岩手大学人文社会科学部の田中隆充教授は、水産加工品の容器製造を支援するスマートフォン用アプリを開発した。高級感のある化粧品容器の金型を2次利用する取り組みで、製品ラベルのデザインなどがシミュレーション可能。加工業者の利益率向上を目指す。
水産資源の先行きが不安視される中、国は水産物の安定生産・供給に向け、昨年7月に「養殖業成長産業化総合戦略」を策定した。漁業現場では後進の北海道、岩手県でもサケ・マス類の海面養殖試験などに乗り出す動きが相次いでいる。海洋環境の変化などを見据え、回遊資源の変動に左右されない新たな漁業の確立を目指す「養殖」の取り組みに焦点を当てた。
「今後に不安を抱いても仕方ない。自分たちの手で現状を打開する」。大樹漁協の若手漁業者で構成する大樹サクラマス養殖事業化研究会は、冬季の水揚げを目指したサクラマスの養殖実証試験に挑んでいる。ここ数年主力の秋サケ定置が振るわず、漁家経営の先行きに影を落とし、新たな漁業を切り開くことで活気に満ちた浜を取り戻す。
平成以降最低だった2017年と同程度の来遊不振となった昨年(20年)の北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、4年魚で回帰した16年級は日本海区とオホーツク海区を除き不漁年級の模様。17年級も3年魚での回帰水準は日本海区を除き総じて高くはなく、来期も低来遊の継続が懸念される。
松前さくら漁協のサザエ潜水漁は、松前小島沿岸を漁場とし約10年の禁漁を経て2018年に再開。漁獲許容量を設定するなど資源保護を徹底して操業する。渡島地区水産技術普及指導所松前支所によると漁獲個体は6歳が主体で平均9~10センチサイズ。道内唯一の水揚げで日本の北限という。
市場・水産卸をイメチェン! 札幌市中央卸売市場の荷受・髙橋水産(株)(髙橋清一郎社長)は、女性を中心に若手社員らで「イメチェンプロジェクトチーム(PT)」を立ち上げ、写真共有アプリ・インスタグラムを活用した情報発信に臨んでいる。市場に入荷した旬魚や食べ方をはじめ、社員の趣味なども投稿。「皆で楽しめ、それが外にも伝われば」と、社内コミュニケーションの活性化も意識し、今後もさまざまな活動を展開していく考えだ。
サンマや秋サケなどの水揚げ不振や魚食離れ。流通現場を取り巻く状況は厳しさを増すばかりだが、「仲卸の見える化」をコンセプトに反転攻勢に挑むのが札幌市中央卸売市場の大手仲卸・一鱗共同水産(株)だ。SNS(会員制交流サイト)を駆使した広報活動や異業種との連携などを切り口に活路を見いだす。
オホーツク沿岸の昨年実績(12月15日時点の速報)は、前年比3%増32万7929トン。宗谷、猿払村、常呂の3単協が4万トン超え。最高は4万7千トンを突破した常呂で、組合史上最高水揚げとなった。昨年は全域的に歩留まりが伸びず、自然発生貝も増えたことから小型傾向。浜値はコロナ禍が追い打ちを掛け弱含みの展開となった。
食品工場の冷却・空調設備などを手掛けるフードテクノエンジニアリング㈱は本社を移転、拡張した。「若い世代がオンリーワンの技術を目指し、夢を持って仕事のできる会社にしたい」という野田憲司社長の思いが詰まった新社屋で、真新しく、一際目につく外観は地域の新たなシンボルにもなりそうだ。周辺には食材成分の研究施設、若い社員の技術向上を目的とする研修施設もあり、佃の町から全国、そして世界に向けて技術力の結集を放っていく。
水揚げの浮動が大きい回遊魚頼みの漁業からの転換を模索する北海道日本海沿岸。後志管内や桧山管内では漁業者らが行政などと連携、今後の浜を支える増養殖事業の実現を目指している。
商業捕鯨の再開に伴って水揚げの中心になったニタリクジラが、ミンククジラの人気を追い越しつつある。一方で北海道では依然としてミンクの引き合いが根強い。調査捕鯨の頃、生体研究の副産物として、主にミンクやイワシクジラが販売されていた名残でもあるが、捕鯨国内大手の共同船舶(株)はニタリの需要底上げに注力。特に北海道で普及させたいと力を込める。