東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は例年通り販売に苦戦している。骨の多さから消費が伸びず、大口の量販店がアジやサバなど青魚の代替品で仕入れる程度で荷動きが鈍い。2月下旬の相場は入荷が不安定で堅調だが、産地ごとに身質や卵の状態が異なり、差が出ている。
大阪市中央卸売市場内関連商品売場に小売店舗を構える元木株式会社(元木弘英社長)は、生産低迷が続く道産昆布の現状を踏まえ、多様な商品展開と個客ニーズに即した提案で訴求に努めている。
元木社長は「昆布生産が減少の一途をたどり、欲しい銘柄、等級を必要な分確保するのが難しくなった」と現状を吐露。ただ「昆布屋は昆布がないと商売にならない。今あるものを工夫して売っていくスタイルで商いしている」と考えを示す。その一つが業務用商品の充実。うどんやすしなど料理に携わる「食のプロ」も多い客層を踏まえ日高や羅臼、真昆布といった各銘柄の切葉、根昆布などを1キロの袋詰めで販売する。
噴火湾の加工貝(2年貝)が2023年度シーズン(10~5月)の最盛期に突入する。今季の計画量は7単協(いぶり噴火湾・長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部漁協)合わせ、昨季実績を若干上回る5万7千トン前後。中国向けに冷凍両貝を輸出できない中、大半がボイル加工に仕向けられる。今季の原貝処理計画やボイル製品の流通見通しについて産地加工メーカー3氏に話を聞いた。
大日本水産会が主催する西日本最大級の食材見本市「第21回シーフードショー大阪」(21、22日にATCホールで開催)では昆布関連企業も出展、担当者がパンフレットや資料を手に味わいやだしの奥深さ、栄養成分など昆布の特長や魅力をPR、自社製品を売り込んだ。
「TOSPACK」シリーズで知られる真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)は、国際ホテル・レストランショーや厨房機器設備展などで構成される「HCJ2024」(東京ビッグサイト、13~16日)に出展した。実機のデモンストレーションを繰り返しながら品質や作業効率の高さを示し、人手不足の解消や食品ロス削減につながる真空包装の実力を訴求した。要望の高かった同社製によるスキンパック(密着真空包装)を披露し、来場者の関心を集めていた。
東京都・豊洲市場のいくら消流は相場が下げ基調下、販売は伸びていない。年明けからしょうゆの卸値は秋サケ子が1回、マス子は3回値下げ。仲卸業者は「飲食店などの顧客にとって市場の商材はどれも高騰しているため、相場が下げ止まるまで待っている状況。その分、売れ行きは悪い」と明かす。
「無駄な配送コストをかけていませんか-」。電子商取引(EC)サイトを使い、「イワカキ商店」や「イワカキ屋」の屋号で三陸の海産物を販売する岩佐亘さん、玲子さん夫妻(仙台市太白区)は、小口配送に適した正六面体の発泡スチロール箱「cube(キューブ)80」を開発した。以前からある、同じ「80サイズ」の直方体の箱に比べて6割増の収容力。殻付きの生カキ5キロにぴったりのサイズ感だ。個人向け(BtoC)EC市場の拡大を後押しするアイテムとして注目を集める。
「第21回シーフードショー大阪」(大日本水産会主催)が21~22日、大阪市住之江区のATCホールで開催される。出展規模は230社(308小間)で、その約4割が大阪開催では新規の出展者によるもの。関西圏で新たな販路の獲得を目指しており、熱意あふれる商談に期待が高まる。
株式会社丸ほ保原商店(宮城県石巻市、保原敬明社長)は、主力事業である宮城県産めかぶの加工販売を強化する。産地ならではの鮮度と独特の食感や粘り、豊富な栄養成分をそのままパック。食品ロス削減と消費者の購買意欲向上につなげようと、自分好みに味付けできるお得なたれなし商品を新たに投入した。健康意識を背景に高まるめかぶ需要の取り込みを目指す。
フクシマガリレイ株式会社は、ノンフロン冷媒を採用した業務用冷凍冷蔵庫タテ型・ヨコ型、製氷機の対象機種に関し、4月から冷媒ガス漏えいによる修理費の10年間全額保証を開始する。同社によると業務用冷凍機内蔵冷蔵機器業界で初の取り組みで、2025年度からは対象を全機種・全製品に拡大させる。冷媒を扱う企業として、環境を意識して社会課題の解決に取り組み、ユーザーとともに歩む姿勢を示している。