ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会加工部門(日沼賢澄部門長)が製造するアカモクは今春採取分を皮切りに、加工過程を改良するなど品質アップに力を注いだ。日沼部門長は「色や粘り気がこれまでより良くなった」と手応えを話す。
首都圏の小売店では、8月中旬から“北海道産生秋サケ”とうたった切り身を提供する店が出始め、一部ではチラシに記載して季節の先取りで集客に乗り出す店も現われた。昨年は豊漁とはほど遠い秋サケだったが、それ以上に厳しかったサンマに替わる商材として重点的に販売を仕掛ける場面も多く、売上高は好調だった一昨年よりもさらに1割増で着地する店舗も多かったようだ。今年も国産で旬を訴求できる商材として、各バイヤーは首都圏の消費者に向け、良質な原料の調達に奔走している。
町役場を早期退職し亡父の漁業権を相続して増毛漁協組合員となった田邊康光さん(61)。公務員から漁業者に転身し新たなフィールドで活躍の場を広げている。浅海漁業を営む傍ら、「田邊漁業部合同会社」を立ち上げ前浜の海水で天日塩の製造に挑戦。年内にも大手ECサイトで試験販売する計画だ。将来的には未利用の地魚で加工販売も見据えており「増毛のPRに少しでもお手伝いできれば」と夢を膨らませている。
七飯町の中水食品工業株式会社(園田哲三社長、電話0138・65・5631)は、主力のレトルト食品で、北海道産ホタテなどをメインにした「パエリアの素」を商品化した。炊飯器で出来上がる簡単・時短調理が特長。コロナ禍の巣ごもり需要などをつかんで順調な売れ行きを見せている。
岩内郡漁協所属で底建網漁や秋サケ定置網漁を営むカネヤマ石橋の6次産業化挑戦(2月1日付既報)が着々と前進している。石橋海(ひろし)代表の妻・亜希子さんが活じめや加工を実施。5月には自宅隣接地に自前の加工場が完成し、底建網に乗ったソウハチやホッケの干物製造などに力を入れる。
6次産業化に取り組む株式会社海遊(宮城県石巻市雄勝町、伊藤浩光社長、電話0225・25・6851)は、雄勝湾で養殖するホヤの販売促進に力を入れている。高鮮度の加工品を開発。殻付き活の通年出荷は全国でも同社だけという。韓国による禁輸措置やコロナ禍で消費が低迷する中、より多くの人に食べてもらおうと知恵を絞る。
道東沖のマイワシ漁は組成の小型化で苦戦を余儀なくされている。ミール向けが大半を占め、生鮮出荷がわずかで、浜値が振るわない。着業船の採算性は厳しく、仲買も生送りの原魚確保に苦慮。今後、ロシア水域から南下する群れに好転の望みを託す。一方、大臣許可の棒受網船が10日から順次出漁するサンマ漁は、水産庁の漁況予報では来遊量は依然低水準、漁場も沖合を中心に形成される厳しい生産状況が示されている。
鵡川漁協所属で刺網漁やホッキ漁を営む吉村正さんが代表を務める吉村燻製工房は、鵡川沖の海水で製造した天然塩「華の潮」のラインアップを拡充した。従来品より結晶を大きくし、岩塩のような見た目を打ち出す。
松前さくら漁協白神地区でマボヤ潜水漁を営む鳴海敦士さんは、水揚げの傍ら、町民中心に受注配達する「街売り」を行うなど、販売宣伝にも力を入れている。リピーターが多く、毎年新聞の折り込みチラシで漁期開始を周知。口コミで評判が広がり町外からの注文も獲得したことを契機に、遠方への鮮度保持対策として活魚タンクを導入した。また、SNSを活用して情報発信するほか豊洲市場にも出荷。「松前・白神産の知名度向上、販路拡大につながるよう発信力を高めていきたい」と力を込める。
北るもい漁協苫前支所樽流し部会のミズダコが10日、東京・青山の「ダイニングバー・The Burn」のメニューとして提供され始めた。資源を守りながらもうかる漁業を目指す「漁業改善プロジェクト(FIP)」で水揚げされたもの。共同でFIPを進める株式会社UMITО Partners(村上春二社長)が同店の米澤文雄シェフに提案した。