東京都の冷凍食品メーカー・株式会社カラミノフーズ(佐藤淳一社長、電話03・6302・0105)は、自社でレシピ開発した世界の料理を全国の製造業者に製造委託し、商品化するノンファクトリーメーカー。主に生協などの宅配・通販向けに販売し、近年の冷食需要増大で業績が急伸長している。ただ、9割以上が肉料理で、魚料理の充実に向け、原料供給、委託製造業者を探している。
「目指すのはベンチャー」。そんな創業間もない成長途上の企業のようなビジョンを掲げるのが鵡川漁協だ。2020年度の販売取扱高が約4億円と北海道内では小規模な漁協だが、昨年9月に開設した鮮魚直営店の売り上げが好調に推移。ホタテの資源造成にも打って出るなど、組合事業の付加価値化と漁業者の所得向上を実現しようと、知恵と行動力を結集している。
北海道にはコンブなど有用な海藻資源が豊富に存在し、含有する色素成分の違いによって褐藻、緑藻、紅藻に分類される。道立工業技術センターの木下康宣研究主査は、それぞれが有する特徴的な成分組成に着目、栄養バランスを意識して摂取する「緑黄色海藻」という新たな利用概念を次のように提案する。
熊本大学、水産卸業者の株式会社ジャパンシーフーズ、理化学機器メーカー柴田科学株式会社はアニサキスを高電圧で殺す機器の実用化に向けて研究を進めている。アニサキスによる食中毒が増える中、身質への影響が少ない殺虫方法で、水産業界から注目されている。昨年11月に東京都で開かれた「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」では殺虫後刺身にしたアジの試食を実施。来場者から「生鮮と同じ味」と高評価を得た。
北海道産カキの今季生産量は、むき身、殻付きともにほぼ例年並み。むき身は量販店中心に順調な荷動きで、殻付きも新型コロナウイルス禍の収束を機に飲食店需要が増えつつある。浜値はともに昨年並みかやや高値に振れる場面もあるが「下がることなく、まずまずの価格帯」(湧別漁協市場)で推移している。
水産加工の株式会社ケーエスフーズ(宮城県南三陸町、西條盛美社長、電話0226・46・8111)はウニ、ナマコの陸上養殖(蓄養)事業に着手した。地元漁業者が磯焼け対策で間引きした痩せウニを買い取り、歩留まりをアップさせて出荷するとともに放流用稚ナマコの育成なども手掛ける計画。先進的なIoT(モノのインターネット)技術を取り入れ、作業効率化や安定生産を実現しながら地域の漁業振興に貢献していく。
北海道の秋サケは約4万8千トンと、3年連続の5万トン割れとなった。親、卵ともヒネ在庫の払底下、凶漁と競合する輸入鮭鱒の高値相場などで全道のキロ平均単価(11月末現在)は前年比2割高の788円に上昇し、水揚金額は3年ぶりに400億円を超えた。ただ、えりも以西を中心に特に太平洋側の来遊低迷が続き、浜間格差が一層深刻化。一方、消流は三陸の不振も相まって国産の品不足感が強まっているものの、価格上昇による消費鈍化や輸入鮭鱒の動向次第で停滞も懸念される。
マルハニチロ株式会社の池見賢社長は2日、東京・豊洲の本社で年末会見を行い、今年度の振り返りや中期経営計画の進ちょく状況、来年度の見通しについて語った。食品事業は想定以上に順調に推移するも、養殖や海外巻網事業に課題が残り、収支改善に向け立て直しが必要との認識を示した。来年度から始まる新中計では「企業価値をより高める」とし、現在策定中であることも明らかにした。
網走市の有限会社マリン北海道(下山大輔社長、電話0152・43・8536)は、網走湖産ヤマトシジミの販売拡大に力を入れている。活出荷、冷凍販売に加え、レトルト加工の常温品や電子レンジ調理の米飯商品を展開。売り場を構える地元道の駅では農水省の地理的表示(GI)保護制度登録もアピールし、訴求に臨んでいる。
ベニズワイガニの加工・販売を中心に事業を展開する株式会社北前水産(江差町、松田親社長)が業容を拡大している。従来はグループ会社である松田漁業部(松田正躬代表)が江差港で水揚げしたベニズワイを商品化していたが、今年9月以降は小樽港に荷揚げされたベニズワイも別の漁業会社から仕入れており、取扱量を伸ばしている。