野辺地町漁協のトゲクリガニは、小型かつ薄漁のまま終盤を迎えた。1軒当たりメスで日量15キロ程度と苦戦。漁獲規定外の個体も多く出荷量が伸び悩んだ。一方、浜値は薄漁を映し高値キロ3千円台前半と、昨年より2割高で推移した。
創業77年に上る札幌市の削り節製造販売業・有限会社富樫政雄商店(富樫悠平社長、電話011・831・6681)はコロナ禍を契機に卸専門から業容を広げ、小売りで消費者にだしの訴求に挑んでいる。昨年9月には工場1階に店舗スペースを開設。若年層にもアプローチを狙ったパッケージと併せて商品開発に専心努力。世界に誇るだし文化の継承、食産業発展の下支えを見据えている。
函館市水産物地方卸売市場の仲卸・有限会社川原水産(岩館拓社長、電話0138・27・5125)は、魚食普及活動「プラスさかなプロジェクト」で水産物の魅力を発信している。昨年夏に市内観光エリアの西部地区に函館近海の魚を題材にしたグッズの直売店舗を開業。水産素材のフードを提供するカフェも併設し、観光客や地域住民にアプローチ。見て・食べて・使っての拠点設置で「さかなから生活を+(たし)なむ」コンセプトで取り組む事業展開の深化を追求していく。
斜里第一、ウトロ両漁協の春定置は大型連休明けに水揚げが本格化し、サクラマスは小ぶりで乗網尾数も大獲れの漁場があった昨年に比べて盛り上がりに欠ける滑り出し。トキサケもまだ少なく、今後の伸びに期待がかかっている。
広尾漁協が十勝港内で取り組むエゾバフンウニのかご養殖実証試験は、2月に殻付き約4千個を初出荷した。今年度で5年目を迎え、5月下旬には音調津地区のウニ種苗生産施設で生産した稚ウニ約3万個を投入する。
根室湾中部漁協の養殖カキは春の水揚げ・出荷が始まった。身入りは順調なものの養殖施設を垂下する温根沼ではへい死が発生。中谷孝二かき部会長は「現段階で3分の1程度がへい死した。もう少し増えそう」と状況を注視している。
歯舞漁協は14日、前浜(太平洋側)でコンブの生育・繁茂状況を調べる資源調査を実施した。浅場など流氷被害が確認された場所もあったが、総体的には大減産に見舞われた昨年に比べ着生状況は良く、実入りなど今後の生育促進が期待される。
青森県漁連がまとめた2025年度の全体計画数量は、前年度実績比34%減の2万トンとなった。昨年の高水温に伴う成育不良やへい死の影響。3万トン割れの水揚げとなれば1981年度の約2万5千トン以来。主力の半成貝は31%減1万5千トンを計画している。成貝は38%減5千トン計画で、内訳はかごが23%増2千トン、耳づりが55%減2900トン、地まきが3.2倍100トンを見込んでいる。
日本熱源システム株式会社(東京都新宿区、原田克彦社長)の二酸化炭素(CO2)単一冷媒による冷凍機「スーパーグリーン」が、冷凍冷蔵倉庫、物流センター、食品工場などで導入が進んでいる。かつて主流だった特定フロンR22は全廃、代替フロンも地球温暖化係数が高く段階的な削減が義務づけられる中、CO2など自然冷媒に注目が集まる。その上で省エネ性でも競合品をしのぐシステムとして導入を推進している。
宮城県産乾のり「みちのく寒流のり」の今季入札会が終了し、販売枚数は3億4323万枚(前季比22%増)だった。目標とした4億枚には届かなかったものの、昨季の高水温やシケ被害による減産から一昨年並みに回復した。1枚当たりの平均単価は24円70銭(同9%高)で、昨年に続く全国的な不作傾向で需要が高まる中、高い品質を維持した宮城県産はシーズンを通し高値で推移した。販売総額は84億7802万円(同33%増)で、東日本大震災以降の最高を更新した。