斜里第一漁協所属の定置業者・有限会社北洋共同漁業部(代表・伊藤正吉漁協理事)は今年からコンブ養殖の事業化に挑戦している。主力・サケマスの資源動向を見据え、新たな漁業資源・経営基盤の確立とともに、魚の産卵場やすみか、放流稚魚の隠れ場となる藻場の回復・造成を目指すプロジェクト。初年の実証試験はヨコエビの食害や波浪によるコンブの流出などが生じ、商業利用まで完全に育成できなかったが、要因を分析、改善策を見いだし、次年に臨んでいく。
昨年に続き大幅な減産となる青森県陸奥湾の半成貝は、終盤戦の6月中旬から水揚げが本格化した。目立ったへい死は見られないが、成長不足に伴い小型傾向。計画量に地域差はあるものの達成できる漁協は少ない見通し。今年の稚貝確保も厳しい状況の中、陸奥湾養殖の今後を案ずる漁業者は少なくない。県漁連まとめの半成貝計画量は前年実績比44%減の9460トン。昨年の高水温に伴う大量へい死や成長不足の影響で大幅に落ち込む。県漁連では「計画を下回る可能性もある」と厳しい見立て。現在の規定殻長は6.5センチ以上としている。
歯舞漁協(小倉啓一組合長)は、全国各地で藻場の再生・造成事業に取り組む日本製鉄株式会社と連携、コンブ資源の安定化と品質改善を目的に製鉄副産物の「鉄鋼スラグ」を使った実証試験を進めている。海藻類の生育に必要な鉄分を含む鉄鋼スラグと腐植土を混合した施肥材を2024年から雑海藻駆除区域に海中投入。今年は新たにコンブ漁場に近い砂浜にも埋設した。近年海洋環境が著しく変化する中、将来を見据え、海水温上昇などに耐えられる豊かな漁場づくりに注力していく。
日高管内の春定置は大型マグロの大量乗網に苦慮している。順調に獲れていた本マス(サクラマス)がマグロの来遊と同時に皆無に急変し、トキサケ、青マス(カラフトマス)も切れ、カレイなど他魚も低調。燃油高の状況下、5月下旬以降、マグロの放流のために網起こしを行うような状態が続き、定置業者は対策を切望している。
釧路市漁協のツブかご漁は今年もシケに阻まれる展開で、序盤は出漁日数が伸び悩み前年を大きく下回る水揚げとなった。三日市智央釧路つぶ籠漁業部会長は「近年はシケが多いが今年は特にひどい」と今後の海況安定・順調操業を切望する。一方、浜値は毛ツブが昨年並みの好値で推移している。昨年同様に6隻が4月から操業。ただ、同月8日にスタートした昨年に対し、今年は同月3日にかご入れした後シケが続き、15日まで開始がずれ込んだ。
ホタテの成貝出荷が主体となる横浜町漁協で、今年の水揚げが皆無に近い状況のため、養殖漁家の半数以上が刺網や定置網に着業しヒラメやマダイ、カレイなどで収益を補っている。浜値は安値基調だが夏場需要の反転に期待を寄せている。
水産資源の管理を巡り、日本とカナダが連携を強化している。カナダ漁業海洋省(DFO)は9日、サンマやサバなど北海道・東北の重要魚種が回遊している北太平洋の公海で違法・無報告・無規制(IUU)漁業を監視・取り締まる4回目の活動「北太平洋警備活動」を始めた。北海道に監視機を配備し、水産庁も参加している。
岩手県沿岸広域振興局 大船渡水産振興センターなどは17日、岩手県大船渡市内で未・低利用魚の活用を促進する勉強会を開催した。秋サケの不漁が続く一方、定置網への入網が増えた暖水系魚種など未利用魚の市場価値を高め経営安定につなげることが目的。専門家による講演のほか、越喜来漁協と大船渡東高校が連携し未利用魚のレシピ開発に取り組むプロジェクトの活動状況が報告され、若い世代が発信する普及推進に期待が集まった。
地域最大級の展示商談会「いわて食の大商談会2026」が16日、岩手県盛岡市で開催された。県産の食材をPRし販路の開拓・拡大につなげる目的で県や県内金融機関らが共催し、今年で16回目。農畜産品や菓子、酒類など過去10年で最多となる105社がブース出展し、そのうち15社が水産関連商材を展示。県内外から集まった約500人のバイヤーに対し試食を提供しながら商品を説明し、各社とも活発な商談を繰り広げた。海外への輸出バイヤーも多数来場。開会セレモニーで達増拓也知事は「(メジャーリーグの大谷翔平など)県出身アスリートの活躍も相まって、注目を集める岩手の食文化を発信していく絶好の機会」とあいさつ。「チャンスを生かし新たな販路拡大の機会としてほしい」と会場に呼びかけた。