岩手県水産技術センター(釜石市)は7月31日、2023年度(9月~2024年2月)の県内への秋サケ回帰予報を発表した。予報値は数量10万尾、重量298トン。いずれも前年度実績の6割程度で、東日本大震災前(06~10年度の5カ年平均)の1%に落ち込み、人工ふ化放流事業が本格化した1984年度以降で最低となる見通し。回帰の中心は12月上旬とみている。
福島県内でスーパーマーケットを展開する株式会社いちい(福島市)は、東日本電信電話株式会社(NTT東日本、東京都新宿区)、岡山理科大(岡山市)と共同でベニザケの陸上養殖に成功した。情報通信技術(ICT)や人工飼育水の「好適環境水」を駆使。1年半で、稚魚から販売できる大きさまで成長させた。今後は大規模生産に着手し、2025年の事業化を目指す。
福島県浜通り地方の水産加工品を集めたフェア「常磐大漁市」が8月1~8日、JR仙台駅2階ステンドグラス前で開かれる。メヒカリのから揚げやサンマの干物、アオサの加工品などを販売するほか、5、6の両日は試食コーナーも開設。常磐ものの魅力を伝え、取引先の開拓につなげる。時間は午前10時~午後8時(最終日は7時)。浜通りを中心とする15市町村の事業者の販路拡大を支援する「ふくしまみらいチャレンジプロジェクト」の一環で、公益社団法人福島相双復興推進機構の主催。本年度は全国各地で第5弾まで計画されており、第3弾の今回は「東北物産展」に出展する形をとる。
岩手県普代村の有限会社カネシメ水産(金子太一社長)は25日、新商品の魚醤「鮭醤-KEISHO-」の発売に向け、クラウドファンディング(CF)サイト「Makuake」で資金調達を始めた。商品発表直前に工場が全焼。再起の足がかりに販売を決意した。今後も基盤の鮮魚・活魚販売に注力しながら新たな商品開発に取り組んでいく。
宮古漁協(岩手県宮古市、大井誠治組合長)は、定置船「第十八日出島丸」(FRP製19トン)を新造した。従来船に比べてトン数が大きくなったことで作業効率が大幅にアップ。巻き上げ能力に優れた漁労機器や最新の航海計器なども搭載する。主力漁場で操業し、「水産の街」宮古の振興と発展にも貢献する。
日本各地の養殖カキの産地が集う「第13回全国カキ・サミット岩手大会」(実行委主催)が18日、盛岡市の県教育会館を主会場にオンライン併用で開かれた。岩手や宮城、広島など11県の生産者や漁協・行政関係者ら約110人が参加。カキ養殖業の持続的な発展に向け、衛生管理や生産技術をテーマにした講演会を通じ、現状と課題、今後の方向性を共有した。
国内で年間50万トンの水揚げを誇るホタテ。主要商材の玉冷は昨年から続く円安に伴い海外需要がけん引する形で新物シーズンを迎えた。しかし順調に動いていた輸出はこの数カ月で軒並み停滞。消費低迷で各国の在庫が滞留し、価格修正を待つ様子見の情勢に入ったことが大きな要因とみられる。製品相場は下げ基調の様相。中心サイズの3Sでキロ2千円台の情報も漏れ伝わってきた。動向を注視する内販の引き合いも低調となり、底値を探る展開に移っている。
岩手県産養殖素干しコンブの初入札会が11日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。上場は前年同期比13%増の69トン。減産が計画される中、品質はおおむね上々で、黒長切は若干高めの10キロ1万4200円~1万3890円で落札された。
健康的な食生活への関心は高いが、価格の高さや調理の面倒さで自炊の選択肢から外れがちな魚料理。そんな時流を踏まえ、加工食品・調味料メーカーのキッコーマンは、食事がおろそかになりやすい働く若い世代に向けた飲食事業「FISH A WEEK 週一魚」を展開している。イートイン、移動販売、テークアウト、デリバリーと4方向から「週に1度は魚を」のコンセプトで、消費者に新感覚の味わいを提供。商機を捉えながら魚食拡大につなげている。
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市、阿部勝太代表理事)は4日、静岡県西伊豆町で、地域と継続的に関わる釣り人(ANGLER)を増やすプロジェクト「西伊豆&ANGLER」を始動した。漁業者不足を要因とした漁獲量減少の解消と、地域活性化の橋渡し役となる「関係人口」の創出を目的とした新たな試み。「釣りを複業にできる町」を一つのゴールに掲げ、現地体験ツアーや意見交換会を企画していく。