えりも漁協所属の「第六十八栄徳丸」(アルミ、9.7トン、菊地光秋船主)がこのほど竣工した。船上での作業性を重視したほか、活魚水槽も設置し活出荷による漁獲物の付加価値向上にも取り組む。船主の息子で現在35歳の菊地一成船頭は「18歳で漁師になったときから、いずれ自分の船を持ちたいと思っていた」と話し、待望の新造船を喜ぶ。7~9月の夏場はコンブ漁に着業しているため、10月からのマダラ刺網で初陣を飾る。
田老町漁協(小林組合長・岩手県宮古市)の磯焼け対策試験の経過が良好だ。「大アンカー」方式では、2月に促成コンブを付けて張り込んだロープとその下の岩盤に天然コンブが高密度に着生、繁茂した。コンブ群落を再生しアワビの餌にする狙いで、3手法でチャレンジ。10月ごろに検証して最も効果の高い手法を選定し、来年度に7カ所の地先に広げ実証試験する計画だ。
ウニやアワビ、コンブ漁などに欠かせない「箱眼鏡」。専門に手掛ける函館市の中谷製作所(電話0138・46・3828)が2018年に本格発売した「よけとるくん」は、淡水層で生じる「もや」の影響を受けることなく、良好な視界を確保できる。導入した漁業者は漁獲量の増大や操業効率の向上を実現。それだけにほとんどが「極秘」使用。経営革新の「ひみつ道具」で浜に普及が進んでいる。
函館市の株式会社魚長食品(柳沢政人社長、電話0138・26・1811)は、山漬け切り身や荒ほぐしなどを手掛けてきた秋サケ商品の拡充に乗り出した。スモークサーモンを新アイテムに加え、高級スーパーなどの販路開拓を進めている。
いぶり噴火湾漁協の採苗作業が先週末でほぼ終了した。稚貝の成長は順調で必要数量を十分に確保。型が良く、ふるいの通しサイズは終盤で1分3厘。事前の調査段階では成長に不安もあったが7月に入り急成長。ナギ数も使えたことから例年より早い作業ペースとなった。
近畿昆布協会(前野晶隆会長、会員数43)は17日、大阪市内のホテルで通常総会を開き、同日付けで解散することを決定、約60年の歴史に幕を下ろした。毎月開催していた商談会は日本昆布協会が引き継ぐ。
えさん漁協の養殖コンブは、ミツイシの実入りが良く、目立った付着物もないまま水揚げを終えた。尻岸内地区では複数の着業者が「過去最高の出来」と話す。促成(マコンブ)は「例年に比べて実入りが良くない」と各地区部会長は口をそろえるが、ハシリに比べると少しずつ向上。水揚げは順調に進んでいる。
岩内町の町議会議員有志6人は一昨年からアワビの陸上養殖に取り組んでいる。熊石から稚アワビを購入、岩内の海洋深層水と天然コンブで育てている。初回搬入分の半数がへい死するなど養殖技術確立に向け試行錯誤するが、無事成長したアワビは早ければ今秋の地元イベントで販売する計画。観光客らを呼び込み「アワビで町おこし」を目指す。
新物商戦を迎えた玉冷の消流状況は、キロ2000円台の相場高で序盤から出遅れた。消費地は4Sキロ1800円相場に期待し当用買いの状態。一方割安感が生じている陸奥湾産ベビーは量販店の売り場を席巻する勢い。新貝も大型で2000円割れの玉冷製品が出回りつつある。オホーツク産玉冷の消費停滞は否めず、内販消化の拡大を危ぶむ声が聞かれ始めた。
小樽市の株式会社丸本本間食品(齋藤久美子社長、電話0134・62・5155)は、たらこの新規商品の開発に挑戦している。常温販売の煮こごりとマヨネーズソースを新たに創出。主力商品の塩たらこ・めんたいこを基盤に、冷凍販売中心から常温販売への拡充で、新たな販路獲得に臨んでいる。