根室市の鮮魚卸・水産加工、株式会社カネマ浜屋商店(濵屋義則社長、電話0153・24・7889)は、北海道産マホッケを主力とした干物(一夜干し)の生産能力を増強した。2021年に導入したGSK株式会社(大阪市、小屋敷一雄社長、電話06・4302・3470)の特殊低温冷風乾燥機を増設し、2台体制に拡充。需要先への安定供給体制を整えた。
磯焼け対策として注目される「海藻バンク」事業が本格化している。利用が低迷する漁港の施設を有効活用して海藻を大量生産、衰退した藻場を再生する取り組み。三省水工株式会社など4社のコンソーシアム(共同事業体)が国の支援を受けて全国5地区で実証中。2030年までに70ヘクタールの藻場を造成、二酸化炭素吸収量年間399トン以上のブルーカーボン生態系拡大を目指している。
8月26日に東京都内のホテルで開かれた「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会で、秋サケ製品に関する分科会では、減産予測下も冷静に旬の生鮮商戦にあたって通年商材としても末端の需要に応えられる製品供給に向けた価格形成に努めることで共有を図った。道漁連の役員や担当職員、道内企業の関東担当部署、東日本地域の商社、卸業者らが意見を交わした。道漁連からは労働力不足による加工処理能力の低下が顕在化していることなど産地の現状を報告。水揚げが集中した際でも滞りなく加工処理が進むよう広域処理体制で加工場をフル稼働させるなどの対応策も示した。その状況下で「親製品、卵製品とも落ち着いた浜値を形成できるかが商戦の行方を左右する」と指摘。9月下旬から10月中旬までの実質3週間の盛漁期に、いかに冷静な浜値で原魚を確保できるかを参加者らと共有した。
水産庁が8月29日発表した2026年度水産関係予算概算要求では、25年度予算額(1859億円)対比34%増となる2495億円を計上した。「海洋環境の激変に負けない強い漁業と豊かで魅力ある浜づくりの実現に向けて」を目的に、環境激変への適応や人材確保、魅力ある浜づくり、成長産業化への実現などの柱で構成する。
水産研究・教育機構水産資源研究所が昨夏にベーリング海で実施した資源生態調査でサケのCPUE(1時間引網当たりの漁獲尾数)の平均は2007年の調査開始以降で平年並みだった。ただ、年齢組成は22年級の2年魚の割合が平年比8割と少なかった一方、昨年に日本への回帰数が平成以降最低だった21年級の3年魚は平年比1.6倍だった。
網走漁協のサケマス定置網で、秋サケが低調な滑り出しとなった。初日の2100尾以降、水揚量が伸びず、秋サケ定置網漁の本番を前に、着業者は不安な表情を見せている。一方、浜値は高値基調。オスメス混みでキロ千円台前半と堅調にスタートした。9月1日~8日に14軒31カ統で操業。1日が6軒で2160尾、2日は13軒で2100尾。浜値は1日がキロ1378円、2日は1414円。同漁協市場によると「目廻りは3.2キロ。昨年の出足も1300尾程度。あまり変わらない」と話す。
余市郡漁協の大定置網漁が8月12日に始まった。網入れが昨年に比べ若干遅く、ブリの出足は昨年を下回る漁況。4~5キロの小型中心。一方、市況は高単価を形成している。
えりも漁協のオオズワイガニは今年も順調な水揚げが続いている。数量は好調だった昨年同期を1割強上回り、単価も4割高に上昇、金額を6割増に押し上げている。水揚げは大サイズ中心で、小は海中還元を徹底、漁の持続化に向け資源保護に努めながら操業している。昨年度実績は数量が前年度比8割増の1900トンと大幅に増産。加えてキロ平均単価も2.4倍の684円に上げ、金額は4.3倍の13億円に伸長。近年は主要魚種の秋サケの不漁に加え、赤潮以降ツブなどの資源が低迷する中、組合を支える魚種の一つに成長している。
えりも漁協のコンブ採りはこれまで順調に出漁。全10地区の累計採取日数は、不漁だった昨年の最終実績98日(320時間)を大きく上回り、5日現在で165日(607時間)とした。昨年に比べて総体的に繁茂状況も良く、増産が期待される。同漁協は「昨年が極端な不漁で最近の中では最も悪かった」とし、今季の増産に期待。全体の採取日数は「一昨年(228日)が良かった。今年もそれに近いくらい出られれば」と海況と天候の安定を願う。
2025年の北海道の秋サケ定置網漁がシーズン入りした。漁期前予測では未知の低生産。加えて在庫薄、海外産の高値相場などで製品単価は強含みの様相で、引き続き、水揚げの回復も見据えた国内外の販路堅守、消流促進が課題に挙がる。道漁連販売第二部の倉地宏樹参事(販売第二部長事務取扱)に商戦展望、流通対策の重点などを聞いた。