北海道の秋サケ定置は10月下旬も伸び悩んで5万トン割れが確定的な様相で11月漁に入った。日本海とともに今季健闘を見せたオホーツク西部地区も10月中盤には下火傾向となったものの、昨年比5割増と久しぶりの好漁。定置業者は最終盤のメジカの来遊に注目している。
十勝管内のシシャモは総体的に群れが薄く、水揚げは苦戦を強いられている。十勝総合振興局のまとめによると10月25日現在の管内合計の数量は前年同期比38%減の93トンと低迷。薄漁を映し、浜値は主体の大サイズでキロ2千円台まで上昇。キロ平均単価は87%高の1817円に付き、金額(税込み)を15%増の1億6876万円に押し上げている。
岩手県の2020年度アワビ漁が1日、解禁された。第1期(11月分)の上場(出荷予定)は137.8トン。事前入札の結果、10キロ当たりの平均単価は10万5464円と前年同期比22.7%下落した。需要国の香港で主力の干鮑(かんぽう)在庫が積み上がり、引き合いが弱い。不安定な政治情勢にコロナ禍が重なったことが背景にあるようだ。資源の減少も深刻な課題で、一部海域では今季も口開けを見送って回復を優先させる。
コロナ禍の影響で末端消費に不安を抱えながらスタートした今季のホタテ消流。春先の巣ごもり需要に伴う量販店での販売と、テイクアウトを始めた回転ずしの消化が順調で、他の外食産業が低調ながら消費回復に向け前進している。しかし秋口からは原貝の歩留まり低下が著しく5S~6Sが増産、4Sを含む大型のフリー在庫はほぼ払底状態。輸出が期待薄の中、小型アソートの消化が今後の焦点となる。
三陸のホタテ養殖が苦境に立たされている。宮城、岩手両県の生産海域は近年、長期にわたり規制値を超えるまひ性貝毒が検出され、主力の活貝が安定出荷できない状況が続く。両県は出荷基準の緩和で打開を図るが、今季は新型コロナウイルスの影響も直撃。飲食店の休業による需要の落ち込みで浜値は3割下がった。出荷形態は生玉や玉冷にシフト。販売戦略の見直しを迫られる加工業者も苦悩の日々を送る。
青森県漁連は2020年度の最終水揚量を前年度比20%減7万5千トンと試算している。来年1~3月の成貝出荷は4千トン前後の見込み。最終金額は減産に加え半成貝、成貝の単価安も響き税込みで約3割減の90億円前後とみている。
留萌管内で生産した今年の稚貝は、4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)合わせ前年比13%増の10 億8300万粒。来春はさらに微増となる見通し。一方、韓国向け活輸出は8割増と堅調に推移している。
噴火湾では水揚げ最盛期と新型コロナウイルスの感染拡大が重なったことから、中国向け冷凍両貝が停滞しボイル主体の製造に切り替わったものの、巣ごもり需要が追い風となり、売り場を縮小していた量販店の販売が好転した。今後は鍋商戦を迎える年末年始の消化に期待が掛かる。
宮城県は、石巻市渡波の県水産技術総合センターに閉鎖循環式陸上養殖研究施設を整備する。サンマや秋サケなど主力となる冷水性魚類の水揚げが不調の中、加工原料の確保は喫緊の課題。温暖化による急激な魚種変動に対応しながら、栽培事業の高度化や新たな原料供給につなげたい考えだ。2023年度の運用開始を目指す。
トラウトの養殖・加工事業を専門に行ってきたチリのカレタベイ社は、昨期からギンザケの養殖も開始し、製品ラインアップを拡充している。トラウトでは330年以上の歴史があり、日本への年間の仕向量はトップ規模。この実績と信頼を背景に、新商材となるチリギンでも日本市場への流通促進、定着を図っていく。