砂原漁協の底建網で11月後半からカワハギが揚がり始めた。1軒当たり100~300キロの水揚げ。中国輸出に引き合いが強く、キロ500円台だった浜値は21日に800円台まで上昇。着業者は「ホッケが薄くチュンチュン(カワハギ)でなんとかカバーしている」と話す。ミズダコも徐々に見えだし好漁に弾みを付けたいところ。12月以降はスケソの乗網に期待がかかる。
全国のノリ産地に先駆け、宮城県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会が22日、県漁協塩釜総合支所・乾のり集出荷所で開かれた。出荷枚数は前年同期比2.3倍の2210万5900枚。栄養塩不足で色落ち被害が発生し、1枚当たりの平均単価は同20%安の8円98銭と、東日本大震災以降で最低だった。
株式会社北三陸ファクトリー(岩手県洋野町、下苧坪之典社長、電話0194・75・3548)は12月、再生養殖ウニ「はぐくむうに」の本格販売を始める。磯焼けの海で回収した痩せウニをかごに入れ、いけすで給餌して身入りを改善させる技術を6年かけて開発した。需要期の年末年始に出荷して収益アップを図る。
ネット通販、宅配の増加などコロナ禍で変化した消費行動。道東地区で2店を展開する株式会社東武はネット宅配の拡大を図るとともに、リアル購買への回帰も踏まえ、即食、冷凍品対応、SDGsなど時代の潮流をつかんで商品力の強化、販売促進に臨んでいる。ウイズコロナ、アフターコロナの購買動向について、中標津町に構える大型店「東武サウスヒルズ」の木幡竜仁副店長兼鮮魚・ドライグロサリーバイヤーは「店舗での滞在時間が短く、必要なものを端的にそろえて買っていく」と説明。即食系を中心にメニュー提案型の商品戦略を充実させている。3年前に開始した宅配事業もその一つ。「顧客はネットで購入しながら、店舗に来て不足分を追加購入することで買い物時間を最小限にしている」と話す。午前9時までに注文すれば、当日の午後5時までに商品を届ける。契約者には鍵付きのロッカーを提供し、自宅に設置。非接触で届けることができ、宅配でネックとなる再配達も解消。保冷箱・保冷剤を使用し、6~9時間温度管理が可能で、常温、冷蔵、冷凍の全温度帯の商品を配達できる体制を確立している。
東京都・豊洲市場のスルメイカ消流は卸値が過去に例がないほど高騰している。5キロ入れの箱単価が相対取引で8千~6千円。荷受は「過去最高なのでは」と驚く。仲卸も「産地加工筋の需要に引っ張られ、豊洲の卸値が下がる気配はない。ここまで高値だと大衆魚とは言えない」とため息をつく。
ノルウェー・プロキシマーシーフード社の日本法人・プロキシマー社(ヨアキム・ニールセンCEO)は、富士山麓に位置する静岡県駿東郡小山町に建設を進めている日本最大級となるアトランティックサーモンの閉鎖循環式陸上養殖施設の一部施設が完成し、10月末から運用を開始した。2023年中ごろに施設全体が完成予定。初出荷は24年中ごろを見込む。フル稼働で年間5300トンの生産を目指す。
水産庁は、豊かな自然や漁村ならではの地域資源の価値や魅力を活用して所得機会の増大を図る「海業(うみぎょう)」の振興に向け、モデル形成に取り組む地区の募集を開始した。漁村の人口減少や高齢化など地域の活力が低下する中、地域のにぎわいや所得と雇用を生み出していく必要があるため、海業振興の先行事例を創出して広く普及を図り、漁村の活力を向上させるのを狙いとしている。
えさん漁協日浦地区の養殖コンブは今秋、5年ぶりにミツイシの種を付けた。選葉基準が簡略化されたことなどが背景。来夏は主力の促成マコンブとミツイシ両品種を水揚げする。
定額料金で定期的に商品・サービスを提供するビジネスモデル「サブスクリプション(サブスク)」が、水産物の消流拡大でも注目度が上がっている。メーカー側にとっては安定した売り上げを確保でき、経営戦略を立てやすいのがメリット。旬の鮮魚をはじめ未利用魚の活用、刺身専門、下処理済み・調理済み、一流シェフ監修、調理方法の伝授……。工夫を凝らし、「ワクワク感」など消費者の購買動機を刺激している。
2015年以来7年ぶりに来遊数が3千万尾を超えた北海道の秋サケ。中期までの来遊実績では特に近年失速した中期が伸びて全地区が前年を上回っている。道総研さけます・内水面試験場の解析によると、2018年級の4年魚が全地区で前年比増加となりけん引。資源回復の兆候となる成熟年齢の高齢化も見られ、3年魚の回帰では近年にない高水準の19年級と合わせて来季も回復持続が期待される。