3月に始まったオホーツク海の漁場造成は、4月23日現在で北部、南部合わせた累計数量が約1万6900トンとなった。前年同期より5500トン多いペース。歩留まりは例年並みの7~9%台。各単協で順次値決めを行っており、浜値は前年並みキロ100円程度~2桁後半で妥結している。
散布、浜中両漁協の養殖ウニは徐々に価格が向上し、散布は昨年度、浜中は昨年に過去最高額を記録した。味や色みをはじめ供給量の安定も相まって、ウニ流通の中心となる東京・豊洲市場でブランドとして評価を確立。高級すし店の需要も増大している。漁家経営を支える漁業種に成長し、新規着業者も参入。今後徐々に出荷する見通しで、生産拡大にも期待がかかる。
道北日本海の留萌管内4単協(増毛、新星マリン、北るもい、遠別漁協)で、地まき用の稚貝出荷が進んでいる。規定殻長の3.3センチは満たしているが全体的に小ぶりの傾向。出荷計画量は昨年より980万粒多い10億6300万粒。17日現在の計画達成率は54%と順調だ。
留萌管内のカレイ刺網は、3月後半からマガレイ主体に増産している。好調だった昨年を上回る水揚量で大半の着業者が反数を減らし漁獲調整。キロ300円で始まった浜値は、4月前半に他管内の水揚量も増えたことから100円台中盤と値崩れ。増毛以外の大サイズは道漁連が昨年より早い買い取りで底値を下支えしている。
枝幸町の株式会社マルチカ須永水産(須永忠幸社長、電話0163・67・5535)は、簡便調理などの加工品開発で「枝幸ホタテ」の知名度向上に取り組んでいる。これまでクリームコロッケやグラタンを打ち出し、ネット通販やふるさと納税返礼品などでファンを獲得。さらに異業種連携で新たな商品づくりを進めており、将来的には海外市場の開拓も視野に入れている。
厚岸漁協のニシンが好漁に恵まれ、4月10日現在の数量は前年同期比42%増の710トンと大幅に伸ばしている。ただ浜値は安くキロ数十円まで下げたこともあり、キロ平均単価は同49%安の102円に下落、金額は同27%減の7200万円にとどまっている。
寿都町漁協の有限会社マルホン小西漁業(小西正之代表)は数年前から取り組む船上活じめの進化に乗り出している。今春からサクラマスの2キロ以上を厳選し、「桜寿(おうじゅ)」の名称でブランド展開。脱血、海水氷を使用した冷却処理による鮮度・品質保持を基盤に独自のネーミングで訴求力を高め、道内、本州の消費地市場などで差別化に臨んでいる。
道昆布漁業振興協会の本年度事業計画は、天然資源の減少や夏場の天候不順、高齢化、労働力不足など減産要因である各課題解決に向けた生産振興対策に継続して取り組む。異物混入防止対策も引き続き行い、生産者の意識向上を図る。また道こんぶ消費拡大協議会と連携し、昆布の健康価値や効能を打ち出す宣伝・食育活動も展開、消費者への啓蒙に注力する。