トレーラ、トラックボデーを製造販売する日本トレクス(愛知県豊川市、高崎文弘社長)は冷凍冷蔵に対応した「スワップ冷凍バンボデー」を開発した。スワップボデーは取り外して他のトラック(キャリア)に付け替えられるボデー(荷台)。庫内温度はマイナス25度まで対応している。同製品は、政府が来年4月から働き方改革関連法で運転業務に時間外労働の上限規制を適用することでドライバー不足が加速し、物流に支障を来す「物流の2024年問題」に着眼点を置いている。同問題にはドライバーが荷物の積み下ろしのために待機する荷待ち時間、車中泊や宿泊を伴う長時間拘束などが背景にある。そのため、スワップボデーはドライバーが中継拠点で復路便の荷台に付け替える方法で長時間労働の解決につなげる。
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市、阿部勝太代表理事、電話0225・98・7071)など3者は、天然由来成分を売りにする自然派化粧品「KAISO」を共同開発した。ソープとハンドクリームの2品。磯焼け対策の役目を終えたコンブを有効活用した。未利用資源を付加価値の高い原材料に転換し、藻場再生活動に役立てるとともに循環型社会の実現にも貢献する。
宮城県漁協は、県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季入札を12月2日に開始する。高水温の影響で生産が停滞し、最も遅い初入札会となるが、海況は回復傾向。国内最大産地の九州・有明海産の大不作で、昨季の国内総販売数は54年ぶりに50億枚を割り込み、メーカーが製品の値上げに踏み切るなど影響が出た。宮城産はコンビニのおにぎり用として引き合いが強まっている。今季の販売目標は前季実績比2割増の4億枚。優等級をそろえて高単価も狙う。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁した。道まき網漁業協会のまとめによると、主力のマイワシはキロ平均単価が昨年比36%高の60円に高騰し金額は同53%増の149億9555万円に伸長、32年ぶりに100億円を超えた。漁期を通し小型組成だったものの数量も同11%増の24万9771トンに伸ばした。
釧路海域(白糠漁協、釧路3単協)のシシャモ漁は、10月24日に白糠が先行してスタート、魚体が大きいものの水揚げは昨年を下回る出足となった。漁場が陸側に偏重、1隻当たりの日量(箱数)は1桁が多く、混獲のガンズが大量に入網し網揚げに苦慮。27日以降はシケも続いた。漁獲ノルマ減枠の操業下、浜値も高騰した昨年を大きく下回る苦しい展開となっている。
オホーツク海沿岸の10月末水揚量は、漁場造成を合わせ29万9775トン、達成率98%となった。北部の宗谷管内は前年同期比1割減、南部のオホーツク管内は7%増、合計は横ばいの30万トンに迫っている。5単協が3万トン以上を水揚げし、常呂が4万3500トンと唯一4万トン超え。浜値は歩留まり、アソートが低下しキロ100円台中盤と弱含みの傾向にある。
函館市は、水揚げ低迷が続く天然コンブの資源回復に向け漁場整備に取り組んでいる。繁茂不良を招く一因でもあるウニの移殖をはじめ、高圧洗浄機を用いた岩盤清掃、自然石の投入などを市内各浜で実施。来年6月ごろをめどに潜水調査を行い状況を確認する。
北海道の水産加工業者がスクラムを組んだ「一般社団法人北海道食のブランド推進協議会」(理事長・高橋誠有限会社タカハシ食品社長)は、「北海道たべものがたり」の統一ブランドで北海道の食文化を発信、販路拡大を進めている。各社の特長を生かし、単独では困難だった新たな売り場の獲得など相乗効果も創出。水産品を中心に道産食品の認知向上、需要発掘に挑んでいる。
昨年の8万トン近くから一転し、5万トン台の不漁が見えてきた北海道の秋サケ定置。減産模様を受け、浜値は10月2週目以降上昇したものの、大半の浜が補え切れず、特にえりも以西や終漁漁場も出ている日本海などは落ち込みが大きく、定置経営を直撃。漁期前予測から復調が期待された根室海峡も河川そ上は順調に推移している一方、沿岸漁獲は10月で挽回までの伸びがなく、長引く不振から脱せない様相で終盤を迎えている。
水産物の消費拡大に向けた官民の取り組みを推進するため、水産庁が定めた「さかなの日」制定から1周年を迎えた。2年目に入り、さらに活動を飛躍させるため、「さかなの日」応援隊の任命や魚料理の輪を広げる「#さかな料理部」を創設した。イベントなどで情報発信を強化するとともに、企業ら賛同メンバーでもフェアやイベントなどのさまざまな取り組みを展開し、水産物の消費拡大を推進する。