東京都・豊洲市場のいくら消流は供給量がタイトで仲卸は仕入れに苦しんでいる。2023年、24年と北海道の秋サケ水揚げが大幅に減少し、生産量が低水準となったのが要因。卸値も塩の良品が築地時代の倍値に高騰。各仲卸の在庫は8月前半には払底になる見込みで新物供給を切望している。
後志管内の岩内町が取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖試験は、6月2~6日の4日間で3期目の水揚げを実施した。水揚数量は8020尾、総重量17.8トン。1尾当たりの平均体重2.22キロ、生残率74%だった。札幌市の卸売業者に出荷。一部は町内の加工業者、札幌市の卸売業者を通じ町内の飲食店やスーパーなどで販売した。
浦河町と日高中央漁協で構成する「浦河町栽培漁業研究会」は1日、海面養殖試験で育成したトラウトサーモン(ニジマス)を初水揚げした。生残率は9割近く、平均目廻りも2キロと目標に達し、初年度は好実績を挙げた。関係者は「希望が持てる結果」と受け止め、今後改良点などを検討し、2年目の取り組みに反映していく。
道総研さけます・内水面水産試験場は23日、今年の北海道の秋サケ来遊予測値を昨年実績比35.5%減の1141万1千尾と発表した。予測通りの場合、3年連続の大幅減となり、昭和50年代前半の来遊数まで退化する極度の低水準。近年の小型傾向から沿岸漁獲量は3万トン割れも想定され、定置漁業経営をはじめ秋サケの加工・流通に影響は甚大。併せて種卵確保でも全道の充足率が87%にとどまった昨年に引き続き深刻な状況が懸念される。
泊村と古宇郡漁協が海面養殖に取り組むトラウトサーモン(ニジマス)「北海道とまりカブトサーモン」の水揚げが9日から始まり、19日まで7回に分けて実施した。1尾の平均体重は2キロ以上に達するなど順調に成長。生残率約85%と前年を上回り、水揚数量は1万尾以上となった。
一日の水揚数量は2000~2500尾。古宇郡漁協魚類養殖部会の漁業者約20人が2班に分かれ、各日10人ほどで水揚げ作業を実施した。
浦河町と日高中央漁協が連携して取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖試験は魚が順調に成育している。3日現在のへい死数約160尾、へい死率8%。町の担当者は「5月に入って水温が上がってきてから成長が伸び、5月中ごろの測定調査では1尾2キロ以上もいた」とし、6月末頃予定の水揚げの好実績に期待を寄せている。
日高管内の春定置はトキサケ(トキシラズ)が好調に推移している。道漁連日高支店の集計(概算値)によると、2日までの累計で前年同期比8倍の63.9トンと大幅に増産。一方、本マス(サクラマス)は45.6%減の158.3トン、青マス(カラフトマス)は98%減の6.9トンにとどまっている。
ニチモウ株式会社らが九州で立ち上げた陸上養殖による新ブランド「豊前みらいサーモン」が全国展開への一歩を踏み出した。環境や水産資源に関する社会課題に向き合い、新たな価値を創造することで着手した新事業だが、その取り組みを消費者にも訴求することで“未来を照らすサーモン”として食卓への定着を図っている。
株式会社BKTC(東京都、小瀧由貴社長)は、薬膳の考え方を取り入れた養殖用飼料「約全健美」の開発・販売に力を入れている。同社が商標を持つ「薬膳サーモン」はその代表的な成果。独自飼料がもたらす身質・食味の向上や販売訴求力が注目されている。「薬膳」は近年、健康志向の高まりとともに注目度を増しており、テレビドラマでもテーマになるなど社会的な関心も追い風。小瀧社長の父がスパイスの仲買であった経験も現在の事業につながっており、「薬膳サーモン」の商標を取得し、栄養のエビデンスや認証を付けたブランド魚創出を目指している。
ひやま漁協熊石支所の合同会社北海道二海サーモンが取り組むトラウトサーモン(ニジマス)養殖は、12~16日の5日間で水揚げを実施した。水揚数量は1万6307尾、実収容数に対する生残率は97.1%と数量、生残率ともに好成績を記録した。