宮城県北部の秋サケが不漁だ。南三陸町市場の水揚げは10月末まで、刺網が前年同期の半分、定置は7割弱。刺網業者は「サケがいない」と口をそろえ、これから盛漁期を迎える定置業者は手応えをつかみかねている。買受人は集荷に頭を痛め、思うように在庫できない。大震災後の稚魚放流が要因との見方がある。
岩手県南部の綾里~新おおつちの7漁協で5日、アワビが初開口(出漁)となった。出荷は合わせて20.121トン(1号品)、昨年の7漁協初回合計を65%上回った。だが、これは昨年初回の採取条件がよくなかった吉浜~新おおつちの5漁協で大きく増えたためで、資源減少が心配された。水温低下による好転も期待された。

凍結から2カ月保管、解凍して作ったサバの刺身。左はブライン凍結で、上がマイナス20度保管、下が同60度保管。右は気流凍結で、上が同20度保管、下が同60度保管。同60度保管は血合い肉が赤く、透明感がある(青森県産業技術センター食品総合研究所提供)
脂乗りのいい青森県八戸方面のサバが周年、刺身で食べられそうだ。寄生虫アニサキスを死滅させるとともに高鮮度で凍結、保存する技術が開発され、この秋にも商品化、試験販売される見通しだ。尾を切って脱血、活じめすることで、いっそうの品質アップも期待される。
スモークサーモンのブランドメーカー・王子サーモン株式会社(本社・東京、佐藤徹社長)は30日、大丸札幌店地下1階に直営店をオープンさせた=写真。百貨店への出店は東京都内で2店舗を展開してきたが、北海道内は初。サンドイッチなども提供し、スモークサーモンの新しい食べ方や調理方法などを発信していく。
1日解禁となった岩手県産アワビの第1期(11月)分入札が10月27、28日、盛岡市の県水産会館で開催された。263.7トン上場、10キロ当たり10万2678円平均、前年同期比117%で落札された。主に香港輸出となる干鮑(かんぽう)の在庫減少が上げ要因とみられる。
気仙沼湾の最奥に位置する鹿折(ししおり)地区は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた。火災も発生し、大型巻網船が打ち上げられた場所としても知られた。個々の力で事業を再開するのは難しいと、震災翌年の夏、有志が集まり立ち上げたのが気仙沼鹿折加工協同組合。現在19社が組合員となっている。
「ふかひれスープ」など付加価値の高い食品生産で知られる気仙沼ほてい株式会社(山本達也社長・宮城県気仙沼市)は15日、本社工場の竣工式を開催した。大震災で被災したため、同市本浜町の鹿折水産加工集積地に新設復旧。缶詰やレトルトパウチ食品の製造ラインを整備し生産能力は震災前と同等、万全な衛生、安全管理態勢を実現した。冷凍加工品などの開発にも力を入れていく。
宮城県石巻市の株式会社ヤマトミ(電話0225・94・7770)は、ことし2月に完成した第2工場に最新の「循環式過熱蒸気ロースター」=写真=を導入し、ふっくらと仕上げたサバの塩焼きとみりん焼きを提供している。
青森県の三沢漁港でスルメイカ水揚げが大きく上向き、これからピークを迎えそうだ。10月はほぼ前沖での漁場形成が続き、ナギが良ければ昼釣り約60隻で7000~9000箱とまとまる。値も安定し、盛漁入りに期待がかかるが、減少したとみられる資源や、巻網船などとの漁場競合が不安要因だ。
宮城県南三陸町の志津川湾で10月、天然採苗、シングルシード(一粒種)養殖の「あまころ牡蠣」が念願の事業化となった。採苗分散で殼長15ミリ以上の約3万5000個を確保し、11人が個人養殖を開始。来年6、7月、未産卵の生食用殻付で出荷を予定、注目される。