東京・豊洲市場のアサリ消流は、産地偽装問題による熊本県産の出荷停止の影響で北海道産の卸値が倍に高騰している。仲卸業者は国産品を確保するため、北海道産や愛知産を高値で調達するしかなく、顧客への販売に苦戦。また、鮮魚店や量販店は売り場作りで価格動向を注視しながら入荷量を調整している。
海藻加工・販売の有限会社ムラカミ(宮城県気仙沼市、村上健社長、電話0226・27・2077)の乾燥ワカメ商品が評判だ。三陸産を用い、地元のさまざまな素材も生かす。便利さだけでなく味わいの良さも高めることで、消費者のニーズをつかむ。手作業が織りなす付加価値の魅力も発信する。
北海道の毛ガニは今年、低水準ながら2年連続の増産見通しだ。操業中の釧路、日高の太平洋側は許容漁獲量が減枠の一方、3月に開幕する主産地・オホーツク海が宗谷海域を主体に昨年より3割増枠の方向で、千トン台に回復する見込み。消流は昨年産の冷凍在庫が一部サイズで残り、価格形成は下方修正の様相だが、ズワイ、タラバの品薄高騰による代替需要の動きなどが焦点になる。
財務省の通関統計によると、2021年の食用干し昆布の輸出数量は前年比6%増の463トンとなった。11年以降は400~500トン台で推移している。キロ平均単価は近年上昇傾向で、21年は8%高の2010円だった。
渡島噴火湾の今季加工貝水揚げ計画(水産新聞社調べ)は、6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)合わせ昨季実績比10~15%増の4万6500~4万8500トンとなった。長万部、森を除く4単協が増産計画。これにいぶり噴火湾漁協を含めた7単協全体の水揚げ計画は同15~19%増5万5200~5万7200トンとなり3年連続の増産を見込む。
標津漁協のスケソ刺網は、1月で前年比2.7倍の水揚げと出足好調だ。1隻で日量1トン以上、多い船は2~3トンと好漁。魚体も良好で、1月末時点では大きな減少もなく順調に推移している。ただ3桁だった浜値はキロ70~60円と弱含み。関係者は「まん延防止措置以降、需要が低下しており、一層浜値に影響しそう」と口をそろえる。
増毛漁協のエビこぎ網漁は、ナンバンエビのメス中心に好漁だ。1航海で1隻150~200箱と「昨年より多い」(着業者)。浜値はキロ千円程度と例年並みだが、着業者は順調な水揚げを期待している。
根室沿岸のニシン刺網が苦戦を強いられている。漁は極めて薄くシケも多発。浜値も安く推移している。着業者は「トリプルパンチ状態で、いったん他の商売に切り替えた船もある」と嘆く。
東京・豊洲市場のむき身カキの消流は価格帯で明暗が分かれている。低価格の小粒は量販店の吸い込みが良く、荷動きが順調だ。一方で高価格帯の三陸・北海道産は需要先の飲食業者、都心の駅ナカ店、百貨店、鮮魚専門店などが消極的で卸値が下がっている。大粒の品ぞろえに注力している卸業者の中には入荷量を絞って対応するケースも出ている。
国の枠を越えて環境問題解決に向けた認識の共有、行動計画への合意が行われ、グローバル規模で消費者の環境に対する意識が前進しており、包装産業もこの動きの渦中にある。保存性や利便性といった機能面についても業界各社が担う役割は拡大している。