親魚捕獲場やふ化場などサケ・マスの増殖施設も全道各地で被害が発生している。河川の増水による冠水や破損、土砂や流木の流入・堆積などで、各地区増協は早期復旧に奔走。ただ、十勝釧路、根室、北見などでは河川の水位が下がらず、ウライの冠水などで9月に入っても親魚を捕獲できない施設も出ている。
十勝釧路管内は広尾川捕獲場でウライなどが流出、さらに土砂の流入・堆積で川床が大きく変わり抜本的な復旧工事が必要。千代田捕獲場も河川水位が高く、川床も変わって「捕獲再開まで時間を要する」と説明する。
道漁連は8月末、平成28年度道産コンブ生産見込みを1万4701トンとした。6月末に示したものから約1900トン下方修正し、過去最低だった平成25年度実績(1万4931トン)を下回る予想。前年度実績比で12%減。平成18~27年度の10カ年平均比で19%下回る。
道漁連経由で道産魚介類を取り扱う全国の卸や商社でつくる「道ぎょれん会」の秋季取引懇談会が8月31日、東京都内で開かれた。北海道の主力商材である秋サケやホタテ製品の商戦に向け、熱心に情報交換した。
札幌市場の荷受カネシメ高橋水産(株)(高橋清一郎社長、電話011・618・2241)は、道産素材を使ったおせち料理の詰め合わせセット「北の漁師膳」を商品展開。ワンフローズン製法を売りに需要先の開拓を進めている。
おせちの具材を詰めた3段の重箱とキンキの姿煮で、1セット3~4人分。年間6千弱セットの売れ行き。具材は道産原料にこだわり、増毛産のタコやわらか煮、寿都産のシラスつくだ煮やボタンエビ、キンキなど。
青森県陸奥湾で7月に始まった新貝の出荷が終盤に入った。昨季同様にへい死が少なく好成長。現時点の水揚げは大半が平内町漁協で、9月前半までに終漁する予定だ。
耳づりの新貝出荷は7月に始まり、例年8月中旬ごろに終えるが、ともに好成長だった半成貝の出荷がずれ込んだことも影響し9月まで続いている。出荷量は1軒当たり日産1トン程度だが、ことしは北海道の減産で引き合いが強く無制限となり、多い漁業者は4、5トンを出荷している。
釧路市東部漁協の成コンブは8月末現在、出漁日数が13回(昨年16回)と伸び悩んでいる。7月は12回(同9回)操業したが8月に入り状況は一変。台風が次々と上陸するなど悪天候が続き、同月はわずか1回(同7回)にとどまった。
7月1日に解禁。同月は比較的順調に操業したが8月はシケや雨で苦戦。好天に恵まれた日が祭りによる沖止めという不運も重なり、出漁は同月12日の1回だけ。着業する坂本孝さんは「8月に1回というのは記憶にない」と話す。
いぶり中央漁協のマダラ刺網は前年を2割下回る水揚実績で8月31日終漁した。ハシリから低調に推移。加えてアオザメによる破網被害が前例がないほど発生し、満足に操業できなかった。
アオザメによる被害は特に8月に入って頻発。「網に掛かった魚を食い荒らすので、すぐに網地がボロボロ。魚が掛かってなくても網を壊される日もあった」と悔しがる。
室蘭漁協のノナ(キタムラサキ)たも採り漁はシケで苦戦している。海底が揉まれて濁りが強く、ノナが見つけにくい状況。一方、浜値は例年価格のピークになるお盆商戦も特に上昇せず、キロ800円台で推移している。
20軒が7月1日に操業を開始。8月27日現在の数量は前年同期比60%減の11トン、金額は同56%減の890万円、キロ平均単価は13%高の809円。
7月はハシリに日量1.2トンと順調だったが、次第に減少し、700~800キロに落ちた。室蘭魚市場の担当者は「1トン台が続かず不調だった」と話す。
道東沖の巻網漁が8月25日に始まり、釧路港にマイワシを水揚げしている。ハシリは小型魚主体の組成。加えて操業も2船団と本格化しておらず、29日現在の累計数量は前年同期比94%減の460トン。今季は昨年同様に全24船団が集まる予定で、今後の水揚げ向上に期待が掛かる。
噴火湾全域で発生している耳づり貝の大量へい死を受け、噴火湾8単協は近く、国に対し支援要請を行う。また8月末の台風10号で養殖施設が被災しており、復旧に向けた支援要請も合わせて行う考えだ。ことしは稚貝の成育が悪く、耳づりした本数は昨年より少ない中、原因不明のへい死が湾全域で大量に発生。来季の出荷量は、半減したことしの5万トンから、さらに半減する可能性も否定できない深刻な状況に陥っている。このため、へい死の原因解明に向けた調査や漁業者の運転資金などに対する融資を道、道漁連とともに要請することを決めている。