宮城県南三陸町の県漁協志津川支所女性部(小山れえ子部長)は、町内の他業種の女性たちとコラボし、豊かな志津川湾の幸を使った缶詰を製造・販売している。
宮城県北部のワカメは1月下旬、収穫、ボイル塩蔵加工が階上地区で本格化、志津川、戸倉、歌津地区などで始まった。遅れ気味だった生育は好転、シケ被害もなく順調だ。9日の初入札に昨季並みの塩蔵上場が期待され、価格が注目される。
いちまる水産有限会社(今野泰一社長、福島県相馬市)は、新社屋となる名取支社を宮城県名取市の閖上水産加工団地に完成し、その落成式と祝賀会を24日開催した。加工場でもある施設には、日本でも最大規模の乾燥機を設置し、主力のシラスやコウナゴの加工品を生産。また、サケ・マスフィレーのほか、ツブ、タコ、サバ、カニを加工するなど高鮮度・高付加価値の製品を量産化する総合加工場にもなっている。
青森県の日本海側で養殖に関心が高まっている。養殖になじみは薄かったが、ホタテの試験成功を契機に、コンブ、マボヤ、イワガキなどにもチャレンジ。平成30年9月の区画漁業権切り替えで、養殖種目の新規や追加申請が相次ぎそうだ。背景にイカ釣りをはじめ漁船漁業の低迷がある。
宮城県漁協は13日、東京・大手町のサンケイビルに「宮城牡蠣の家 大漁や」をオープンした。4月7日(予定)までの期間限定で、今年で3回目。同日オープニングセレモニーが開かれ、今村雅弘復興大臣、村井嘉浩宮城県知事らが出席。みやぎ絆大使でリオ五輪バドミントン金メダルの「タカマツペア」こと、髙橋礼華さん、松友美佐紀さんも応援に駆け付け、会場を盛り上げた。
青森県の青森地方水産業改良普及所は三厩、竜飛今別の両漁協で水揚げされる本マグロ(クロマグロ)の脂乗りを測定している。同県の代表ブランド大間産の価格に近づける狙いだ。年末までに394尾が東京・築地市場などに送られ「目利きの評価と合っている。十分使えそうだ」と手応え。素脂肪率という科学的データをアピールしての出荷を視野に入れる。
青森県深浦町の風合瀬漁協女性部加工部会はギバサ(アカモク)しょうゆ漬けの生産、販売を始めて4年になる。「少しでも付加価値を上げたい」(山本裕行美=ゆきみ・次期会長)と漁協から原藻を買い取る。同町の特産品に認定され売れ行きは安定、年5000パックほどの人気を誇る。
宮城県北部の南三陸町市場で年明けからマダラの水揚げ、上場が活発化した。刺網漁獲で、1隻30~50箱という日が多く、やや低調な滑り出し。漁場が狭く女川沖だけという。価格はオスの2尾入れで5000円前後など昨シーズンに近いが、「獲れていない割に安い」とみる生産者が多い。
三陸ワカメは2月9日の宮城県産初入札でシーズン入りする。今季は宮城、岩手両県合わせ原藻換算3万1000トンの養殖生産が計画され、昨シーズン(2万5000トン)を600トン、24%上回る見込みだ。種苗はおおむね確保されたが、幹縄への巻き込み、挟み込みとその後の生育が例年より遅れ気味で、これからの成長に期待がかかる。
漁業の担い手不足が全国的に深刻化する中、宮城県は6月、確保・育成を目指し「みやぎ漁師カレッジ」の開講を予定する。7カ月ほどの研修とその後の国の支援事業により、新規就業者を増やす。一方、1月29日には石巻市の事業により東京で「水産業リクルートフェア」が開催される。民間では定置漁業・大友水産㈱(東松島市)が3人を育成中で注目される。