羅臼漁協昆布青年会(佐野亘会長)は昨年、羅臼昆布を粉末化した商品「羅臼昆粉(こんぷ)」を開発した。原材料は昆布のみで天然、養殖の2種類を瓶詰めで展開。料理に混ぜたり、ふりかけて使える。購入者から「おいしい」と応援する内容の手紙が届くなど反響もあり、佐野会長は「積極的にPRしていきたい」と力を込める。
東京都・豊洲市場の東北産サゴシ消流はサワラが産卵期に入ったことで代替需要が生まれて、引き合いが増えている。サワラは白子・真子が発達する時期は特に身割れしやすく取り扱いが難しいが、サゴシは脂が乗って身もしっかりしている。加えてサワラより安価で価格訴求できることも評価を得ている。卸値はキロ1400~1200円。仲卸業者は「宮城県産は3月ごろから脂が乗って数量も増えてきた。最初はサワラが高値3千円と高騰し、それに引っ張られてサゴシも2800円と上昇していたが、最近は落ち着いた相場になった」と話す。
今期創業65年目を迎える連続式急速凍結装置(トンネルフリーザー)のパイオニアメーカー・タカハシガリレイ株式会社(大阪市西淀川区、鳴田友和社長)は、玉冷主体にホタテ専用トンネルフリーザーの開発を進めている。従来機の優れた洗浄性を維持しながら、消費電力やイニシャルコストを低減。併せてホタテ本来の品質を追求する。専用新機種を通し、東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出に伴う中国の日本産水産物輸入停止措置などの影響打開に取り組むホタテ加工業界の進展に貢献を目指す。
東京都・豊洲市場で宮城県産のショウサイフグの入荷が増えている。従来は関東、北陸、山陰、九州など西日本寄りの産地が一般的だったが近年は東北での水揚げが増加。同市場でも手ごろな価格帯のフグ商材として販路を開拓。フグ専門の仲卸業者は「冷凍の身欠きは常に切らさないよう在庫している。需要がピークになる12月は在庫がなくなることもある」と強調する。
株式会社極洋の2024年3月期の連結業績は売上高が3.9%減2616億円と減少に転じたが、営業利益8.6%増88億円、経常利益8.2%増88億円、当期純利益2.7%増59億円と各段階利益は過去最高益を更新した。前中期経営計画(21~23年度)では目標とする売上高3千億円には届かなかったが、利益目標は達成した。今年度から事業強化の中心に水産事業を据えている新中期経営計画をスタートさせている。
鵡川漁協厚真地区の澤口研太郎さん(青年部部長、青年漁業士)は今年1月に合同会社picolo pesce(厚真町)を設立した。ホッキを使用した加工品の開発など前浜産水産物の付加価値向上に取り組んでおり、将来的には飲食事業の展開を目指している。
東京都・豊洲市場の北海道産ヒラメ消流は競合する九州産の操業が終わり、荷動きが良くなってきている。また、値頃感を訴求しやすい時期になり、和食・すし店以外の飲食店からの注文が目立ち始めた。卸値は高値キロ2千円台前半。直近の大型連休中は3千~2千円台後半と観光需要で急伸したものの、連休明けからは2300円台に落ち着いている。
末永海産株式会社(宮城県石巻市、末永寛太社長、電話0225・24・1519)は、三陸産の海藻やホヤなど7種の具材が入った冷凍食品「海鮮ナムる」を発売した。野菜や山菜で作られることが多い韓国家庭料理の定番をアレンジ。海鮮ならではの豊かな風味や食感をオリジナルの調味料で引き立たせ、ご飯もお酒も進む一品に仕上げた。
ウニ専門店として催事・飲食・卸小売り事業を展開する札幌市の株式会社世壱屋(犬嶋裕司社長、電話011・533・5726)。今年は独自製法「生うに熟成製法」で仕立てる北海道産の冷凍ウニ「幸福雲丹」をミョウバン不使用の無添加にバージョンアップする。併せて主産地・礼文島香深地区に第3工場を構え、取扱数量の増大に着手。社名に込めた品質・物量「世界一」に向け、国内外に攻勢をかけていく。
札幌市中央卸売市場の水産物荷受・カネシメ髙橋水産㈱を中核とするカネシメホールディングスグループは1924年に海陸物産委託問屋「カネシメ髙橋松吉商店」を創業以来、今年で100周年を迎え、4月23日、札幌パークホテルで記念式典・祝賀会を開いた。荷主、取引先、来賓ら約350人が出席。道産をはじめ水産物の安定供給、消費拡大に貢献してきた同グループの節目を祝うとともに、200年企業への一層の躍進に期待を寄せた。