道水産林務部は、2023年度から当面5カ年間の水産業・漁村の振興に関する施策の展開方向を示す「北海道水産業・漁村振興推進計画(第5期)」の計画案を策定した。10年後の32年に漁業生産を150万トン、3122億円にすることを目標に設定。すう勢は100万トン、1921億円と直近の20年を下回る予測値で、生産の回復に加え、資源管理や栽培漁業の取り組み強化、漁業経営体の育成、就業者の確保、水産物の競争力強化などの施策を総合的に進めて増大を図る。
札幌市中央卸売市場は、農水産品の輸出拡大に取り組む市場関係事業者の支援に乗り出している。昨年秋に各種輸出証明書の交付業務を開始。新年度には海外販路の開拓・拡大など輸出事業を対象とした補助金を新設する。価格形成など卸売市場の機能を生かした輸出を促進し、市場流通の増大や事業者の経営安定、産地の振興につなげていく。
道機船連(風無成一会長)が主要魚種・スケソ、ホッケの付加価値向上・消費拡大策で取り組む学校給食製品供給事業の2022年の総供給数は137万7890食となった。コロナ禍に伴う道の支援事業による供給数を除いた通常ベースでは21年(107万2250食)の過去最高を更新した。学校給食製品供給事業は、所属沖底船の主力魚種・スケソ、ホッケの付加価値対策で04年からフライ製品などの開発・販売に着手。08年以降、道内をはじめ関東以北の小・中学校給食向けに本格的に提案・供給を行ってきた。
東京都・豊洲市場のヤリイカ消流は2月に入って高騰していた卸値が崩れ始めた。青森県中心の集荷で形成された大相場が、他県産の入荷が増えたため供給過多に転じた。加えて年明けの飲食店需要は例年通りに引き合いが落ちている。一方、値ごろ感が出てきたことで、量販店が季節商材として販売強化に動き出している。荷受は「卸値は3キロ箱10尾がキロ1500円。1月の約2千円からここ1週間で400~500円ほど落ち込んだ」と相場変動を説明。産地が岩手県、福島県、茨城県、石川県などに広がり、入荷量が増加。また、バラサイズは800~700円で推移している。
北海道の毛ガニは今年、3年ぶりの減産が見込まれる。許容漁獲量が釧路東部海域は昨年より増枠の一方、日高海域は減枠、3月に開幕する主産地・オホーツク海域も約15%減の方向で、千トンを下回る見通し。消流は冷凍品の消化進度が鈍く、中サイズを中心に越年在庫が残存。昨年末の値崩れと併せて、減産下も価格形成は下押し要因を抱えている。
財務省の通関統計によると、2022年の食用干し昆布の輸出数量は前年比2%増の474トンとなった。道東産主体に流通し、輸出数量全体の半数以上を占める主力の台湾は若干減少した。全体数量は2009、10年と2年連続で600トンだったが11年以降は400~500トン台で推移している。キロ平均単価は上昇傾向にあり、22年は前年比4%高の2082円と2年連続で2千円台に達した。
オホーツク海沿岸の2023年ホタテ水揚げ計画は、北部、南部合わせた12単協で前年実績比6%減の30万6300トンとなった。枝幸、佐呂間、常呂、網走、西網走の5単協が前年実績を上回る計画量を設定している。一方、同計画対比でみると6%増、1万6700トンの増加。常呂では前年計画より1万トンほど多く試算している。
いぶり中央漁協のスケソ刺網は1月下旬以降に下火傾向を示しているが、昨年末ごろに水揚げに恵まれるなど昨季を上回る漁模様で推移している。水子や放卵が多くスケ子のピークは過ぎたが、日量が落ちて浜値は上昇し、高値で100円超を付ける日も。加工業者は「最後まで高値が続くのでは」と今後の相場動向を見通す。
宮城県産乾のりの価格が高騰している。九州・有明海産の記録的な不作が伝わる中、1月27日に開かれた直近(今季6回目)の入札会では1枚当たりの平均単価が24円50銭と、初回の約3倍となった。1月下旬の強烈な寒波に伴う強風被害もなく、品質、量ともに順調な生産状況が続く。近年は色落ちなどに苦しんでいたが、今季は高値も影響して2016年度以来となる4億枚超えの見通しが強まっている。
環境意識の高い漁業者を中心とする有志団体「ブルーフォーラム」は4月から大手量販店に鮮魚を供給する。持続的な漁業を目指す同団体の参加者が適正価格で販売できるサプライチェーンの構築を進めている。同団体は漁業者の収入安定化で持続的な漁業の確立を目指している。会員数は2月1日時点で360人ほど。水揚げ金額や資源の減少に対応する独自の流通網を広げるため、団体事務局が複数の企業との交渉を重ねている。その結果、漁協、配送業者、水産会社、ⅠT会社などの協力を得ながら着実に消費者と漁業者との距離を縮めている。