岩手県の釣りスルメイカが今季も振るわない。外来船が集まり昼操業する久慈では40隻ほどの水揚げが続くが、2500~3000箱という日が多く、100箱を超える船はわずか。巻網船などとの競合もあり資源が減少したとの指摘がある。価格は高く、中心の25尾で3000円前後。
三陸の秋サケ水揚げが低調な滑り出しだ。9月下旬、いずれも例年まとまりが比較的早い、岩手県久慈市の定置は1日1000~1500尾(3~5トン)ペース、宮城県南三陸町市場の刺網は26~28日で日産5~7トン。ともに昨季のハシリを大幅に下回る。今季は両県とも昨季並みからやや上回る程度の低迷が予測されているだけに懸念が深まる。価格は久慈のメス高値が1000円を超えるなど全般的に高い。
宮城県志津川湾の「あまころ牡蠣」は天然採苗で好付着が確認された。来季計画の10万個生産に向け、早ければ月内にも採苗分散。最大の課題となる安定採苗をクリアする。シングルシード(一粒種)養殖で未産卵の生食向け殻付として付加価値を高めて出荷し、事業化初年の今季は6月に約2万7000個を販売した。
宮城県漁協志津川支所(佐々木憲雄運営委員長)は新事務所を志津川漁港背後の旭ケ浦地区に竣工し、12日に業務を開始、14日に祝賀会を開催した。東日本大震災から5年半後の新設復旧で、長い年月を耐えてきた役職員、組合員にとって念願の施設。6月に新市場が整い、来年早々には製氷施設も完成して「漁業ゾーン」に集約され、同支所は県北部の生産の中核として復興から発展に弾みをつける。
岩手県産養殖干し(本干し)コンブの第2回入札が9日、宮古市の県漁連北部支所で開催された。4281個(1個20キロ中心、79.9トン)上場、長切1等が全量2万4000円を超えるなどほぼ一段高の展開となった。入札は終わり、2回の合計は292トンで昨季(288トン)並み。例年に比べ減産高値となる。
塩竈で揚げかまぼこを製造する株式会社阿部善商店(電話022・364・2155)は、塩竈おでんの缶詰=写真=を製造・販売。ご当地おでんとして、また災害時の非常食として注目されている。
後潟漁協は今年、潜水による天然貝の水揚げを始めた。採取するダイバーは1日最大5人。8月1カ月間で終漁し水揚量は18トン。来年から本格操業に入る。
平成22年の大量へい死がきっかけで、安定した採苗を行うため親貝確保を目的に24年から殻長5センチ程度の稚貝を放流。毎年300万枚約10トンを養殖施設オカ側の水深18~25メートルに放流している。
三沢市漁業協同組合は、神経抜き活じめによる天然ヒラメを、地元の名産品に育てるよう動き出している。さらに、処理したヒラメをプロトン冷凍機を活用して鮮度を保持したまま保管、出荷調整による魚価安定と販路の拡大を可能にする取り組みにも挑戦している。
後潟漁協は今年、潜水による天然貝の水揚げを始めた。採取するダイバーは1日最大5人。8月1カ月間で終漁し水揚量は18トン。来年から本格操業に入る。
8月30日に大船渡市に上陸した台風10号の暴風雨と高波が三陸で養殖を中心に大きな被害を与えた。これから水揚げを迎えるカキが深刻だ。調査や復旧が進み、宮城県の鳴瀬(東松島市)、志津川(南三陸町)両地区で4割の減産が見込まれる。岩手県での被害は釜石市の室浜が8割とみられ甚大。広田湾などにも広がっている。