釧路市東部漁協のホッキけた引漁は6日、天候に恵まれ年明け後初出漁となった。漁期序盤の12月はシケが頻発し5日間の操業にとどまっただけに、飯塚良太ホッキ部会長は「この後順調に出られたら」と天候を注視。赤潮による資源への影響もなく今後の水揚げに期待がかかる。
室蘭市で前浜産鮮魚を使った加工品の製造・販売を手掛ける「abba合同会社」は、商品の販売手法を拡大している。従来から取り組むスマートフォンの産直アプリでの出品に加え、昨年からふるさと納税やLINEギフトでの販売を開始。コロナ禍で在宅消費が伸びる傾向を追い風に、顧客獲得に結び付けている。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は昨年、「子ども食堂」と連携した魚食普及・食育事業を実施した。道産水産品を使った持ち帰り弁当の製作・提供と併せて食育パンフレットを作成・配布。「おいしかった」「また食べたい」など好評を博し、魚介類を食べる大切さの理解など成果を得た。
漁業情報サービスセンターが集計した昨年の北海道沿岸のスルメイカ漁獲量は、主要市場の合計で前年比14%増の3579トンと伸びた。羅臼や花咲、苫小牧、室蘭などで増産。ただ、日本海側が振るわず、2年連続で5千トンを下回る低水準にとどまった。
道総研函館水産試験場が試験養殖に取り組んでいる成熟誘導(人工的に子のう斑を形成させる技術)を利用した早期生産種苗のマコンブは、連携する戸井漁協小安地区で昨季順調に生育し良好な結果が得られた。幅広で実入りも上々だったほか、乾燥歩留まりも良く、漁業者は「折昆布に成形し大半が1等だった」と手応えをつかむ。今季は事業規模を拡大し同地区全約30人が養殖。間引きなど育成管理に努め、さらなる品質向上を図る。
水産物の関心を高めようと、ユーチューブで漁模様などを配信する漁業者が増えている。新星マリン漁協の指導漁業士・佐賀友三さんもその一人。留萌市などと連携しながら情報発信に力を入れている。昨年12月には、講師を務めカジカ調理を教えた市主催の食育体験教室も動画配信。安価魚の付加価値向上、魚食普及を目指し、各団体が協力し合っている。
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの四ツ倉典滋准教授は、昆布加工大手のフジッコ株式会社(神戸市)と連携、共同施設で育種の研究を進めている。道内を中心に100産地以上の培養株を保存、交配・交雑を行い、高水温や貧栄養といった環境耐性に優れる株を選抜していくなど長期的な視点で技術開発に注力している。

北海道内のアサリ主産地として知られる厚岸漁協。道水産林務部がまとめる北海道水産現勢によると、2019年の全道漁獲量は1488㌧で、厚岸町産は約7割の1004㌧を占める。厚岸湖内の造成漁場「アサリ礁」では約170軒が着業。漁業者が取り組む漁場の管理・保全などが堅調な生産状況を下支えしている。中でも本来は田畑で使う耕運機を導入する漁家が約10軒存在、漁場管理に工夫を凝らし、成育環境の向上につながっている。
北海道内のアサリ主産地として知られる厚岸漁協。道水産林務部がまとめる北海道水産現勢によると、2019年の全道漁獲量は1488トンで、厚岸町産は約7割の1004トンを占める。厚岸湖内の造成漁場「アサリ礁」では約170軒が着業。漁業者が取り組む漁場の管理・保全などが堅調な生産状況を下支えしている。中でも本来は田畑で使う耕運機を導入する漁家が約10軒存在、漁場管理に工夫を凝らし、成育環境の向上につながっている。
北海道にはコンブなど有用な海藻資源が豊富に存在し、含有する色素成分の違いによって褐藻、緑藻、紅藻に分類される。道立工業技術センターの木下康宣研究主査は、それぞれが有する特徴的な成分組成に着目、栄養バランスを意識して摂取する「緑黄色海藻」という新たな利用概念を次のように提案する。
「目指すのはベンチャー」。そんな創業間もない成長途上の企業のようなビジョンを掲げるのが鵡川漁協だ。2020年度の販売取扱高が約4億円と北海道内では小規模な漁協だが、昨年9月に開設した鮮魚直営店の売り上げが好調に推移。ホタテの資源造成にも打って出るなど、組合事業の付加価値化と漁業者の所得向上を実現しようと、知恵と行動力を結集している。