ひやま漁協乙部支所の若手漁業者らが檜山振興局などと連携して取り組むアカモクの有効活用が着実に前進している。今季の試験採取は22日に終え、成長の遅れなどに見舞われながらも約3.3トンと前季比倍増。販路拡大では地元の乙部町や地域商社のおとべ創生株式会社の後押しが本格化している。
噴火湾の毛ガニ漁が始まった。渡島側5単協の序盤は、長万部~八雲沖に着業船が集まり1隻100~200キロ前後の水揚げ。組成は小主体だが市況をにらみ選別を重視する浜は中主体。浜値は中がキロ4千円前後、小が3千円前後と昨年より弱含みに推移している。
渡島噴火湾の耳づり作業は、6月前半で終了した。各漁協ともおおむね満度に垂下したもよう。大半の漁家は5月中に終え、現時点の成育は順調に推移。関係者は「なんとしてでも盆明けから秋口を乗り切ってほしい」と願っている。
散布漁協の春定置でトキサケが好漁に恵まれている。6月中旬に大きなヤマがあり、23日現在の累計漁獲尾数は前年同期比3.5倍の9800尾。増井雅夫部会長は「今までにないくらいの漁」と笑顔を見せる。
散布、浜中両漁協のさお前コンブ漁は、解禁日から6日後の21日に初水揚げした。全般的に着生・生育状況ともに芳しくなく採取は苦戦。着業者は「これだけ状況が悪いのは近年にない」「個人的には例年の半分程度の漁」などと厳しい表情を見せる。
道総研さけます・内水面水産試験場は19日、今年の北海道の秋サケ来遊数が昨年実績比13.3%増の1990万3千尾になるとの予測を発表した。予測通りの場合、平成以降で昨年に次いで3番目に少なく、2年連続の2千万尾割れ。沿岸漁獲量は重量ベースで5万トン台が見込まれ、依然低水準が続くが、40年ぶりに5万トンを切る凶漁となった昨年から回復局面へ底打ちが期待される。
道漁連(川崎一好会長)は2020年度から「夢と活力ある北海道漁業の再興」を基本方針とした向こう3カ年の中期的事業推進方向をスタートする。浜の生産力回復に向けた取り組みや、新型コロナウイルスの感染被害に対する的確かつ迅速な対応などを掲げた。
道漁協系統・関係団体は17~19日、札幌市の第2水産ビルで通常総会を開き、2019年度事業報告と20年度事業計画を承認した。新型コロナウイルス感染防止のため、書面決議。全道組合長会議では新型コロナの影響を乗り越え、「夢溢れる北海道漁業」の実現を運動方針に掲げ、コロナ禍への緊急対策実施の特別決議と、北海道漁業の実態に即した漁業秩序の構築、資源増大対策、漁業経営安定化対策、漁場環境保全対策、福島第一原発の放射能汚染水の処分方法など諸対策を求める5項目の一般決議を採択した。国、道などに早期実現を要請する。
遠別漁港で建設を進めていた新上架施設がこのほど完成した。船体を4台のホイストでつり上げ、シップキャリーで移動させるクレーン式を採用。旧施設の老朽化と課題だった漂砂対策が一度に解消され、安全かつスピーディーな上架作業が実現した。管理する遠別漁協の千葉光悦組合長は「作業の効率化、安全性の向上につながる大変素晴らしい施設が完成した」と喜んでいる。
歯舞漁協のホッカイシマエビ漁は6月中旬、オホーツク海側を皮切りに始まった。歯舞北海えび漁業部会の村内茂部会長は「ハシリの漁模様はまずまず。例年に比べ大サイズが多い」と話す。ただ、浜値は大でキロ4千円台と昨年を下回る出足となった。