米国に本部を置くNGO・世界養殖連盟(GAA)は今年から日本に専任スタッフを配置し、連盟が運営する養殖業に関する第三者認証「BAP」(ベスト・アクアカルチャー・プラクティス)の導入促進を加速させている。養殖工程が環境や社会への責任を果たし、食品安全の配慮を示す有効な手段であるとして、特に生産者への導入に力を入れる。普及浸透させ、日本における社会的責任のある養殖業の確立に向けて働き掛けていく。
総務省の家計調査によると、昨年1年間の1世帯当たり(2人以上)の昆布購入金額は、富山市が全国主要都市の中で最も多く、7年連続の全国一となった。昆布つくだ煮は福井市が2年連続の1位。両品目とも上位は昆布食文化が根付く近畿・北陸勢に、東北を加えた3地方の都市で大半を占めた。
電気通信や高周波を事業とする電気興業株式会社(東京都、松澤幹夫社長)は愛媛県宇和島市の洋上養殖いけすで、ローカル5G(自営による第5世代移動通信システム)を使った海中映像伝送の実証実験に成功した。この結果が実用化につながれば、いけす内の様子を陸上にいながら把握できるなど漁業者にとって有益になるものと期待されている。
捕鯨4団体は合同会見をこのほど開き、鯨肉市場の再興に向けて力を入れていくことを2021年の業界の統一方針に据えた。商業捕鯨に切り替わってから操業、消流、調査などさまざまな状況が一変したことを踏まえたもの。その要として、当面は鯨肉を本来の価格に戻すための品質向上と消費拡大を目指していく。
日本水産株式会社は2021年春・夏向けの新商品として、昨年展開を始めた「速筋タンパク」商品を拡充する。スケソウダラに由来した質の良いタンパク質を配合したもので、利用効率の良さは卵以上という。コロナ禍による感染予防意識の高まり、また外出自粛による運動不足への懸念に対応できる商品として提案していく。
北関東を中心に食品スーパーを展開する株式会社ベイシア(群馬県前橋市)は1月30日、近畿大学と株式会社ニチレイフーズが共同開発した「アセロラぶり」の限定販売を始めた。アセロラには強い抗酸化作用があり、酸化による商品の劣化を遅らせる技術で食品ロス削減も期待されている。果実や柑橘類を餌に混ぜて育てる養殖魚が増えており、品質の向上とともに、安定した生産と供給が持続できるよう研究も進められている。
理工エンジニアリング(株)(高知県高知市、有光功社長)は中~大型魚に対応する新型のフィレマシン HS―10CW 型を完成させた。最大の特長は、これまで処理が困難だった三角骨を持つ魚種にも対応できるようにしたことで、スケソウダラやマダラのフィレ加工を可能にした。漁獲量が低減する一方で、地域によっては今まで見られなかった魚種が獲れるようになるなど予測が困難な時代。有光功社長は「このマシンがあれば、中型からある程度の大型魚までカバーできる」と自信を示している。
マルハニチロ(株)(池見賢社長)は2021年春季新商品として79品、リニューアル品17品を3月から順次発売する。このうち家庭用加工食品では、すり身食品として「北海道産帆立を使ったお魚ソーセージ」を4月1日に発売。展開中の全国ご当地の味を手軽に味わえるシリーズに加えた商品で、今回は特許技術により、賞味期限を1年に延長した。
横浜市立大大学院や慶応義塾大、水産研究・教育機構、理化学研究所の研究者でつくる共同研究チームは、深層学習を用いた太平洋クロマグロの卵のふ化予測に成功した。産卵直後の卵がふ化するか否かを高精度に予測可能であることを示した。この技術を用い、質の高い卵のみを選択してふ化・飼育することで、効率的に種苗生産できることが期待される。
大日本水産会は5日、東京都内で新年賀詞交歓会を開いた。2度の体温測定や、これまでの立食形式を変えて事前登録制の着席形式で行うなど、新型コロナウイルス感染防止対策を徹底。出席した関係者はコロナに負けず、水産日本の復活に向けて諸改革実現への志気を高め合った。