宮城県産養殖ギンザケの出荷が県内各地で始まっている。女川魚市場にも16日、今季初の4.5トンが入荷した。高水温のため稚魚の池入れが1カ月ほどずれ込んだ影響もあり、昨季より15日遅い初入荷となった。サイズは1.6キロ主体、初回としては大きく平均単価はキロ1226円と昨季を141円上回った。最高値は前年比8%高の1250円。同市場では今季、前年実績より1割ほど少ない4200トンの入荷を見込む。
総合エンジニアリング大手の日揮ホールディングス株式会社(日揮HD、神奈川県横浜市)は10日、日揮グループのかもめミライ水産株式会社(大澤公伸代表)が福島県浪江町で生産を進めてきた陸上養殖サバの初出荷を発表した。完全閉鎖循環式施設で人工海水を使用し育成、アニサキスの寄生を低減させた生食可能なマサバで、ブランド名は「福の鯖」。浪江町の吉田栄光町長らが出荷式に出席し、新たな特産品化へ期待を寄せた。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は7日、山田湾で手がける養殖トラウトサーモン(ニジマス)の出荷を開始した。1尾2キロ以上を選別し水揚げ、全て氷じめで、入札方法はタンク(大口)と3尾入りのトロ箱(本数)売りの2つ。初日は6.4トン、1キロ平均1200円の値を付けた。同漁協のサーモン養殖は今季で事業化2年目。7月上旬までに昨季実績の1.6倍となる150トンの水揚げを見込む。
三陸の養殖サーモンは徐々に各地で今季の出荷が始まっている。岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は10日、久慈湾で養殖するギンザケ「久慈育ち琥珀サーモン」約2.6トン(2200尾、1尾平均1.3キロ)を初水揚げした。全て相対で取引され、需要の高まりや資材などの物価高騰を背景に昨季より高値のキロ900円台。7月下旬までに700トンの水揚げを見込む。
岩手県産マイワシを原料にした「ひらご煮干し」が東京都・豊洲市場に昨年末からスポット入荷しているが、定番のカタクチイワシの煮干しに比べて販売が伸び悩んでいる。干物塩干専門の仲卸業者はグレードの高いものを1キロ1300円ほどで販売。「傷や折れが少ないもの、脂肪が少ないものを選んでいる。逆に質の悪いものなら千円ほどになるだろう」と仕入れの基準を話す。
宮城ほや協議会(田山圭子会長)はこのほど、ホヤをPRする「ほやドル」として活動するシンガー・ソングライター、萌江さんに感謝状を贈った。ホヤの認知度向上や消費拡大に貢献した個人、団体を表彰するもので、今回が初年度。フレンチシェフの三國清三さんにも贈呈している。(3月24日付既報)
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)が、密漁監視システムの本格運用を開始してから4月で1年がたつ。夜間でも養殖施設や船舶の判別が可能な赤外線ライト内蔵のカメラ4台で山田湾内をくまなく監視。録画も可能で、インターネットを介しスマートフォンなどで漁場を遠隔監視できる。同漁協は「導入後1年間の密漁被害はゼロ。システム導入自体が抑止力となっている」ととらえている。
岩手県産養殖ワカメの第2回入札会が27日、県漁連南部支所(大船渡市)で行われた。県内15漁協から塩蔵(ボイル)250トンが出荷され、中芯を除いた10キロ当たりの平均単価は2万51円(前回比20%高)だった。家屋や作業場など約210棟を焼失する大規模な山林火災に見舞われた大船渡市の浜からも今季初めて出荷され、同市三陸町綾里産の中芯抜き1等が3万12円の最高値を付けた。
宮城県石巻市の水産事業者15社が協力し、22日から春休みの高校生を対象としたアルバイト型の水産業体験「すギョいバイト3」を実施している。「時給千円。豪華特典付き。1日限り」で、カキの殻むきなど漁の手伝い、加工品の製造補助や販売などさまざまな業務を用意。職場見学ではなく、一緒に働くことで業界の魅力や楽しさを高校生に伝え、担い手の裾野拡大につなげている。
大規模な山林火災に見舞われた岩手県大船渡市で、養殖ワカメの収穫が15日から本格化している。避難指示のため10日まで立ち入りが制限されていた綾里漁港でもボイル作業場が並び、漁業者らは「品質は良い」と口をそろえる。例年より10日ほど遅れて、浜は再び動き出した。