宮城県漁協は6月30日、塩釜総合支所で通常総代会を開き、2022年度決算報告や23年度事業計画などを承認した。22年度は乾のりやギンザケなど主要5品目全てが好調で、販売事業の受託販売取扱高が前年度比37%増の357億6652万円と東日本大震災以降で最高だった。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に「反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議も全会一致で採択した。
有限会社泉澤水産(岩手県釜石市、泉澤宏社長)は6月27日、釜石湾で海面養殖した「釜石はまゆりサクラマス」約8.4トンを今季初水揚げした。事業化初年度の今季は直径40メートルのいけすを2基増設したほか、人工知能(AI)搭載の自動給餌機を導入。はまゆりサクラマスから採卵した種苗も使い、「オール岩手産」を実現した。7月20日まで前季比7.4倍の200トンの水揚げを目指す。
地場産業の活性化を目指すスタートアップのReterras合同会社(リテラス、新潟県粟島浦村、本保輝紀代表)は地元漁業者や地域おこし協力隊と連携し、新サービス「粟島鮮魚直送便」を始めた。粟島周辺で獲れた魚を「津本式」で血抜きし高鮮度のまま契約する飲食店や宿泊施設、一般消費者に直送する。
東京都・豊洲市場の東北産スズキ消流は需要期の夏に入って大相場が上昇している。卸値は3キロ以上の相対でキロ1500円以上と堅調。仲卸業者は「シーズン前は800円。例年の夏は1300円ほど。今年はやや高いが、夏場は引き合いが強くて大相場が上がる。商戦はまだ始まったばかりだ」と今後の売れ行きに期待する。
青森県漁連は19日、青森市の県水産ビルで2023年度通常総会を開き、当期剰余金6454万円(前年度比7.8倍)を計上した22年度業務報告を承認した。黒字は2期連続。ホタテの販売が好調だった。任期満了に伴う役員改選では、会長を退任した松下誠四郎泊漁協組合長の後任に二木春美横浜町漁協組合長を選出。副会長には坂井幸人佐井村漁協組合長が就いた。任期は3年。
岩内郡漁協のカキ試験養殖は5月下旬に2年目の出荷を迎えた。養殖作業に取り組む太田誠組合長は「成育は問題ないくらい良好。ただ、冬のシケで脱落が多かった」と話す。出荷個数は1万個以上を見通す。
岩手県の2022年度秋サケ稚魚放流数は9360万3千尾だった。増殖事業の持続化に向け、関係者が策定したマスタープランの実行初年度。北海道など県外から種卵を過去最大規模に調達し、計画を1860万尾ほど上回った。23年度以降も提供を受け、大型で強い稚魚作りを進め、回帰率を高めることで秋サケ資源の回復を目指す。
株式会社八戸フーズ(青森県八戸市、関川保幸社長、電話0178・45・7661)はヒラメ加工の増産に乗り出した。5~6月の青森産の取扱量は原料ベースで前年比5倍の100トンに達する見込みだ。新たに導入した三枚おろし機がフル回転。潤沢な冷却殺菌海水と新設の大型チルド庫で鮮度とうま味を保つ。生産性向上と高品質化の両立で取引先の需要をつかむ。
宮城県産養殖ギンザケは水揚げが日量200トンペースとなり最盛期に突入した。回転ずしの人気たねや加工原料として需要が伸びる中、浜値はキロ700円台と高値基調で推移する。活発な取引は7月中旬のシーズン終了まで続く見込みだが、高水温の影響で終了時期が早まる可能性もある。
地元産フカ(サメ)肉の消費拡大を目指そうと株式会社阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は13日、同市の気仙沼リアス調理製菓専門学校でアレンジレシピコンテストを初開催した。テーマ食材は新商品のフィッシュプロテインバー「meZAme-メザメ」。体づくりをよりサポートするアイデアが次々と披露され、持続可能な開発目標(SDGs)や写真映えなども意識した多彩なサメ肉料理が並んだ。