上磯郡漁協中ノ川地区が養殖するブランド「知内かき」が漁期後半に入っている。序盤に比べて身入りは向上。目立ったシケ被害もなく生産が進んでいる。ただ新型コロナウイルスの影響で殻付き中心に消流が鈍化したという。
道北日本海の留萌管内4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で、地まき用の稚貝出荷が始まった。全体の出荷計画量は昨年より1700万粒多い10億8千万粒。全域で生残率が高く成長が進んでおり、1かご(20キロ)当たりの平均粒数は2千粒と大型傾向。4単協とも規定殻長3.3センチを十分に満たしている。
歯舞漁協の歯舞たこかご部会(木村金造部会長)は、厳しい選別基準や品質管理で付加価値を高めた活ダコ(マ、ミズ)を「金たこ」のブランド名で展開する。10キロ以上20キロ以下のサイズに厳選。餌吐きを徹底し、活魚水槽で鮮度保持するなど品質の高さが評価され、1月に出荷を終えた2年目は鮮ダコに比べ250~200円高の浜値で推移。今夏始まる3年目に向けて水槽を2基増設、取扱数量の増産を目指す。
えりも漁協冬島地区で漁業に従事する坂本雅彦さん、悠さんの兄弟が昨年始動した一般向けの秋サケ定置網漁の体験事業は、既に今季の体験希望が寄せられるなど反響を呼んでいる。2年目の実施に当たっては、新たに地域住民が体験しやすいメニューを導入する。また、「漁師めし」の食事場所となる番屋を新築。イベントの開催など事業の拡充を計画している。
沙留漁協(横内武久組合長)が建設を進めていた冷蔵庫、加工場などを一体化した鮮度保持施設が完成、稼働を開始した。ホタテ・サケ・毛ガニなど「サルレイ」ブランド商品の需要伸長に伴う加工機能の拡充と併せて凍結・保管能力を増強。付加価値加工品の生産増大、販売拡大を進め、魚価の安定・向上につなげていく。
宮城県栗原市の(株)大平昆布(伊藤正吾社長、電話0228・25・3553)は、近年力を入れている海藻パウダーの生産ラインを自動化した。コンブなどの原材料の微粉砕から、出荷に至るパック詰めまで全工程の機械を食品用ホースで連結。異物混入防止や人手不足解消につなげる狙いで、年間生産量は従来の約2.6倍に当たる40トンにアップする。健康ブームを追い風に、栄養豊富で低カロリーという海藻類の特性を用途が広いパウダーでアピールし、新たな販路開拓を目指す。
宮城県女川町の(株)マルキン(鈴木欣一郎社長、電話0225・50・2688)の養殖ギンザケが、一般社団法人マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)協議会(東京)が発行するエコラベルの認証を取得した。MELのロゴマークを付け、持続可能性に配慮した商品として国内外で幅広くPRできる。ブランド力向上につなげたい考えだ。
宗谷漁協の毛ガニかご漁は許容漁獲量の大幅減枠で乗組員の雇用確保などのため、操業ペースを調整しながらも順調に水揚げ。10日前後にも終漁する見通し。浜値もキロ5千円超の高値圏で推移している。
水産庁と水産研究・教育機構は、同機構が実施するサケ・マスふ化放流事業の方向性について昨年6月から協議してきた関係者による検討会の報告を取りまとめ、3月31日に公表した。当面現状の放流施設・体制を維持し、新たな外部資金を含め財源確保の検討を提言している。
世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、輸入魚にも影響が出始めている。特に北米や欧州では深刻な状況が続いており、今のところ終息の見込みが立たず、通常の運用に戻るのに年内中は厳しい見方が強くなっている。国内の業界関係者の中には、輸入依存度の高い品目は短期的には「国産魚回帰」「地産地消」となるとの見通しも現れている。