鹿部町の株式会社丸鮮道場水産(道場登志男社長、電話01372・7・2523)は、ロシア産の輸入冷凍卵を使用し、従来前浜産の生卵で手掛ける自社の味・食感を追求したたらこ・めんたいこを開発した。輸入冷凍卵の商品は初。原料を厳選し、試行錯誤を重ねて作り上げた。3月からネット販売を始め、百貨店のギフトなどにも売り込んでいる。
宮城県漁協(寺沢春彦組合長)の通常総代会が6月30日、石巻市で開かれ、当期剰余金2億807万円(前年度比9442万円増)を計上した2021年度決算を承認した。黒字は10期連続。22年度事業計画などの議案も可決したほか、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に「断固反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議を採択した。
宮城県漁協石巻湾支所(髙橋文生運営委員長)は、管内で獲れる天然アサリ資源の保護、増大を目指している。東日本大震災で被災し、新たに造成された石巻市の万石浦の干潟で5年前から漁を再開。漁期や漁獲上限、採取サイズを定め、今季は10トンを水揚げした。環境の変化を逆手に取った干潟拡大計画が進行中。水揚量を増やし、ブランド力強化につなげる。
えりも漁協の春定置は不漁の昨年を上回り、例年並みの水揚量を確保している。4日現在の水揚額は前年同期比約2.3倍の1億7千万円。トキサケ、サクラマスの増産が後押し。終盤はニシンやカレイが主体の漁況を示している。
海外マーケットの大幅な需要回復に伴い、昨年から継続する輸出主導のホタテ玉冷。米国の減産や物価高、円安相場が大きく影響し海外需要がけん引する形で新物シーズンに突入した。製品価格は3Sの産地蔵前がキロ3千円台中盤から強含みの展開。このため国内消費は下降の一途をたどっている。量販店に加え、コロナ禍の収束感から動き始めた外食産業の引き合いも消極的。円安進行で「輸出主体やむなし」との見方はあるものの、消費地からは冷静な価格設定を望む声が強まっている。
加工貝の水揚げが一定程度回復した2021年度シーズンの噴火湾は、中国向けの冷凍両貝需要が昨年以上に強まった。このため最盛期の浜値はキロ300円台と堅調に推移。産地では両貝主体の加工にシフトし、ボイル生産は昨年より4割減の4千トン台とみられる。
21年度の原貝水揚量は前年度比18%増の5万6700トン。3季連続で増加した。浜値はキロ200円台で始まり、終盤は300円台に上昇。産地加工業者は「序盤から中国の引き合いが強く、中堅各社はボイル生産を減らし両貝主体にシフトした」と説明。コンテナ不足や中国・大連港のクローズで一時的に止まる場面もあったが、引き合いは最後まで続いた。
輸出主導の相場高で始まった今年の内販は、コロナ禍による「巣ごもり需要」が続きながらも、量販店では売価設定を上げざるを得ない現状に苦慮している。新物の取扱量を抑えながら、すし種や刺身商材で提案。品ぞろえとして確保するが、品質重視の観点から生玉を強化、メニュー提案型の訴求に力を入れる。札幌、首都圏の消費動向、今後の展開を聞いた。
留萌管内(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で生産した今年の稚貝は、前年比28%増の12億5940万粒となった。近年では最高水準。昨年のような成長不良には至らず、契約粒数が増加したこともあり伸長した。一方、昨年の韓国向け活輸出は前年並みの5414トン。今年も堅調に推移している。
2022年度の半成貝について、青森県漁連では昨年並みの水揚げを想定している。6月末で終漁したが、ネットの付着物が多く水揚げペースが遅れた漁協もあり7月も継続する見通し。これらを合わせた累計は5万5千トン程度となる見通しだ。浜値は初回入札から堅調に推移、最終5回目に200円を突破した。今後のベビー製品の消費動向が注目される。
釧路管内のさお前コンブ漁が終漁した。今季は浜中漁協が流氷被害の影響で採取を断念したものの、操業した釧路市東部、昆布森、厚岸、散布の4漁協はそれぞれの計画日数を消化。成コンブは1日、釧路市東部漁協を皮切りに解禁となり、今後各浜順次開始する。