宮城県のホタテ養殖産地で12日、北海道産半成貝の移入、耳づりが全域的に本格化した。小さかった昨年より成長の良い道内産が多い様子で、歓迎されている。変形貝や空貝(死貝)などもわずかで、引き続き十分な選別による大きめの健苗が望まれている。
三陸沖に主漁場が形成されているサンマ漁は、6日以降、一部が東の沖合に移動し、10、11日は釧路、花咲港を中心に道東3港で日量1000トン以上が水揚げされた。
漁業情報サービスセンターによると、現在の漁場は八戸沖から久慈沖を中心に大型船が操業。11月10日前後に形成された厚岸沖125マイルの漁場は「三陸沿岸から南下せず沖合いに出てきたもの」とみる。
宮城県北部の県漁協歌津支所管内で、大震災後初となるホタテ地場採苗貝(地種)の耳づりが進んでいる。震災後に種苗を地種から北海道産半成貝に切り替えたが、昨年の採苗で6人が耳づりを再開した。田の浦地区ではへい死が激減、成長も良好で拡大に期待がかかるが、人手不足がネックだ。
国産魚促進・水産加工機械資材協議会が主催する復興支援シンポジウム「震災3年目からの水産加工業の復興と課題」が10月31日、宮城県塩竈市の宮城県トラック協会塩釜輸送サービスセンター会議室で開かれた。水産加工や復興支援の専門家5人が復興活動や支援政策、助成計画、最先端研究による省力化対策への取り組み事例を紹介した。
岩手県大船渡市特産のカキをメーンに海産物のブランド化を図ろうと、カキ生産者や水産加工業者、飲食、観光関連の4者による「大船渡6次連携ブランド開発グループ」が発足した。新商品開発、大船渡湾内での「カキ尽くし屋形船」の運航などの取り組みを計画しており、「復興応援・キリン絆プロジェクト」が3千万円を支援。29日に事業発表や贈呈式が行われた。
アワビやナマコなどの密漁が後を絶たない。平成20年に罰則が強化され、21年からは築地など東日本の多くの消費地卸売市場で密漁物の流通を防ぐ仕組みが整ったが、根絶にはほど遠い状況だ。組織化や巧妙化に加え、大震災の影響も指摘されている。産地では一層の罰則強化、密漁防止活動に係る補助事業復活を望んでいる。
1日解禁となった岩手県産アワビの第1期(11月)分入札が10月28、29日、盛岡市の県水産会館で開催された。271.8トンが上場、10キロ当たり8万8086円平均、前年同期比90.6%で落札された。主に香港輸出となる干鮑(かんぽう)の在庫が要因だが、下げ幅は大方の生産者、買受人の予想を下回った。漁獲資源に「不透明感」(県漁連)があり、水揚げが気がかりだ。
岩手県久慈市の久慈市場に水揚げするイカ釣船は17日、活じめスルメイカのテスト出荷を開始した。「イカ活チャ器」を使って沖で活じめし、発泡箱に「パウダースノー」を入れ10尾ずつ収容して高鮮度を追求、維持。漁獲量、金額が減る中、ブランド化でカバーを狙う。地元や首都圏で販売され好評を得た。
岩手県大船渡市の水産加工業大手・及川冷蔵株式会社(及川勢三会長、及川廣章社長)は、直販独自企業ブランド「おいかわ」を立ち上げ、今春発売した「さんま骨抜太郎」を主体に前浜自慢の魚介類の加工品シリーズを商品展開している。丁寧な手作業による加工と徹底した衛生管理や鮮度管理、吟味した味付けなどが自慢。給食関連事業も活発に展開している。
水産庁と宮城県による「太平洋クロマグロの資源管理に係る説明会」がこのほど、石巻市の同県漁協で開かれた。資源確保のための幼魚(30キロ未満)水揚げ規制の必要性が説明され、漁業者側は困惑の表情を見せた。質疑応答では、漁業者側から現場での対応の難しさを訴える声が相次いだ。