留萌管内で養殖施設の水深帯温度が24、25度に上昇し、稚貝の仮分散や玉付け作業の遅れ、一部へい死も見られるなど影響が出ている。仮分散は約1カ月間中断している漁協もあり「水温が下がり次第、再開したい」と気をもんでいる。
余市郡漁協のウニ漁は8月末で終漁。出荷総数は8月23日までの累計で前年同期比7%減の5.2トン。金額は4%増の1億9297万円(税抜き)。前年同様に薄漁を反映し、赤(エゾバフンウニ)で2万円台の高値を形成した。塩水パック(1個100グラム)で出荷し、赤が19%減の448キロ、白(キタムラサキウニ)が6%減の4.7トンで推移した。
函館市漁協のイカ釣船は主漁場を前浜(津軽海峡)中心に移して操業しているが漁模様は低調に推移している。水温も高く、着業者は「いけす出荷用として魚倉に入れたイカが弱り死んでいく」と影響を話す。
太平洋側の青森・岩手沖で好漁のスルメイカ。多くのイカ釣船が集まる中、道南・えさん漁協の所属船も八戸や久慈沖などで操業、型は小さいものの好調な水揚げで推移。今後もイカの北上に合わせて各地で操業していく。
厚岸漁協のアサリ漁は1月から禁漁期前に当たる7月上旬までの出荷量が昨年に比べ増産となった。全体で前年同期比11%増の989トン。キロ平均単価は5%高の739円と前年を上回った。着業者は禁漁明けの好漁況持続に期待している。
サーモン業界初の機能性表示食品「薬膳サーモン」の開発・販売を手掛ける株式会社BKTC(東京都)の小瀧由貴社長が白老町観光大使に就任した。白老町の養殖場で生産された「白老産薬膳サーモン」を全国に発信し、白老町の新たな特産品の創出、食と観光振興などに寄与していることから、町が7月3日付で任命。8月22日に町役場で委嘱式が行われた。小瀧社長は薬膳を取り入れた養殖用飼料「約全健美」を開発・販売。それを給餌して育成した「薬膳サーモン」の含有成分・アンセリンが尿酸値の上昇を抑制する研究レビューが認められ、消費者庁に機能性表示食品の届け出が受理されている。また、「臭みが全くない」などの特徴が水産業者、調理者などから評価を得ている。
東京都・豊洲市場のサンマ消流は、順調な入荷で商戦のスタートを切った。8月下旬としては数年ぶりの大型組成で脂乗りも良く、仲卸各社が販売に注力。ただ、漁が途切れる心配が拭えず、漁模様の変化に細心の注意を払っている。相場動向は盆休み明けに2キロ箱12尾の競り値が2500~2400円程度だったが、8月25日には3千円前後まで上昇。仲卸業者は「組成が落ちてきて値段が上がってきた感じ」と話す。
株式会社極洋の東京支社と極洋商事株式会社は8月22日、東京永田町のザ・キャピトルホテル東急で合同の展示商談会を開催した。「魚を食おう!」をテーマに、秋の新商品、秋冬・年末向けのお薦め商材を中心に業態別に展示した。来場した得意先・取引先約250社約千人に、魚食普及へともに取り組んでいけるよう働き掛けた。
サンマ漁の主力となる棒受網漁は15日から根室・花咲港で水揚げが始まった。昨年同様、中型船(100トン未満)・大型船(100トン以上)の解禁日を前倒し10日に小型船(20トン未満)とともに一斉出漁。公海操業で組成は1尾当たり130グラム中心と昨年のやせ型主体に比べ大きく、数量もまとまるなど期待が高まる漁況で滑り出した。22日は大型船23隻がバラ396トン、良型の発泡1412箱、冷凍217箱を水揚げ。浜値はバラの高値が1598円、発泡の160グラムが2484~1566円、150グラムが1620~1188円、140グラムが1728~950円、冷凍の高値が508円。
今年の秋サケ来遊で極度の再生産親魚不足が予測されている日本海の中・南部地区、渡島管内、胆振管内、えりも以東海域、根室海域の定置業者は、秋サケ定置網漁の操業始期から自主規制措置を実施する。網入れ時期を遅らせ、河川へのそ上を促し、再生産用親魚の確保に努める。日本海の中・南部地区の自主規制措置期間は石狩管内が9月1~7日、後志・桧山両管内が9月3~7日。さけ定置は一階網、二階網とも5日に身網、8日に垣網を網入れ。規制期間中、小定置は魚が入らないように身網の建上げ撤去または樋先封鎖。大謀網、底建網はサケ水揚げの全額を増殖経費に拠出する。