ホヤのビール「海鞘エール」=写真=が好調な売れ行きだ。宮城県南三陸町の㈱ヤマウチ(山内正文社長、電話0226・46・4976)が8月25日に販売開始、同月末までに1000本を超えた。岩手県の地ビールメーカーが製造過程で志津川湾産マボヤの煮汁などを加えて生産。ホヤのように赤く、「ほのかにホヤの味がする」と評判だ。
宮城県は21日、「養殖振興プラン(再生期~発展期)」を策定した。カキ、ホタテなど主要7種目を中心に今後6年間を見据え、震災からの復旧にとどまらず将来にわたり安定的に生産していくため、種目ごとに目指すべき生産体制とそれに必要な取り組み、3年目の目標生産額を具体的に提示した。目標額はカキ、ホヤが現状の2倍近くになるなど全体で3割アップ。ギンザケは活じめ・生食用50%を目指す。
宮城県水産技術総合センター内水面水産試験場は同県の本年度サケ来遊について、158万8000尾と168万1000尾の2本立ての予測を示した。放流尾数と直近5カ年、3カ年の平均回帰率から算出して2本立てにしたが、いずれにしても昨年度実績(208万5000尾)を2割程度下回る。水揚げは4500トン前後の低水準が見込まれることになる。
宮城県から岩手県南部の小型イカ釣りが不漁を極めている。スルメイカの今季水揚げは、石巻市場が17日までわずか44箱、大船渡市場は18日まで前年同期比25%の7.8トン。震災後から不漁が続き昨年が底とみられたが、底割れの様相だ。船は燃油高で漁場探索さえままならないうえ、代替漁種も乏しく、苦境。9月からの「秋イカ」に好転の期待がかかるが、水温が焦点となりそうだ。
高校生に漁業への関心を深めてもらい担い手育成を目指す「北の海人(あま)養成塾」が、岩手県北部で始まり期待が高まっている。月1、2回ペースでワカメのボイル塩蔵やウニむきなどを研修し、漁業を職業の選択肢に加えてもらう狙いだ。
同県県北広域振興局が4月から始めた。県立久慈東高校海洋科学系列の2、3年生約20人が参加し、久慈市漁協が協力。振興局が研修プログラムを考え授業の一環として実施し、同漁協二子生産部が教える。海の近くに住んでいても浜の仕事をしたことのない生徒がほとんどという。
今季の玉冷生産量は、昨季比1割減の2万トン程度に落ち着く見通しだ。価格高騰で生鮮消費が落ち込む中、産地は玉冷生産にシフト。オホーツク海側の大減産でオ海産は減少するが、噴火湾や根室海峡、東北の他産地が増産の見込み。道漁連は繰越在庫を含む本年度の玉冷総供給量を前年度比12%減の約2万2千トンと試算している。
岩手県水産技術センターは4日、同県の秋サケ回帰予報を公表した。511万尾、1万6731トンと予測。昨年度(526万尾、1万7575トン)並みとなり、引き続き震災前を大きく下回る。回帰時期は11月下旬が中心で、昨年度に比べ10月下旬から11月中旬が少ない見通しだ。水揚げは1万6千トン程度が見込まれることになる。
宮城県の種ガキが豊作見込みとなった。7月下旬、松島湾と石巻湾の渡波地区、牡鹿半島方面のいずれも良好な種苗付着となり、これまで厚種傾向。付着原盤の仮殖棚への移動が松島湾に続き石巻湾でも活発化している。例年と同様に暑さや日差しによる死滅リスクはあるが、松島湾で3年ぶりの好付着となったことで、県内外への安定供給が期待される。
サンマ漁は8月中旬から全さんま所属船が出漁し本番を迎える。近年漁場の北偏・沖合化など漁獲動向は不安定だが、秋の味覚を代表する人気の大衆魚。本特集では今季の漁況見通しや消費動向、安定供給に向けた生産者・産地の取り組み、消費地の販売戦略などを紹介する。
岩手県大船渡市、吉浜漁協のウニ漁が好調だ。7月27日まで11回の開口(出漁)でむき身3756キロの出荷となり、昨シーズン実績の3426キロを上回った。6月前半の漁期入り当初から身入り、色とも良好で「1回の出荷は近年にないくらい多く豊漁」となる。