母船式捕鯨の共同船舶株式会社(所英樹社長)は4日、くじらの日(9月4日)に合わせて販促イベントを行った。通常は冷凍流通が主体だが、ノンフローズンのニタリクジラの生肉約2トンを豊洲市場に上場、都内の飲食店や量販店で販売された。また、同社主催のバーベキュー大会も好評を博し、所社長は「くじらの日の販促活動を毎年実施していきたい」と鯨肉普及に意欲を見せる。
道水産林務部は6日、函館漁港や七重浜の函館港第3防波堤、上磯地区地先で「カレニア・ミキモトイ」を原因プランクトンとする赤潮が発生したと発表した。道や函館市漁協、上磯郡漁協によると、7日現在で漁業被害は確認されてない。道総研函館水産試験場の職員が海の変色に着目し、表層水を採取したところ、貝類・魚類の被害発生が懸念される基準を上回るカレニア・ミキモトイを検出した。昨秋道東太平洋などで甚大な漁業被害を与えた「カレニア・セリフォルミス」は確認されていない。函館市漁協は「今のところ赤潮による被害を確認していなが、これからアワビや貝類などに影響があるか気がかり」と話す。台風11号によるシケ後の操業を注視する。
首都圏を中心に鮮魚専門店を18店舗展開する東信水産株式会社は、東京都杉並区にある荻窪総本店を2010年以来12年ぶりにリニューアルし、1日オープンした。調理が見えるガラス張りの「実演厨房」を設置し、実演作業を見てもらうことで魚食への関心の高まりを狙う。アイテムは刺身やすし、鮮魚総菜など即食商品を中心に展開。冷凍魚商品も充実させており、同社店舗では初となる冷凍すし・刺身の販売も実施する。
のれんに「鮨」や「寿司」などの表記がなく、カタカナやアルファベットの店名を持つすし店が東京都内を中心に”カタカナスシ”という新ジャンルで注目されている。一流の技を身につけた職人が握る確かな味と見栄えを両立させた一品を値ごろな価格で提供。精魂込めた一貫をカジュアルな雰囲気で楽しめる「食スポット」として若者や女性などを引きつけている。
沙留漁協青年部(山田煕寿部長、部員22人)は海藻が繁茂してない場所に生息する痩せウニ(エゾバフン)の陸上蓄養に乗り出した。前浜資源の有効活用、磯焼けの抑制を念頭に、コンブを給餌し、身入りを改善。今年は試験段階で、来年から本格的に取り組んでいく。
いぶり噴火湾漁協のウニたも採漁は、序盤からむき身、殻付きとも高値で推移し8月末でほぼ終漁した。主体となるキタムラサキは昨年を下回る数量となったが、金額は2~3割増加。浜値はむき身のエゾバフンがキロ1万9千円前後、キタムラサキが1万3千円前後まで上昇した。
南かやべ漁協大船地区の高谷大喜理事は今年春から、株式会社サン・シャインラグレス(宮崎県、電話0984・37・1906)のフジツボ船底付着防止剤「マリンシールド」を導入した。塗料に混ぜて船底に塗布。「フジツボの付着を抑えることで船速が落ちず燃費向上につながる」と効果に期待を寄せる。マリンシールドは天然素材(天石)を使ったパウダー状の混和剤。イオン効果によりフジツボやイガイの着床を防止、船舶の推進力やスピードが保たれ、燃料費や除去にかかる作業費などの削減につながることが利点。
礼文島・船泊漁協の俵静夫さん(87)は、鎌刈り専門で天然コンブを採取する。海底をのぞいて実入りの良いコンブを選び、根元からきれいに刈り採る。操業後には鎌を欠かさず研ぎ切れ味を維持。「良い水揚げをするには手入れは重要」と強調。若いときから漁具とともに腕にも磨きをかけ、等級比率の高い生産を続けている。
オホーツク海沿岸の8月末水揚量(速報)は、漁場造成を含め前年同期比5%減の21万2370トンとなった。計画達成率73%。猿払村が3万トンを超え宗谷、枝幸、紋別、湧別、常呂が2万トン台。6単協が前年同期を上回っている。日産数量は宗谷、猿払村が400トン前後、紋別、湧別、常呂が300トン前後。歩留まりは12~14%台でピークに達している。組成は大半が3S中心。浜値はキロ200円台、一部300円台を付けている。
小樽市漁協のウニ漁が8月31日で終漁した。今年は数量が落ち込んだものの、引き合いが強く高値市況を形成。終盤の水揚額は昨年同期を約2割上回った。一方で着業者からは「全般的に身入りが芳しくない」「決して資源状況がいいとは言えない。今後に不安もある」などといった資源状況を心配する声も出ている。