった。品薄は価格に反映され、10キロ当たりの平均単価は前年比53%高の2万1422円。買受人からは「こんなに出荷量が少ないのは記憶にない」と困惑の声も上がった。地区別の出荷量は下閉伊が前年比92%減1トン、九戸91%減1.9トン。高水温など海況の変化が影響しているとみられ、県漁連によると「今年は夏場から数の少なさが見込まれていた」という。
岩手県の久慈市漁協は、久慈湾で取り組むサーモンの海面養殖が事業化4季目を迎え、5日から稚魚の搬入が始まった。「久慈育ち琥珀サーモン」としてブランド化を進めるギンザケのほか、より収益性の高いトラウトサーモンも昨季から養殖。天然資源が減少する中、安定的な収益の確保につなげる。来年7月下旬までに2魚種で計800トンの水揚げを目指す。
水産業の発展に欠かせない漁船建造関連業界の役割が年を追うごとに高まっている。原材料費の高騰や人材確保などさまざまな課題に向き合いながら、ユーザーのニーズに応え続ける造船業、搭載機器メーカー。ここでは沿岸漁業で活躍する最新鋭の新造船や船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。
成長を続ける青森県内有数の水産加工グループに新たな柱が加わった。陸奥湾ホタテ加工大手の株式会社マルイチ横浜(野辺地町、横濵充俊社長)が、定塩加工技術に定評のある株式会社ヤマヨ(八戸市、藤田和弘社長)と11月1日付で資本提携を締結。これによりマルイチ横浜グループは計6社となり、全体の売上高は150億円に達する見込み。天然資源の減少など厳しさが増す中、原材料の仕入れや販路の共有などスケールメリットを生かし、グループ各社の持続的発展につなげる構えだ。
宮城県・気仙沼港では、シーズン終盤を迎えたカツオ一本釣漁の水揚げが好調だ。例年は10月下旬から下火になるが、今年は11月に入っても1日200トン前後の水揚げが続いている。気仙沼漁協によると、今季、同港に水揚げされた生鮮カツオの数量は一本釣と巻網を合わせて10月末の時点で3万511トンに達する。3万トンを超える水揚げは2021年以来3年ぶり。
今季の宮城県産生食用むき身カキの出荷が10月28日に始まった。県漁協石巻総合支所で開かれた初入札には前年同期比47%減の5.1トンが入荷。上場量が少なく需要が集中する形となり、10キロ当たりの平均単価は37%高の4万2376円。昨年より1万円以上高い出足となった。最高値は15%高の4万7千円。高水温の影響で成育が遅れ、県が指針とする解禁日(9月29日)より1カ月ほど遅れてシーズンを迎えた。