根室・花咲港を拠点とするサンマ棒受網漁は、低調だった昨年と同水準の水揚げが続いている。9月下旬以降は日量100トン超えも散見され、ハシリより上向いたものの、漁業者や地元の買受人は「水揚げが増えている実感はなく、厳しい状況には変わりない」と一様に不安を口にする。組成は小ぶりで100グラムが目立ち、地元の加工会社は「小サイズが多く、本州送りにも苦労している」と強調。10月中旬以降での水揚げ挽回と組成の大型化に望みを託す。
全漁連(坂本雅信会長)は13日、漁済連、共水連との共催で、東京・千代田区平河町の全国都市会館で緊急漁業代表者集会を開いた。福島第一原発事故に伴う多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)放出に対する対策や水産予算概算要求の満額確保など、国内漁業の将来展望を切り開く政策の実現を求めた。全国から150人を超える漁業者代表が参加し、水産政策に携わる自民党ら国会議員も出席するなか、結束を強めた。
小平産ホタテの商品開発、販路拡大に向け、新星マリン漁協臼谷地区帆立養殖部会の有志が「うすはまフーズ株式会社」(岸良斉社長)を立ち上げ6次化に取り組み始めた。ベビー貝の「レンチンホタテ貝」や3年貝の「味付ほたて貝柱」を主力に独自の凍結製法で商品化。食品ロス軽減を念頭に食べ切りサイズで販売開始した。岸良社長は「居酒屋チェーンなど業務筋の販路拡大も視野に対応したい」と意欲を示す。
北海道の秋サケ定置は10月13日で6万トンを超え、大幅回復で3年連続の増産となった。10月の中旬に入っても失速した昨年に比べ持続しており、2016年以来6年ぶりの7万トン台も見えてきた。出足から順調だった日本海、オホーツクの西部や中部に加え、オホーツク・東部の斜網地区も9月後半からまとまり、全道連日2千トン以上の盛漁水準に貢献。19年来の低迷傾向から脱し、終盤の伸びに期待をかけている。
利尻漁協の天然コンブ採取が終漁した。最盛期に海況や天候に恵まれず旗採取はわずかな日数にとどまったほか、繁茂状況も地区でばらつきがあり、同漁協全体で昨年実績(170トン)を下回る減産の見通し。
噴火湾の加工貝(2年貝)出荷は、いぶり噴火湾漁協伊達支所の「早出し」が3日に始まった。序盤は1軒で日産3トン余りの水揚げ。初日は前年比41%高のキロ350円と堅調な滑り出し。13日は2軒で日産6トン半に増えている。
利尻漁協のウニ採りは、8月末で終漁したバフンが前年を3割強上回る金額実績に伸ばした。ホソメ(1年コンブ)の繁茂が厚く採取しにくい操業環境にあったものの、身入りは良く若干の増産。浜値も高く推移した。船外機船で操業。むき身をざるに乗せて出荷する。同漁協全体で数量は前年比7%増の34トン、金額は33%増の9億1438万円、キロ平均単価は24%高の2万7062円だった。
来年創業110年を迎える帯広地方卸売市場株式会社。今年2月には代表取締役社長に専務取締役の髙嶋昌宏氏が就任するなど新体制が始動した。4年前に開設した東京事業所を核にした新規販路の開拓、プライベートブランド(PB)商品の拡充、直営総菜店の開設なども実施。市場流通の変化を踏まえ経営体質の革新・強化に臨んでいく。
東京都文京区の鮮魚店・すなお水産と北海道標津町の漁師団体・標津波心会が試行錯誤の末に送り出した神経じめのブリ「砲弾鰤(商標登録済み)」が、同店の顧客に衝撃を与えている。見ただけで身質の高さが分かるほどだ。これまでにも宣伝されてきた同会の商品だったために常連客らの期待は高く、注文が相次いでいる。
宮城県産生食用むき身カキの出荷が11日、始まった。県漁協石巻総合支所で開かれた初入札会には前年同期比22%減の10.49トンが上場。10キロ当たり平均単価は同28%高の2万8800円、最高値は3万6千円だった。全体的に小ぶりながら、懸念された卵持ちはほとんど見られなかった。