標津漁協の刺網は平成25年から操業開始を従来より10日ほど早め、冬場の漁業収入確保につなげている。トドやアザラシなどの海獣被害が本格化する前に出漁回数を稼ぎ水揚げを増やす取り組み。同時期に操業している秋サケ定置業者と協議し解禁日を決めている。
北海道昆布漁業振興協会や北大などが取り組むコンブ資源増産実証試験が前進している。胞子入りセルロース溶液を散布する手法で、えりも漁協平宇地区では散布由来のコンブが採取対象に。今季は新たに道南でも予定、徐々に実施地区も拡大している。また散布状況を確認しやすいように食紅入りセルロースを使ったり、散布器具の改良で作業効率化を図るなど技術向上にも注力する。
道南の養殖施設などに繁茂する紅藻「ダルス」。カナダやアイルランドでは食用として親しまれているが、日本国内では低利用資源で一般的認知度も低い。本格的な産業利用に向け道立工業技術センター(函館)を中心に産学官共同で研究、本年度は「加工」「栄養成分」「人への効果」を柱に知見収集を進めている。また来季は収穫増を計画。乾燥品の供給も視野に入れる。
佐呂間漁協の2漁家が取り組んでいる耳づり養殖の2年カキが好評だ。値幅の大きい日は通常より1箱千円高となることも。本格出荷2年目の長谷川慎二さんは「手間は掛かるが良質なカキに成長してくれる」と手応えを感じている。
平成に入って最低水準で終盤を迎えた北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場は11日に開かれた道連合海区で前・中期群の来遊状況を説明した。年齢別来遊数で5年魚(平成23年級)は過去15カ年平均に近い値だった一方、4年魚(24年級)は最少。全海区共通で4年魚が少なく、特に根室海区が顕著だったことを示した。
湧別漁協は、株式会社ニッコー(釧路市)製「オートシェラー」に原貝を送り込む自動供給ラインを、このほど役員など関係者に初めて公開した。選別などに微調整を残すものの、関係者は順調な仕上がりに好印象。作業員の大幅な負担軽減が期待される。
タイサン太洋産業株式会社(松岡章社長)は、サケの中骨をミンチ状に加工した「鮭そぼろ」を新たに打ち出した。今季の秋サケ不漁に代表される原料環境の悪化も踏まえ、従来低利用だった部位の利用度、付加価値を高めていく観点で商品化。カルシウムを豊富に含有する特長も生かし、健康志向などに訴求していく。
白糠漁協のシシャモ漁は前年を下回る低調な水揚げペースで折り返した。組成も小ぶり。浜値は薄漁を映し強含みの展開で異例の2000円台に上昇している。
苫小牧漁協のホッキ夏漁は日量4トン弱と順調に水揚げしている。11月中旬にノルマを消化して終漁する予定。一方、浜値は600円台と10月に比べて若干安値。11月から日高や鵡川でも操業が始まり、弱含みの展開となっている。
道南太平洋のスケソ刺網が開幕して1カ月が経過した。10月単月の数量は低調だった前年同期比8%増の3271トン。渡島管内は好スタートを切ったもののシケも絡み10月下旬から失速。胆振管内は前年同期を下回るペースで推移している。浜値は出足のキロ70~60円から3桁台に上昇。加工筋の仕事買いも絡んでキロ140円台までつり上がっている。