ベンチャー企業や大手企業の経営幹部が集うカンファレンス「ICC(インダストリー・コ・クリエーション)サミット KYOTO 2022」のコンテスト2部門で、株式会社北三陸ファクトリー(岩手県洋野町、下苧坪之典社長)が最高賞を獲得した。磯焼けの一因とされる痩せウニの身入り改善と藻場再生を目指す事業が高く評価された。ICCサミットは5~8日、「ともに学び、ともに産業を創る。」をコンセプトに京都市で開催。参加企業がプレゼン方式でビジネスモデルなどを競い、同社は「クラフテッド・カタパルト~豊かなライフスタイルの実現に向けて」と「フード&ドリンクアワード」の2つの賞を受賞した。同社は2018年創業。本州一のウニ水揚量を誇る洋野町にFSSC22000認証取得の工場を構え、海岸線に続く遠浅の平らな岩盤に掘られた溝で育つ4年物を「洋野うに牧場の四年うに」のブランドで販売している。つぼ抜きや殻付き、塩水漬けといった生うに、今回の受賞対象となった通年販売の加工品「UNI&岩手産バタースプレッド」を主力とする。
北斗市で水産資源の増殖や藻場造成のコンサルティング業務などを実施している株式会社銀世は自治体や漁協に対し、沿岸生態系保全事業を導入する際の橋渡し役として情報周知に力を入れている。
ナマコ増殖や藻場造成に取り組む矢口港湾建設ヤグチダイバー株式会社のグループ会社。銀世の對馬大勢ゼネラルマネジャー(GM)は、「矢口港湾建設ヤグチダイバーが磯焼け対策に携わる木古内町の釜谷漁港の事例などを映像に収めたPR用のDVDを製作している」と活動の一端を紹介する。
北海道の秋サケ定置はオス、メスとも全面高でスタートした。特に卵需要のメスは出足から昨年比3~4割高に上昇。サンマが不調下、旬の生鮮需要も絡んでおり、通年商材の価格設定は今後の漁況次第だが、在庫薄、海外産の高騰、低来遊予測など上振れ要素をはらんだ生産環境。売り場堅持、消流安定への適正価格の形成が焦点になる。
岩内郡漁協の太田誠組合長ら有志が取り組むカキ養殖試験の初年度出荷が8月上旬に終え、2年貝2万個を加熱用で同漁協市場に上場した。太田組合長は「数量はまずまず。小ぶりだったカキは3年貝として来年に出荷する」と話す。
サンマ棒受網漁は、本来の漁場から東側にずれた公海で大型船主体の水揚げ。各船1週間から10日に1回の帰港で、100グラム以下の痩せた小型サイズが大半を占める厳しい漁模様。大型船船頭は「群れが薄くあまりにも小さい上に、水温が高いため漁にならない」と頭を抱える。薄漁を映し浜値は高値に振れている。
日高中央漁協のスルメイカ釣り漁は、台風明けの8日、浦河・様似両港に他地区から移動してきた外来船が集まり、浜は荷揚げ作業などで活気に包まれた。同日は発泡200箱以上の好漁に恵まれた船もあった。青森県の着業者は「ある程度の水揚げが続けば1カ月半はここで商売したい」と漁持続を願う。
道漁連は、本年度の道内コンブ生産見込みを1万2060トンとした。8月末時点の集計で、6月末に示した当初見込みから540トン下方修正。過去最低だった昨年度実績(1万2816トン)を5.9%下回り、4年連続で1万2千トン台となる低水準の生産が続く見通し。2012~21年の過去10カ年平均(1万5016トン)と比べると19.7%下回る。
サロマ湖内の養殖は、3単協(常呂、佐呂間、湧別漁協)とも稚貝分散や耳づり、成貝出荷と、各自のペースで作業が進んでいる。稚貝はやや小ぶりだが必要量は確保し本分散をスタート。分散前後に行う耳づりも成育状況は良好だ。成貝出荷は大半がピークを過ぎ終盤を迎えている。
株式会社仙台水産(仙台市若林区、本田誠社長)は7日、仙水グループの提案会「フレッシュ食の祭典2022」を同区卸町の産業見本市会館サンフェスタで開いた。出展メーカー200社は魚介の鮮度やおいしさ、価格などで差別化した商品をバイヤーにPR。他業種とのコラボメニューなども並び、魚食の魅力と可能性を広げた。
宮城県水産技術総合センター(石巻市)は7日、2022年度の県内秋サケ来遊数が6万7千尾になるとの予測を公表した。前年度実績の1.8倍だが、記録的な不漁傾向を踏まえ、予測値を下回る可能性があるとの見通しも示した。