珍味メーカーの株式会社ジョッキ(本社・東京都、志村和彦社長)は、函館工場隣接地に建設を進めていた新工場が完成し、1日に稼働を開始した。埼玉工場が担ってきたさきいか、貝ひもなどの二次加工の生産機能を整備。食品工場に求められる徹底した異物混入防止など安心・安全対策、品質管理、省力化の最新システムを導入した。主要取引先の大手コンビニをはじめ各種売り場への安定供給と併せて、あらゆる食シーンを演出する商品づくりに一層力を入れていく。
サロマ湖のカキ出荷が始まった。1年カキは小ぶりの地区もあるが放卵が早く良質。身入りは1年・2年カキともに良好だ。出荷ペースは昨季並みか、やや遅め。浜値はむき身が1800~1600円と高値基調。需要が伸びる年末年始に向けて上々のスタートを切った。
北海道の秋サケは、国立研究開発法人水産研究・教育機構北海道区水産研究所が9月末時点で推定した年齢別来遊数によると、平成24年級の4年魚が平成6年以降で最少だった。24年級の稚魚が降海した25年春以降の海洋環境を調べた結果、北海道沿岸の水温が急激に上昇していたことが判明、稚魚減耗への影響など分析を始めている。
米国中心の玉冷輸出は依然停滞している。道漁連によると9月末輸出量は4600トン。「10月以降例年のパターンで進んでも9000トン台」と厳しい見通しだ。「買い足しても1万トンに届くかどうか」という状況。仮に内販が昨年並みとしても期末在庫は5000トンを超える、ここ数年になかった大量繰越の可能性が現実味を帯びている。
新星マリン漁協所属の希宝丸(4.6トン)は、9月中旬からカスベ刺網に着業している。船主の佐賀友三さんは「むき身で1日少なくても100キロ以上。格差はあるが今年は好漁」と話しながら、出荷作業を終えた作業場で漁具・漁法を説明してくれた。
増毛漁協所属の第二十一龍仁丸(4.9トン)の川上仁さんは春先、カレイ刺網に着業する。イセは6割。浮子を使わない仕立て。「今年のカレイは好漁だった」と話しながら、作業場で漁具・漁法を説明してくれた。
北海道の秋サケは10月下旬もシケが絡んで伸びはなく、前年比3割減の水揚量で推移している。前年割れの記録的不漁は確定的だが、今後の上積みは後期群が厚い胆振、噴火湾、道南などの水揚げが焦点になる。
浜中町のウニ加工・小川水産株式会社(小川雅弘社長、電話0153・62・3193)は12日付で、釧路工場で製造する生ウニの折り詰め、塩水パックを対象に、「北海道HACCP自主衛生管理認証制度」の認証を取得した。製造工程の処理水や塩水などに窒素水、羅臼の海洋深層水を使用し、品質管理と併せて取り組んできた安全・安心な商品供給への企業姿勢を明確化。ブランド力に磨きをかけていく。
根室湾中部漁協のカキ養殖は8月中旬に続いた大雨で風連湖内の一部でへい死した。水深が浅く、塩分濃度が低下したのが要因。水深が深い温根沼内の被害は軽微だったが、総体で2割ほど減産になる見通しで、出荷は前年より10日ほど遅れて11月に始める予定だ。
オホーツク海沿岸のけた引は、北部の宗谷、頓別、南部の沙留、紋別、網走が10月末で終漁した。宗谷、沙留、網走は当初計画を達成、紋別は約4000トン及ばなかった。