コロナ禍で業務筋中心に昆布消費が冷え込む中、催事関係も試飲・試食の禁止や開催自体が中止になるなど販売に苦慮している。各物産展を回る昆布業者は「味をイメージしやすい」新商品や割安なだし昆布を提案するなどして訴求。また、卸やオンライン販売も強化し催事の売上減少をカバー、販売戦略を練り直し奮闘している。
(株)帝国データバンク釧路支店が集計した釧路・根室管内の漁業・水産会社の2019年度売上高ランキングは、釧路市の㈱マルサ笹谷商店が10年連続のトップとなった。上位100社の売上高合計は前年度比5.5%減の1962億2600万円。秋サケ・サンマの記録的不漁で原魚確保に苦慮し、半数以上の企業が前期比減収となった。
岩手大学理工学部の三好扶教授らの研究グループが取り組んできた「缶詰製造工程の定量充填(じゅうてん)作業用ロボットシステム」が、内閣府による「新技術の活用による新たな日常の構築に向けて」にリストアップされた。ロボットシステムによる作業代替や支援を行い、省人化や自動化を図るもので、2022年4月の実用化を目指している。国としても、新型コロナウイルスを契機として明らかとなった社会課題を解決するため、新たな技術革新へと発展させたいとしている。
標津町の(株)北海永徳(永田雄司社長、電話0153・82・3963)は今季の秋サケ商戦で、標津町など4市町の「『鮭の聖地』の物語~根室海峡一万年の道程~」の日本遺産認定と連動した商品展開に取り組んでいる。専用シールを作製し生筋子の出荷時に同梱したほか、いくら商品に貼付。食文化、歴史などサケを基盤とした地域の魅力発信に一役買っている。
岩手県の大船渡市魚市場に14日、今季最多となるサンマ743トンが水揚げされた。三陸沖が前日からしけとなり、翌日が日曜日でほとんどの魚市場が休みのため、漁場から比較的近い大船渡に水揚げした船が多かったとみられる。記録的不漁だった昨年同期の9割程度まで回復したが、依然厳しい漁模様が続く。
宮城県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会が19日、県漁協塩釜総合支所・乾のり集出荷所であった。2166万枚が上場され、100枚当たりの平均単価は1343円。新型コロナウイルスによる需要低迷などを受け、昨季を293円(18%)下回ったが高値を維持した。生育はおおむね順調。来年2~3月に出荷の最盛期を迎え、4年ぶりとなる4億枚超えを目指す。
釧路管内(白糠漁協、釧路3単協)のシシャモは、他海域も含めた低調な漁模様を背景に浜値が高騰、金額を押し上げている。キロ平均単価(税込み)は2千円台後半で推移。白糠漁協は12日現在7回操業し累計金額が昨年実績を超えた。ただ昨年同様に群れは薄く、着業者は「資源的に来年も心配」と表情を曇らす。
北海道沿岸のスルメイカ漁は不漁だった昨年を下回る水準で推移している。漁業情報サービスセンターのまとめによると、道内主要市場(26カ所)の10月末現在の数量は前年同期比26%減の2466トンと低調。キロ平均単価は10%安の622円。
標津漁協のけた引が3日に再開した。日産平均100トンと順調な水揚げ。12月末までに1500トンを計画するが、これを大幅に上回るペース。今年は過去最高の8千トン超えが期待される中、ナギ次第では9千トンに届く可能性も出てきた。
「都こんぶ」をはじめ各種菓子昆布を製造販売する中野物産(株)(大阪府堺市、中野盛正社長、電話072・241・9505)はこのほど、道産昆布を使った「そこそこソフトなおやつこんぶ」を発売した。適度に軟らかい食感が特長で、昆布と相性の良いかつお風味を加えた味わい。全国のコンビニやスーパーなどで購入できる。