落部漁協のカレイ刺網は、沖・オカで漁模様が異なる中、9月頭に上向いた沖側のアカガレイは先週のシケ後に多少減少し、ソウハチやオオズワイガニが見えてきた。浜値はアカガレイが高値キロ500円程度と、9月以降弱含み。
広尾漁協は、前浜で獲れる旬の魚介類や自営工場で製造する加工品の販売拡大に乗り出している。昨年12月から直売所を常設。今年8月には専門サイトを活用し、ネット販売も始めた。直販手法の拡充で、一般消費者や業務筋などに広尾産の売り込みを強化している。
礼文島の天然コンブ漁は、序盤の7月中心に天候など操業条件に恵まれ、順調に出漁を重ねた。香深漁協前組合長の和泉優さんは「7月から盆にかけてこれほど操業したのは今までにない」と話す。香深漁協管内では尺忍や差閉などに繁茂。和泉さんは「初日操業した奮部にも2、3日採る分は繁茂していた」と言い「今年はそれなりに水揚げできた。昨年並みの生産量になれば」と話す。また「早い時期に操業を重ね、良質なコンブから選んで採ったので実入りは良く幅や長さもある。等級的に昨年よりは良いだろう」と見込む。
宗谷漁協で毎年9月にモズク手摘み漁が行われている。宗谷岬周辺の遠浅の沿岸で操業。今年は2日にスタートしたが「シケで抜けて例年より少ない」との声も多い。洗浄して異物を取り除き、生出荷のほか塩蔵品も生産する。
北海道の秋サケ定置は序盤の水揚げが近年並みの低水準で推移している。14日のシケ後、オホーツクなどで日量が増え、15日にようやく全道で千トン台に乗り、16日に1800トン台。ただ、特に太平洋などは日量1桁中心と振るわない。浜値は全道的にキロ千円超えのメスが昨年より高止まり。今週から盛漁期に入り、いくら、親製品の価格形成が佳境を迎える。
渡島噴火湾では、長万部漁協が6日から残存貝の水揚げを再開した。貝毒発生で自主規制が続き加工向け用途に限定されている中、定置の秋サケ加工も始まるため日産50トン前後に出荷制限している。浜値はキロ300円と高値基調。同漁協では9月以降1500~2000トンの水揚げを見込んでいる。
北海道の秋サケ定置は昨年より高値でスタートした。特に卵需要のメスが鮮明で、出足から各地で軒並みキロ千円超。国内外含め昨年産の供給過少などから親、卵とも在庫払底で漁期入りし、上昇基調の生産環境。平成以降最低の来遊予想下、水揚げは日高、釧路・十勝、根室を中心に不振の滑り出し。今季も原魚の供給状況は厳しい様相だが、サンマなど他魚種を併せて今後の漁況、海外産の搬入動向などに商戦の行方がかかっている。
渡島噴火湾で稚貝の本分散作業が始まった。鹿部、砂原、森漁協と落部漁協の一部が9月頭から地元産中心にスタート。昨年同時期に各地で散見された空貝はほとんど見られず、数量も十分に確保している状況。成長も平年並みで「順調そのもの」と着業者。秋に多発する台風に警戒しながら作業を進めている。長万部、八雲町漁協は9月中旬から開始する予定。
船泊漁協(大石康雄組合長)が建設を進めていた「鮮魚凍結施設」がこのほど完成した。凍結能力を1.6倍に増強。既存施設と合わせて日量50トン程度のホッケの水揚げに対応できる体制を整えた。冷凍品質の安定・向上を図り、ブランド力の強化につなげていく。
噴火湾のエビかご秋漁が始まった。序盤はボタンエビの入る場所が少なく、渡島3単協(砂原・森・落部漁協)とも好漁場に集中し船間格差が開いている状況。大半が1隻日量100キロ未満となり、好漁年と比べ苦戦を強いられている。組成はメス中心でキロ3千円台と昨年より高値発進となった。